お薬 いろは

「 ちょっと目薬がほしい! 」という時、日本では街中のドラッグストアですぐ買えます。でも、ハンガリーではそうはいきません。処方薬も市販薬も、薬局に行くのが基本です。ここでは薬を買う際の基本的なこと、「 謎のかけ算 」、知っトク情報などをお伝えします。

薬局とドラッグストアの違い

こんな一軒家風薬局もあります

ハンガリーにもドラッグストア ( drogéria ) はあり、 “ dm ” 、 “ Rossmann ”、” Müller ” などの外資系がチェーン店で展開しています。こういったお店では、化粧・スキンケア商品、香水、絆創膏、健康食品やサプリメント、おむつなどベビー用品、洗剤など幅広く取り扱っており、見てまわるのも楽しいもの。ですが、市販薬はそれほど置いていません! 置いてあってもケースに鍵がかかっていたりするので店員を呼ぶ必要があります。( 棚にある商品札を持っていき、店員に商品を出してもらうお店もあり。)

一方、薬局 ( gyógyszertár、 patika ) は、医師が処方する医薬品はもとより、市販薬もすべて取り揃えています。その他、ビタミン剤、高品質のシャンプーやスキンケア商品、乳幼児関連商品 ( 粉ミルクも ) 、ハーブティー、血圧測定器といったものも購入可能です。

薬局とドラッグストアの一番の違いは、薬局では経営する人も販売する人も「 薬剤師 」である点。専門的なアドバイスを求めるのであれば、薬局に行きましょう。また、後述の「 知っトク情報 」でも触れますが、ほとんどの薬局で調剤室が併設されています。

市販薬についてはネットショップが増加中。ハンガリー語のみではありますが、成分や使用説明書も掲載されているので便利です。

処方箋ありの薬 

医師が処方箋 ( recept、vény ) を書いた場合は、紙をそのまま薬局に持っていきます。処方箋があれば、国の健康保険に加入 / 未加入に関係なく購入可能です。

国家健康保険に加入している場合、保険適用の医薬品ならば割引になります。そのため、薬局で処方箋を渡す際、名前、住所、生年月日、保険番号 ( TAJ szám ) を記入しておきましょう。 ( 本来は医師が記入するものですが、「 自分でやっておいてね 」と言われることが多いです。 )

処方箋は、1 つの医薬品につき 1 枚。 1 回に処方されるのは、通常、次の診察まで必要な量。慢性的なもの ( 高血圧など ) で常時同じ薬を服用している場合は、原則として最大 90 日分です。

※ ハンガリーでは、2017 年 11 月から「 電子処方箋制度 ( e-recept ) 」が導入されており、現在は移行期間になっています。この制度では、患者は紙ベースでの処方箋は受け取らず、薬局で薬を購入する際は、保険証と身分証明書を提示するだけ。( もしくは、ID カードが ” e-személyi ” という保険証番号データも含まれているタイプであれば、それのみの提示で可能。 )

謎のかけ算

お薬に書かれた謎の掛け算

ハンガリーでは、薬剤師が医薬品を渡す際、服用方法、頻度について口頭で説明します。その時一緒に、パッケージに 「 3 x 1 」などと書いてくれます。これはいったい、なんでしょうか?

“ A ” x “ B ” とは・・・

A → 1 日あたりの服用 ( 塗布 ) 回数

B → 1 回あたりの量

従って「 3 x 1 」は、錠剤ならば、 < 1 日 3 回、 1 錠ずつ > という意味です。稀に A × B × C というのを見かけますが、C は「 何日間 」を指します。

それぞれの薬には、製薬会社が薦める服用量などを書いた使用説明書がもちろんついています。薬剤師の書いた A x B がそれと違う場合は、薬剤師の方に従いましょう。医師が処方した分量に基づいているからです。

処方箋なしの薬 

処方箋なしで買えるお薬

処方箋なし ( receptnélküli、 vénynélküli ) の市販薬には、保険は適用されません。薬局に行って症状を説明するか、欲しい医薬品名を伝えます。

購入する際には、日本で販売されている薬と同じ名前でも、成分の含有量が異なる場合もあるのでご注意ください。小柄な日本人の方で、効きすぎたという例が時々あります。

ハンガリーでメジャーな市販薬の例
風邪: NeoCitran、Coldrex、Nurofen、Advil、Rhinathiol、Rubophen
咳: ACC、Rhinathiol Tusso、Robitussin、Mucoplant Dr. Theiss Lándzsás útifű szirup
喉の痛み: Strepsils、Tantum Verde、Wick、Dorithricin
鎮痛・解熱剤 ( 頭痛、生理痛など ) : Aspirin、Advil、Algoflex、Panadol、Nurofen、Saridon、Rubophen
鎮痛剤 ( 生理痛、筋肉・関節痛など ) : Cataflam dulo、Algoflex、Voltaren
アレルギー ( 花粉症 ) : Allegra、Claritine
下痢: Imodium、Lopedium、Smecta
虫刺され: Fenistil、Bepanthen
消毒薬: Betadine、Octenisept
軟膏: Bepanthen ( 乳児のオムツかぶれにも )
こどもの解熱剤: Nurofen、Panadol ( いずれもシロップ ) 。乳児には座薬が基本。

なお、ハンガリー人家庭が常備しているような内服薬には、シロップや、水または沸騰した湯に溶かすタイプが結構多いです。薬については別の記事でも扱います。


薬局の営業時間

夜でも安心 24 時間薬局 ( 6 区 Terez Krt )

営業時間は平日 8 時~ 18 時もしくは 20 時くらいまで。土曜日は、閉店か短縮営業が一般的。日曜日や 24 時間営業の薬局は、数は少ないもののいくつかあります。

薬局はブダペスト市内であれば街中に多数、地方の町でもたいてい1軒はあるので心配はいりません。大きな国立病院であれば院内薬局もあります。また、家庭医や専門医診療所、プライベートクリニックならば、たいてい近所で見つかります。

ブダペスト市内の 24 時間営業の薬局
< ペスト側 >
・AsiaCenter Gyógyszertár 0 – 24 ( 15 区、Szentmihályi út 167 – 169、1152 )
・Elephant Pharmacy ( 10 区、Pongrác út 19、 1101 )
・Nagyicce Patika, Ügyeletes Gyógyszertár ( 16 区、 Veres Péter út 11 b、 1163 )
・Pharma Patika Gyógyszertár – Újpest ( 4 区、Árpád út 67、1042 )
・Teréz Patika ( 6 区、Teréz krt. 41、 1067 )

< ブダ側 >
・Déli Gyógyszertár ( 日曜のみ 24 時間営業 ) ( 12 区、Alkotás u. 1、 1123 )
・Gyógyszertár ( Csillaghegyi Patika Bt. ) ( 3 区、Vasút sor 1、 1038 )
・Mátyas Király Pharmacy ( 3 区、Mátyás király út 2, 1039 )

24 時間薬局の位置がわかる便利マップはこちらから

知っトク情報 

薬局オリジナル調合クリーム
薬局では、店頭には並んでいないオリジナル調合のハンドクリーム、化粧水などがあります。もともとアトピー患者など向けに皮膚科医が処方するものですが、処方箋なしでも言えば買えますよ。防腐剤、香料などの添加物は入っていないので、敏感肌にも安心です。

画像のハンドクリームは 100 グラムで 420 Ft ( 約 180 円 ) と、市販品よりかなり安め。処方箋があれば 200 Ft くらい (!) になります。使用期限は 6 か月、要冷蔵保存。

*すべての情報は 2018 年 2 月 20 日現在です。

ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。