ハンガリーでマタニティライフ ( 5 ) 誕生、そして

ハンガリー在住 7 年目の駐在妻 ゆうさん ( 女性、30代 ) は、当地で第 2 子を妊娠、出産。これまでに、病院事情や周囲の環境、驚きの連続だった入院生活を綴ってきました。そんなマタニティライフも今回で終わり。最終回では、遂に出産の時を迎えます。

想像以上に大パニック


突然の出血で妊娠 28 週目 ( 7ヶ月目 ) で緊急入院。そこから出産までの1ヶ月間を病院で過ごしていました。さまざまな驚きと遭遇しましたが、周囲の方の協力もあり、無事に出産の日を迎えられました。

ハンガリーでマタニティライフ ( 4 ) 緊急入院でサバイバル

2019.03.27

しかし … その時にまたしても試練が!

お産直前、病室で服を脱がされ、すっぽんぽんに。第4回でご紹介した通り、部屋には仕切りカーテンなどありませんから、同じ部屋の方々には丸見えです。

何かでさっと体を覆われることもなく、しばらくその状態でした。裸で台の上に乗り、さぞ恥ずかしい!と思いきや、あら不思議。

今まで他の人が運ばれて行くのを見ていたせいか、いざ自分がその立場になると、もう恥じることもなく。そんな自分にいちばん驚きました。

体をカバーしてほしいなとは思いつつ、、、もうなるようになれ!

その一部始終を見ながら、夫も思わず笑ってしまったようです。そのまま私は運ばれていきました。

今回のお産は、前置胎盤のため帝王切開。向かった先は分娩室ではなく、手術室。そこは、夫も通訳者も入室できない場所でした。心細いながらも、子どものために勇気を振りしぼりました。

まずは、お腹が切られる様子が見えないように、目隠し。そのため、自分に何が起こるのか、周囲の状況から確認はできませんでした。

さらに、全てがハンガリー語の世界。頭上でずっと声をかけてくれる誰かがいたのですが、何を言っているのかよくわからず。

誰か医療スタッフが「この子、( ハンガリー語で ) 何を言ってもわかってないわ」と話し、それを聞いてすごく悲しくなりました。ハンガリー語が全くわからないわけではないので、そういう言葉は耳に入ってきてしまったのです。

どうせ説明してもわからないと思われたのでしょう。麻酔の時も「今から打ちますよ」とわかりやすく声をかけてくれませんでした。

何をされているかわからないことに、計り知れない恐怖。二人目の出産なのに、パニック状態でした。

泣きたい感情を抑えていたら、声かけをしていた女性が何かを察したのか、手を繋いでくれました。

その時の安堵感は生涯忘れることはないでしょう。例え知らない他人でも、人の温もりを感じることが、こんなに安心感を与えるんだ…と思いましたね。

そして、出産の時。実は、いつ生まれたのかわかりませんでした。

目隠しもしていましたし、帝王切開なので、産んだという感覚がなく…。また未熟児で生まれた息子は危険な状態だったため、すぐに新生児集中治療室 NICU ( Neonatal Intensive Care Unit ) に運ばれることに。当日に会うことは叶いませんでした。

次の日、なんとしてでも息子と対面したく、激痛に耐えながら歩く練習。無事に顔を見た時は、本当に幸せに包まれました。

病院書類でまさかの事態

そして無事に息子が生まれ、一安心していた矢先。病院関係者が私のところへやってきました。その手には書類。それはどうやら出生証明書のようなものでした。

産後でフラフラ状態の私に書類を見せ、確認してほしいと言いました。この時に、「落ち着いて目を通したいから後で来て」と言えればよかったのですが、当時は「この人を逃すと手続き方法がわからなくなるかもしれない」という思いが先行してしまいました。

というのも、息子のビザ等の準備のため、急がなければ!と思っていたからなのです。

頭がぼんやりする中で、とにかく我が子の名前だけは間違えられないようにと確認しました。そこは問題なかったので、とりあえずOKを出しました。

しかし…後日、蓋を開けてみると大変なことに。なんと書面上、息子の母親の名前が、私の母 ( 彼の祖母 ) のものになっているではないですか⁉

その発端は、入院時に私がパスポート不携帯だったことにあったよう。

入院手続き時、通常の書類に加え、私の身元を確認するための書類をどっさり渡された夫。小さな長女を横でみながら、必死に記入していきました。

普段以上に書類が山積みになったことに加え、事務手続きが苦手なハンガリーあるあるが相まって、情報の入力ミスが発生。その結果、まさかの母親の名前を間違える事態を引き起こしてしまったようです。

パスポートがあれば、顔写真で私の名前を確かめられたかもしれませんが…。

ここでなぜ、病院側が私の母の氏名を知っていたかといいますと、当地では、公的書類には母親の旧姓をフルネームで書く必要があるため。( 母親の旧姓氏名情報が要る理由は割愛します。)

他にも数箇所のスペルミスを発見。慌てて届け出の修正をお願いしましたが、予想以上に時間がかかってしまいました。最初に落ち着いて書類を確認すべきでしたが…、急がば回れ、ですね。

在留邦人の皆さんの中にも、状況は違えど「 あるある 」とうなずかれる方は多数いらっしゃると思います。

ハンガリーでは、公的な重要書類であっても、間違いが多いです。特に外国人の名前や地名になると、スペルミスがよくあります。

こんなことがないことを願いますが、読者の皆さんもご自身でご注意くださいね。

そして、出産から1ヶ月。未熟児だった息子とともに病院で過ごし、無事に退院。何はともあれ、今は家族4人とネコ1匹、笑顔で元気に暮らしています。

出生届について
日本国籍取得のためには、出生日を含めて 3 か月以内に在ハンガリー日本国大使館に届ける必要がありますので、ご留意ください。必要書類など、詳細については大使館ホームページに掲載しています。( ここをクリック )

外国でママ、パパになる皆さんへ

私は第一子を日本で、第二子をハンガリーで産んでいるため、日本とハンガリーどちらで産むかのがいいか?と聞かれることがあります。

その度に考えるのですが、どれだけ考えても結論は出ず。

妊娠、出産は、本当に個人差があり、思い描いたように進む事の方が稀だと思います。もし〇〇だったら、などと考え始めたらキリがないのです。

希望どおり出来たこと、叶わなかったこと、想像を超えた嬉しいこと、それぞれ書ききれないほど沢山あります。そして私は、その全てのことに対して後悔はしていません。

そう思えるのは、全ての結果を、全て自分の責任だと受け入れる覚悟があったからではないでしょうか。

これから海外でパパ、ママになる方々へ。

不安があるのは当然です。その不安は放置せず、納得いくまでとことん向き合ってください。人任せにせず、自分たちにとっての最善を選んでください。

その結果として起こった事なら、どんな事であっても受け入れられると思います。そしていつか、他の誰かの不安を消す一助になるよう、情報をシェアしていけたらいいですね。


ハンガリー暮らしの健康手帖では、読者の皆様の体験談をお待ちしております!自分の経験が誰かにとって価値ある情報になるかもしれません。海外暮らしに役立つ知恵をぜひ当サイトお問合せからご投稿ください☆

ABOUTこの記事をかいた人

ゆう

ハンガリー在住 7 年目の駐在妻。夫と 3 歳になる娘、愛猫と暮らしています。当地で第 2 子を妊娠、出産したばかりです。趣味は、ハンガリーの民芸ビーズ。現地で師匠から習得しました。ビーズでアクセサリーなど作ることが大好きです。