ハンガリー・コロナ情報 (12) 外国人は原則入国拒否、9 月 1 日から


ハンガリーは 2020 年 9 月 1 日から、入国規制を大幅に強化します。外国人の入国は、商用や留学など一部の例外を除き禁止。また、ハンガリー国籍保有者でも帰国後は強制隔離に。欧州各国で新型コロナウィルスの第 2 波が始まっているため、国内への持ち込みを阻止するのが狙いです。当面は 9 月末までの 1 か月の措置となります ( その後見直し )。

これにより、これまでの色分け ( ) による入国措置は終了。入国に関する最新情報をお届けします。( 新しい入国措置に関する政令公布や政令の一部修正に伴い、8 月 30 日、9 月 1 日、5 日、17 日、18 日に追記しました。 )

商用に関しては 2021 年3月から変更になりました。詳細はこちらをご覧ください。

ハンガリー・コロナ情報 ( 18 ) 第 3 波に突入、非常事態宣言延長に

2021.02.24

ハンガリー・コロナ情報 (11) 各国色分け、新たな入国管理措置

2020.07.12

ハンガリー国籍保有者、また同様にみなされる外国人の場合

ハンガリー人同様の対応を受けるのは、ハンガリー国内の有効な永住許可証の所持者、ハンガリー国籍保有者の家族 ( 配偶者、子ども )、ハンガリー国内の有効な滞在許可証 ( 90日超 ) の所持者です。

入国規定と注意事項

  • 帰国後、14 日間の強制隔離 ( 入国時に行われる検温などの健康検査で、感染の疑いがある場合は当局が指定する場所で隔離。疑いがなければ自宅で隔離 ) ( 9 月 18 日追記9 月 21 日からは、強制隔離期間は 10 日間に短縮されます )
  • 入国後、PCR 検査を 5 日以内に 2 回受け( 検査の間は最低 48 時間空ける )、陰性となった場合は解除可能。
入国時には、永住許可証、滞在許可証、家族関係を証明できる公的文書などの提示が必要です。( 9 月 5 日修正・追記 ) PCR 検査結果はハンガリーで実施したもののみ有効でしたが、9 月 5 日からは、シェンゲン領域*および米国、カナダで実施したものも 1 回めの検査 ( 2 回の検査のうち 1 回目) の結果は有効とみなされます。ただし英語かハンガリー語で。ハンガリー国内で検査を受ける場合、国家医療保険に加入していても、費用は自己負担です。

シェンゲン領域:EU加盟国とほぼ一緒ですが、クロアチア、ブルガリア、キプロス、アイルランド、ルーマニアは含まれません。一方、非 EU 加盟国では、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスがシェンゲン協定に加盟しています。
 ( 9 月 3 日 追記 ) 留学生で、90 日以上の有効な滞在許可証を持つ場合でも、入国時に「 警察からの許可書類 」の提示を求められたケースが複数ありました。

例として、ある学生さんが 9 月 3 日にハンガリーに戻ってきたところ、入国審査でパスポートと滞在許可証を見せた後、” Do you have some documents from police? “と聞かれたとのこと。彼女の場合は念のため用意していたので、それを提示後、入国できました。

このように、留学生で有効なビザを持っている場合も、警察からの許可は取得しておいた方がよさそうです。申請方法については下の項をご参照ください。

その他の外国人の場合

その他の外国人の場合は、以下の特例のみ入国が認められます。

商用  

( 2021 年 2 月追記) 商用目的の入国はそれが証明されば入国可能でしたが、2021 年3月から変更になり、原則、隔離義務となりました。最新情報はこちらをご覧ください。( 日本からの商用目的渡航は引き続き隔離義務や PCR 検査の陰性証明などは必要ありません)

ハンガリー・コロナ情報 ( 19 ) 厳しい追加措置発表 ( 3/27 更新情報あり )

2021.03.04

商用の場合、
商用であることを証明する文書を提示すれば、ハンガリー入国は制限なしで可能。 →2021年3月以来、義務免除対象の国籍および出発国が指定されているため、ご注意ください。
( 隔離義務免除、PCR 検査陰性証明の提示必要なし )

入国の際、必要な文書
  1. ホスト側となるハンガリー企業が発行する招聘状 ( meghívólevel / 英 invitation letter ) 出張目的、出張先および出張期間、出張者名などの情報を含むもの。
  2. 入国する日本人ビジネスパーソンの所属先を証明するもの ( 例として、日本企業であれば、当該人物がその企業の代表者もしくは従業員であることを証明する文書) 。 30日以内に発行されたもの。

( ハンガリー投資促進庁の説明による )

証明する文書の真正性が疑われる場合は、原則として入国拒否。もしくは警察から入国許可を取得していた場合はそれに従い審査します。( この場合は、入国できても、その後原則 14日 10 日の強制隔離。警察への申請については、次の項をご参照ください。)

詳細は、以下の公的機関の説明をご参照ください。

● 在ハンガリー日本国大使館公式サイト (日本語)
● ハンガリー投資促進庁の説明 ( ハンガリー語、英語 )
● ハンガリー国家警察の説明 ( 英語 )  この中で、入国時の審査を円滑に行うため警察側が用意した商用証明用紙 ( sample certificate ) に記入し提出することを勧めています。( ハンガリー語、英語、ドイツ語 )

国家警察が認める特別許可 ( 留学など )

コロナ第一波時のように、「 特別な事情 」があり、ハンガリー国家警察に入国許可を申請し、認められた場合は入国可能となります。

特別な事情とは、就学または受験、近親者の葬儀出席、国内での治療などです。( いずれも、これらの理由を証明する文書が必要 )

