長引く咳にハーブのちから

風邪やアレルギー、様々な要因で引き起こる咳。室内外の温度差やたばこの煙、ホコリや花粉でも発作的に咳き込んでしまうこともあります。ここでは、そんな時に役立つハンガリー家庭の知恵袋がテーマです。長引く咳に用いるハーブ、外出時に役立つグッズをご紹介します。最後には、秘宝ハーブの知っトク情報もお届けしています。

つらい咳には、昔ながらのハーブパワー

© flickr Photo by Andreas Rockstein / title : Plantago lanceolata

今回の主役ハーブは、「 ヘラオオバコ 」。日本でも道端や庭で見かける葉の広い多年草「 大葉子 ( オオバコ ) 」の仲間です。ヨーロッパ原産のヘラオオバコは、当地で薬草として重宝されてきました。

ハーブとしての日本語名は、プランタゴハンガリー語では、Lándzsás útifű ( ラーンジャーシュ・ウティフゥー ) と呼びます。

その殺菌作用、抗炎症作用から、ラーンジャーシュ・ウティフゥーは優れた咳止めハーブとして知られているのです。肺や気管支の炎症にも効果を発揮するといわれています。

ハーブを使った咳止めシロップ

ドラッグストアの咳止めシロップ。1000 Ft ( 約 400 円 ) ~ 1600 Ft ( 約 640 円 ) ほど。

ハンガリーでは昔から、長引く咳には、このラーンジャーシュ・ウティフゥーのシロップなのだそう。当地のドラッグストアを見ると、いくつかのメーカーの製品が並んでいます。3歳以上の子どもから飲めるもの、夜のつらい咳用など、年齢や症状に合わせて選びます。これらは処方箋なしで購入 OK

先日、私はひどい風邪をひいてしまいました。咳だけが長く続き、夜もなかなか眠れませんでした。そんな時、ハンガリー人の同僚のすすめでこのハーブシロップを使ってみることに。

Innopharm のラーンジャーシュ・ウティフゥー咳止めシロップ ( 3 歳から使用可 ) Photo by Yuri

試したのは、ハンガリーブランド Innopharm ( インノファルム ) のシロップ。ラーンジャーシュ・ウティフゥー自体には、際立った味や独特の匂いはありません。このシロップには、鼻がスーッとするようなペパーミントの香り入り。味はあまめですが、ほどよい酸味もあり、意外と美味しいです

その甘さで、ある日のことをふっと思い出しました。

それはまだ私が保育園に通っていた頃のことです。風邪をひき、お医者さんから飲み薬を処方されました。幼い私はその味を気に入ってしまい、なんと一気飲み。それに気づいた母はビックリ仰天! 適量以上に薬を飲んだ結果、案の定、お腹を下すという甘苦い経験をしました。

ラーンジャーシュ・ウティフゥーシロップも子どもが好きそうな味なので、がぶ飲みに注意が必要かもしれません。

シロップを飲んでしばらくすると、咳が落ち着いていることに気がつきました。一度飲んだだけで治るわけではないですが、思っていた以上に息をするのが楽になったのです。咳がつらい時に試してみる価値はありますよ。

【 InnoPharm Herbal Lándzsás útifű シロップ 150ml 】

ビタミン c とエキセアナ ( 風邪に効き目がある薬草 ) 入りです。

≪ 1日あたりの推奨される投与量 ≫
15 歳以上の青年および成人 : 15ml ( 付属スプーン 3 杯 )
7 歳から 14 歳の子どもは : 5ml ( 付属スプーン 1 杯 )
3 歳から 6 歳の小さいこどもは : 2.5 ml ( 付属スプーン半分の線まで )


咳がとまらない時には、ハチミツ入りのハーブ飴

ラーンジャーシュ・ウティフゥーとはちみつ入り咳止め飴  Photo by Yuri

風邪だけでなく、アレルギーなど咳をともなう症状はさまざま。外出中に花粉症で咳が止まらなくなってしまった、なんてことも。そんな時に役立つのは、携帯できる咳止めグッズ。

おすすめは、ラーンジャーシュ・ウティフゥーとはちみつがはいった飴です。1 箱 20 個ほど入って 750 Ft ( 約 300 円 ) 前後。比較的コンパクトで持ち運びにも便利です。

Köhögés elleni cukorka ( 咳どめ飴 )
※ Köhögés ( クフゲーシュ ) … 咳、ellen ( エッレン ) … 対して、 cukorka ( ツコルカ ) … 飴

ティを冷ましてうがい薬にもできます。 Photo by Yuri

ラーンジャーシュ・ウティフゥーは、口腔・咽頭部の炎症にも良いとされ、当地ではうがい薬としても用いられます。のどが痛い & 咳が出る、ダブルパンチの時にうってつけのアイテムです。

知っトク☆ 気管支の問題におすすめのハーブティ

セイヨウニワトコの花のハーブティ。ティパックタイプです。 Photo by Yuri

以前、風邪をひいて咳がつらい、のどが痛い時のハンガリー家庭療法で kakukkfű ( カクックフー )* ティ をご紹介しました。

*  kakukkfű の日本語名は『 タイム 』です。

咳がつらい、のどが痛い時のハンガリー家庭療法

2018.03.07

ハンガリーではもう一つ、呼吸器系の病気に使われるハーブがあります。それは Fekete bodza virág ( フェケテ・ボッザ・ヴィラーグ ) 。日本語名は、セイヨウニワトコの花。イギリスの作家 J・K・ローリングの小説 『 ハリー・ポッター 』では、ニワトコの杖が伝説の死の秘宝とされるほど、すごいパワーをもつ植物なのです。

実際に、飲用するとどんな効能があるかというと、

  1. 熱や風邪の時に汗をかかせる ( 発汗させることで解熱効果を期待 )
  2. 上気道 ( 鼻から咽頭まで ) の疾患の際には、咳を抑制する
  3. 副鼻腔炎時に抗菌作用
  4. 利尿作用 ( 腎臓機能を助ける )
  5. 血圧を下げる
  6. リウマチの痛みを和らげる

さすがニワトコ属!その効力は絶大です。風邪や咳でお悩みの際は、ハーブのちからをかりて、温かいティでほっと一息ついてはいかがでしょうか。

fekete ( フェケテ ) … 黒
bodza ( ボッザ ) … ニワトコ
virág ( ヴィラーグ ) … 花

※ ヨーロッパに生息するセイヨウニワトコは、通常のものと比べて、実は熟すと黒くなります。それに由来し『 黒ニワトコ 』の名がついています。


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ABOUTこの記事をかいた人

武田友里

2015年からブダペスト在住のアラサーです。神戸大学を卒業後、映画などのロケ地として人気になっているブダペストの大学院でメディアの世界に飛び込みました。現在は、マルチリンガルを活かして、ハンガリーを拠点に中欧・東欧諸国での取材・撮影をアレンジするコーディネーターです。