どうやって購入する?値段は?ハンガリーのコンタクトレンズ事情

今回は、ハンガリーのコンタクトレンズを買ってみた管理人の体験談をご紹介。買い方や価格など詳しくみていきます。また、留学や転勤など、移住の前に知っておくと役立つ情報もお届けします。

コンタクトレンズに関する噂 ?

ブダペスト西駅近くのメガネ屋さん  Photo by Yuri

武田友里
学生時代からコンタクトレンズを使ってきました。ですが、当地でコンタクトを購入したことはなし。日本へ一時帰国する度に買い、持ち帰っていました。

なぜかというと、ハンガリーでは「 日本より値段が高い 」「 種類が少ない 」と耳にすることが多々あったため。実際に、現地の生活に不慣れだった頃は、どこへ買いに行けばよいのかもわからず。まず、眼科へ行く必要があるのかなど、手順も知りませんでした。

世界情勢の影響で簡単に一時帰国しづらく、遂にレンズのストックが底をついてしまいました。意を決して、当地で探し求めることに。

今回は、 ハンガリーには「 どんなメーカー製品があるのか 」や「 コンタクトレンズを買うときの流れ 」、「 本当に日本より高いのか 」を調べていきたいと思います。

 

ハンガリーで購入できるブランド

様々なメーカーの製品があります。中には日本でもお馴染みのものも。

  • Johnson & Johnson ( ジョンソン・エンド・ジョンソン ) : Acuvue ( Oasys, Moist, TruEye, Advance )
  • Bausch & Lomb ( ボシュロム ) : SofLens, PureVision, Biotrue
  • Coopervision ( クーパービジョン ) : Biofinity, Biomedics, MyDay, Proclear, Clariti, Sauflon, Avaira
  • Alcon (アルコン ) : Dailies total 1, AquaComfort Plus, FreshLook, Precision 1, air optix
  • Pro-vision ( プロビジョン )
※太字赤は日本でも人気があり、当地でも主流のブランド。太字黒はハンガリーで取り扱いがあり、日本で見かける商品です。ただし、メガネ店の方によると、アキュビューシリーズは、仕入れが不安定になることがあるとのこと。

今回訪れたメガネ屋さんで扱っていたブランド一覧です。「 シード 」や「 メニコン 」など日本国産ブランドはさすがにないですが、大手の外国ブランドは多くあり、「 種類が少ない 」というほどではありません。当地の大手チェーン Vison ExpressOfotért などでも同じような品揃えです。

これから購入の流れを説明しますが、日本で上記内のメーカー製品をご使用の場合は、当地で購入する際にスムーズですよ。

 

購入、受け取りまでの流れ

メガネ屋さんの奥にある検査室。

~初めてコンタクトレンズを買う場合~

① 検査日の予約を取る
⇒ 行かれる予定のメガネ屋さんで予約  ※オンライン予約が主流
⇒ 検眼士が常駐していなかったり、混雑していることもあるため、要予約 

② 予約日に目の検査を受ける
⇒ Optometrista ( 検眼士 / 検眼専門医 ) が検査
⇒ 視力検査はランドルト環 ( C マークのよう ) ではなく、アルファベットを読む
⇒ 視力検査だけでなく、視力に深刻な問題を引き起こす他の病気 ( 糖尿病、高血圧 等 ) の有無もヒヤリング
⇒ 混雑具合にもよるが、所要時間は 15 – 20 分程度

③ 検査結果を基に適切なコンタクトレンズを選ぶ
⇒ 既に使っているブランド製品が店舗にあり、使用中のものの度数も問題ない場合は、そのまま購入へ
⇒ 度数の表示方法は、日本とハンガリーで同じです。( 例 : D -1.75 / BC 8.8 )

④ 選んだコンタクトレンズを試す
⇒ お試し用のコンタクトレンズが無料の場合もあれば、有料のお店もあり
⇒ 使用中と同じものを購入の場合は、試着はなし

⑤ 試した製品で問題がなければ、購入
⇒ 初めて装着する製品については、その場で検眼士が状態を確認
⇒ 店舗に在庫がない場合は、注文して、入荷次第取りに行く

武田友里
②検査 ~⑤購入まで、早ければ即日ですが、私はトータルで 1 週間以上かかりました。

その理由は、

  • 使用中のコンタクトを着用せず、メガネで検査に行ってしまった
  • 日本で使用していたメーカーの在庫がなく、入荷予定日も不明。ブランドを変えることになった

この 2 点の不備で待たなければならなかったためです。

検眼士いわく、朝からレンズを使用し、その状態で午後に検査を受けるのが通常だそう。装着にあたって、目の不具合や度数が合っているかを検眼士が確認します。

この場合、目に問題がなく、在庫もあれば、即日でレンズを受け取れます。コンタクトレンズを着用しないままで検査を受けに行くと、その日にレンズを持ち帰えることは難しいので、ご注意ください。