この場合、まずは警察に許可を申請。 オンラインのみ受け付け。また、ハンガリー語もしくは英語のみです。

警察から許可の通知があれば、渡航可能になります。その際、警察からの通知と必要な証明書 ( 留学ならば、受け入れ先教育機関が発行する証明書 ) を携帯してください。

国家警察への申請手順

国家警察のサイト ( 英語 ) はこちら

( 1 )  申請フォームは上から 2 行目の COVID-02。左から 2 番目の2020.07.15, v3.0 novaをクリック。

( 2 )  ロボットでないか確認のページに進むので、変形文字を入力し、右の”i am not a robot” をクリック。変形文字が読めなければRefresh ( 水色 ) をクリックし、新たな変形文字を出します。

( 3 )  フォームが表示されるので、入国希望理由など必要事項を選択・入力します。( 4ページあるので注意!)

*在ハンガリー日本国大使館が詳細を説明していますので、そちらもご参照ください。
*入国許可が拒否された場合、異議申し立ての申請は COVID-04 のフォームで行います。( 最初のページの一番下の行 )

入国時には健康検査 ( おそらく検温程度 ) があり、感染の疑いがある場合は入国できないので、ご注意ください。

疑いがなく入国できた場合は、ハンガリー人同様、14日間の強制隔離となります。 ( 当局が指定した場所、または自宅 ) ( 9 月 18 日追記9 月 21 日からは、強制隔離期間は 10 日間に短縮されます )

入国後、 PCR 検査を 5 日以内に 2 回受け ( 検査の間は最低 48 時間空ける )、陰性となった場合は隔離解除が可能です。

( 9 月 5 日追記 ) PCR 検査結果はハンガリーで実施したもののみ有効でしたが、9 月 5 日からは、シェンゲン領域*および米国、カナダで実施したものも 1 回めのものは有効と見なされます ( 2 回の検査のうち第 1 回 )。英語かハンガリー語で。

その他の例外

その他、以下の場合に入国は認められます。

  • 入国前 6 か月以内に、新型コロナウイルスに感染したことが診断書等により証明できる場合 ➞ 制限なしで入国可能
  • 公用 ( 外交官など )  ➞ 制限なしで入国可能
  • トランジット。 ただし、健康検査 ( 検温程度 ) で感染の疑いがある場合は不可。また他にも、渡航目的国を証明できることなどの条件がありますのでご注意ください。
  • 外務大臣が内務大臣と協議の上決定した、ハンガリー隣国の国籍保有者の場合。ただし、国境から 30 キロ圏内で、24 時間以内の滞在のみ。( 国境をまたいで通勤している人が対象 )
  • 国際試合に参加するスポーツ選手、スタッフなどは別途規定あり。
  • チェコ、ポーランド、スロバキア国籍保有者で、当該政令公布前に既にハンガリー国内の宿泊先を予約していた場合。入国前 5 日以内に実施した PCR 検査で陰性証明 ( 検査は 1 回で可 ) が提示できれば入国可能。10月1日までの措置。 ( 9 月 1 日追記 )
  • スポーツ国際試合の観戦、国内の文化イベントの参加の場合。入国前 3 日以内の PCR 検査陰性証明 ( 検査は 1 回で可。ハンガリー語か英語 ) および購入済みの券を提示すれば入国可能 ( 隔離義務免除 ) 。入国後、72 時間以内に出国しなければならない。( 9 月 5 日追記 )

規制強化の背景

これら措置は、欧州各国で新規感染確認数が増加し、コロナ第 2 波がやってきているため。

ハンガリー政府は、国内の感染数は他の欧州と比較しそれほどではないとしています。しかし、7 月、8 月上旬と比べると増加傾向にあると認めています。

政府によると、ここ最近の感染ケースの大半は、外国旅行でウィルスを持ち帰り、その後家族や友人に広がったもの。

国にとっての最優先事項は、9 月 1 日から学校・新学年度を予定通り開始すること、また通常の勤務体制を続けることであるため、このタイミングで厳しい入国規制の導入が必要と説明しています。

8 月 28 日に記者会見を行ったグヤーシュ首相府相によると、措置は、最低 1 か月は続くとのこと。 ( 9月17日追記:オルバーン首相の16日の発表によると、措置は10月以降も維持します。)

その他、政府は、国内の買い物時間規制、店舗営業時間規制、外出制限などの再導入の方針は今のところないとしています。

一方で、マスク着用義務は継続 ( 店舗、公共交通機関 )。またソーシャルディスタンスを保ち、手洗い徹底するようにとしています。( 9 月 18 日追記: マスク着用義務の場所は、全国ルールとして、映画館、劇場なども追加されます。ブダペスト市は 9 月 18 日から義務となり、違反者には罰金最大1.5万フォリントが科されます。)

ハンガリー・コロナ情報 (13) 追加措置など

2020.09.19

国内感染状況

検査数の増加に伴い、新規感染確認数はここ数日、一気に増加しています。

==8月28日==

《 》は前日比

新規確認 132

アクティブ感染者 1,138《 +130 》

感染確認累計 5,511
回復 3,759《 +2 》 死亡614《 +0 》
うち入院治療中 78、呼吸器 7

強制隔離 8,008《 +354 》

検査数 414,645《 +5846 》

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本記事の情報
出典: 政令 407 号、内務省令 33 号 ( 掲載: 官報 195 号)  ; 9 月 5 日発効修正分 ( 掲載:官報 201 号)
参考: 在ハンガリー日本国大使館 公式サイト
ハンガリー国家警察による説明 ( 英語 )

 

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鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。