痛い口内炎に、お助け薬


できてしまいました、口内炎が。慌ただしくて寝不足が続くと、決まって小さな白っぽいモノが口の中に現れます。せっかくの美味しいご飯もしみるし、喋るのも億劫に。痛みを緩和し、早く治るのを手助けする市販薬や天然パワー、また NG 食品などご紹介します。

国産消毒薬でブクブクうがい

口内炎 ( Afta / アフタ * ) は通常、1 ~ 2 週間で自然に治るとされます。でも、その間、痛いのは気になりますし、気分も下降気味。早く治ってくれるに越したことはありません。ポイントは、口の中をなるべく清潔に保つこと。

( * 口内炎にはいくつか種類がありますが、ここでは最も一般的なアフタ性口内炎を扱います。口の中を噛んて傷ができたり、免疫力低下が主な原因です。)

私が使っているのは、Glycosept ( グリコセプト ) 。家庭医に勧められたのがきっかけでした。処方箋なしで薬局で買える消毒液で、Wagner-Pharmaというハンガリーの会社が製造しています。

Photo by Ako

服用するには、100 ml の水に 40 滴たらして溶かし、口をゆすぎます ( ゆすいだ後は飲み込まないで、出してください!)

もしくは、綿棒などにたらして、患部に直接塗布。3 歳以下の子どもは口ゆすぎがうまくいかないことが多いので、直接塗布が勧められています。妊娠中の方は、医師のアドバイスを受けてください。

Glycosept の主な成分

・アクリフラビニウム塩化物 → 局所消毒薬の1つ
・レボメントール ( Lメントール )  → メンソール着香料、消炎剤 ( 食品でも使われています。)
・レゾルシノール ( レゾルシン )  → 殺菌消毒成分

見た目は黄色蛍光ペンのようですが、苦い、不味いということはありません。味は、マウスウォッシュ ( 洗口液 ) に近いです。メントールは、マウスウォッシュでもよく使われるからかもしれません。

これで一日数回、口をゆすぐと治りが早くなる、、、というのは私も実感しているところです。

Glycosept は口内炎以外の口腔内、喉の炎症にも使用可。1 本 30 ml で、価格は 2000 Ft 前後 ( 約 800 円 ) になっています。

 

 

プルンとした塗り薬

今回は、違うものも試してみようと薬局で尋ねたところ、まず出されたのは Anaftin ( アナフティン ) というジェルでした。患部に直接塗ります。こちらは、Berlin-Chemie というドイツの会社が製造。処方箋は必要ありません。

Photo by Ako

Anaftin の主な成分

・ポリビニールピロリドン ( P. V. P.)
・ヒアルロン酸
→ 患部に直接塗ると、この 2 つが薄い膜をつくる。
・アロエベラ → 保水能力の高いヒアルロン酸とともに、自然治癒を助ける。
* ステロイドは入っていません。

以前、私が日本で使っていたジェルタイプは、半透明でザラザラ、ネバネバしていましたが、こちらは透明でなめらか。最近、コラーゲンと同じような潤い成分として注目されている、ヒアルロン酸のためかもしれません。プルンと口内炎を覆ってくれます。

味についても不快感はなし。炎症部分が他との接触をブロックするので、痛みも和らぐことに。もっと早く試せばよかった!と思ったほどです。

ただ難点は、 2400 Ft ( 1000 円近く) もすること。箱を開けて、その小ささに驚いてしまいました。説明書で確認したら、たった 8 ml でした!

 

服用方法

– 1 ~2 粒を患部につけし、完全に覆うようにする。( チューブの先端は患部に直接つけないように注意。私は綿棒でつけています。)
– その後、膜がきちんと定着するまで、2 分は舌で触らないように。
– 効果を最大にするためには、できれば塗布後 1 時間は飲食を避けること。
– 1 日 3 ~ 4 回。
– 家族内での細菌感染を避けるため、使いまわしはしない
– 子ども服用に関しては特に注意書きなし。妊娠中の場合は、医師のアドバイスを受けてください。

 