 

使用中のものと同製品を購入の場合も、初回は検眼士による眼の検査は必須です。2 回目の購入以降は、商品を受け取るだけでよいとのこと。

障害を防ぐために、定期的にコンタクトレンズ使用時の眼の状態をチェックすることを強く推奨しています。一般的に、コンタクトレンズ使用者は 3 か月に一回程度がベスト、少なくとも年に 1 回は検査しましょう、とのこと。

義務ではないため、実際に、2 回目以降はネットショッピングを利用し、検査を省く方もいるよう。読者の皆さんは、定期的に検査してくださいね。

 

気になるお値段は?

私の場合、目の検査は 7 000 Ft ( ≒ 2,640 円 ) 。

試着用のクーパービジョンのバイオフィニティ ( 1 か月使い捨て ) は有料で、1 枚あたり 1 080 Ft ( ≒ 400 円 ) でした。ですが、クーポンが使えたので、レンズは無料になったと言えます。

現在は、これをお試し中。

ではその後、実際にバイオフィニティを箱買いした場合はというと……

  • 日本  1 箱 3,000 円少々 ( ≒8,000 Ft  )
  • ハンガリー  1 箱 8,000 Ft 程度 ( ≒3,000円 )

※いずれも、1 箱 6 枚入り ( 片目 6 か月分 )

なんと、ほぼ同額 ‼

厳密に言うと、100 円ほどハンガリーの方が安かったです。ただし、まったく同じタイプのものでもメガネ店や通販サイトによって価格が多少違いますので、ご了承ください。また、その時のフォリントと円の為替レートでも違いは出ます。

 

では、目の検査料金はというと……

  • 日本の相場  初診 3,000 円程度。※ 保険適用の診療になるので、基本的に1,000円前後で受診できます。★
  • ハンガリーの相場 1 回 10,000 Ft 程度。( ≒ 3,800 円 )  ※ 7,000 ~ 15,000 Ft と振れ幅が大きい印象です。☆
★ 日本での相場は、眼科で診察を受けた場合を参考にしています。
☆公的保険は適用になりません。ただし、Vison Express のようなチェーン店では、購入を前提としている場合は検査を無料で実施しているようです。
検証結果は、

  • コンタクトレンズ自体は、日本の価格と互角
  • レンズ購入前の目の検査代金は、日本より高くなる可能性が高い

 

「 ハンガリーでコンタクトレンズを買うと、日本より費用がかかるのか? 」→  私の場合は、トータルで見ると少しだけ高くなりました。

 

ハンガリーでは毎年 10 月が Látás Hónapja ( 視力月間 ) となっており、この月に検査無料キャンペーンをしているメガネ屋さんが多いそう。この機会を利用すれば日本よりお安く買えるかもしれませんよ。

 

 

用語

Kontaktlencse ( コンタクトレンチェ ) … コンタクトレンズ
Kemény lencse ( ケメーニ レンチェ ) … ハードレンズ
Lágy lencse ( ラージ レンチェ ) … ソフトレンズ
Napi kontaktlencse ( ナピ コンタクトレンチェ ) … 1day ( 1 日使い捨て ) レンズ
2-heti kontaktlencse ( ケートゥヘティ コンタクトレンチェ ) … 2 week ( 2 週間交換 ) レンズ
Havi kontaktlencse ( ハヴィ コンタクトレンチェ ) … 1 month ( 1 ヶ月交換 ) レンズ
Asztigmatizmus ( アスティグマティズムシュ ) … 乱視
Tórikus kontaktlencse ( トーリクシュ コンタクトレンチェ ) … 遠近両用レンズ
Multifokális ( ムルティフォカーリシュ ) … マルチレンズ
Szemcsepp ( セムチェップ ) … 目薬
Kontaktlencse folyadék ( コンタクトゥレンチェ フォヤデーク ) … コンタクトレンズ洗浄・保存液
Szemüveg ( セムウヴェグ ) … 眼鏡

ABOUTこの記事をかいた人

武田友里

日本ハンガリーメディアート在籍の撮影コーディネーター ( Production Coordinator ) です。神戸大学を卒業後、映画などのロケ地として人気になっているブダペストの大学院でメディアの世界に飛び込みました。現在は、マルチリンガルを活かして、ハンガリーを拠点に中欧・東欧諸国での取材・撮影で走り回っています。