ベビー用塗り薬 2022 年 11 月 27 日追記

すみれさん

子どもはまもなく 2 歳。保育園に通っていて、季節の変わり目はよく風邪をもらって帰ってきます。

この秋も体調不良のオンパレード。そのため免疫力が低下していたのでしょう、突如、口内炎がいくつもできてしまいました。口内炎程度ならと思っていたのですが、とても痛がり、数も増えていったので病院へ。

やはり診断は「 口内炎 」。薬局で Anaftin Baby を買って塗るようにと言われました。

こちらは処方箋なしで買えます。10ml で 3000 Ft 超えと高めなお薬。背に腹は代えられないので即購入しました。

口内炎の他に、赤ちゃんの歯が生えてくるときの痛み緩和にも使えるそう。

説明書を読む限り、局所麻酔薬になるようなものやアルコールなどは入っていません。その成分は、ポリビニールピロリドン、ヒアルロン酸、アロエベラと大人用の Anaftin と同じ。

開けてみると細長いチューブの先にブラシがついています。触ると子供用の柔らか歯ブラシの毛先が短いバージョンのよう。

押すと毛先に透明でネバっとしたジェルが出てきて、そのまま患部に優しく塗ります。食事後もしくは寝る前が良いそうです。

味は全くしませんが、異物を入れられるため、子どもはギャン泣き。ですが、チューブが細く、歯磨きのような要領で塗れたので、それほど大変ではありませんでした。

使用 4 日目には痛みは和らいだようで、飲食が通常通りにできるまでに回復。5 日目には、見た目も落ち着きました !

ただ、毛先部分の消毒をどうしていいものかわからず。使用後に残ったジェルは拭き取るとあったので、キッチンペーパーで拭いて水で流してはいました。

完治後の今、衛生面からも捨てた方がいいかもと思っているところです。

 

 

天然パワー

今回、いろいろと調べていた際、ハンガリーのサイトで口内炎に効果のあるハーブなど天然モノについて言及しているのを見つけました。

挙げられていたのはカモミール  ( kamilla )、セージ ( zsálya ) のお茶。どちらも、抗炎症効果、鎮静効果、抗菌効果が期待できます。これで口をゆすぐと良いとのこと。

また、エキナセア ( echinacea、kasvirág )は、ウィルスへの抵抗力、免疫力を高め、炎症を抑える効能があるとされています。

用語 ハーブ名 & 効能早見表

2020.05.08

 

さらにプロポリスもお勧めとのこと。抗菌作用がある上に、炎症部分を覆うことができます。

当地のドラッグストアで 1300 Ft ほど(500円以下) 。ハンガリー製セージとプロポリス入りのゲル。歯茎のケアや口内炎用です。使い方は、患部に塗っておいておくだけ。 Photo by Yuri

毎日の予防とケアに、ハンガリー産プロポリス

2020.03.06

 

はちみつについては、改善した/悪化した、の両方があり議論になっているようです。悪化する一つの要因は、製品によっては、水あめが添加されるなど純度が低く、糖分が細菌を逆に繁殖させてしまうからとされます。

当ブログのもう一人の管理人 友里さんは、義理のお母さんにアロエ液が良い、とお裾分けしてもらったそう。「 医者いらず 」で知られるアロエは、Anaftin の成分にもなっています。

 

口内炎のときの NG 食品

最後に、口内炎のときに食べない方が良いものについて。ヒリヒリして痛いだけでなく、炎症が悪化し、治るのが遅くなる可能性もあるからです。

口内炎の場合、避けるべき食品
・辛いもの ( 辛いパプリカは厳禁!)
・酸が強いもの ( 酢、柑橘系果物など )
・塩分が多いもの ( 塩がまぶしてあるナッツ類、ポップコーンなども含まれます。)
その他、熱いものも勧められていません。

口内炎の予防法
✓ 口内環境を清潔に。
✓ バランスの取れた栄養と十分な睡眠。特にビタミン B 群が良いそうです。
✓ ストレスをためないように。
✓ 口の中の乾燥を防ぐ。乾くと粘膜の免疫力が低下します。こまめに水分補給を。

*2 週間経っても口内炎が治らない時は、他の病気であることも考えられます。医師の診察を受けることをお勧めします。

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ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。