ハンガリー・コロナ情報 (11) 各国色分け、新たな入国管理措置


新型コロナウィルス感染者数が周辺国などで再び上昇していることを受け、ハンガリー政府は12日、新たな入国制限措置を発表しました。各国を感染度合いに応じてに分け、入国に対応。同じ色でも、ハンガリー人かどうかで措置が異なるため、注意が必要です。

※この色分けによる制限措置は、2020 年 8 月 31 日に終了しました。9 月 1 日からの新措置は、こちらをご覧ください。

ハンガリー・コロナ情報 (12) 外国人は原則入国拒否、9 月 1 日から

2020.08.29

色分けの主要ポイントと対象国

グヤーシュ首相府相は12日の臨時記者会見で、ハンガリー国内の現在の感染者数は引き続き減少傾向にあるものの、諸外国での増加状況に懸念を表明。

そのため、各国をに分け、外国からのウィルス持ち込みを可能な限り阻止すると発表しました。色に応じて、入国の際、健康チェック、そして禁止や隔離などの措置が講じられます。日本は『 黄色 です。発効は 7 月 15 日。

( 政令はこちら 。また、政府の公式サイト、国内の報道をもとにしています。)

現在のコロナウィルス感染状況が深刻
アルバニア、ボスニア、コソボ、北マケドニア、ベラルーシ、ウクライナ。また、アフリカ・中東・オーストラリア・オセアニアのすべての国々、中南米・アジアのほとんどの国々

深刻度が中程度
ブルガリア、ルーマニア、スウェーデン、英国、ノルウェー、ロシア、セルビア、日本、中国、米国、カナダ ( カナダは 7 月 18 日に赤から改定 )  スペイン ( スペインは 8 月 7 日に緑から改定 ) 

感染程度が低い
赤、黄色以外の国々 ( EU の大部分の国々 )

※上記の黄色の国リストはこちらから

出典:Index (7月15日時点) 18日からカナダは赤から黄色、ポルトガルは黄色から緑に改定されています。

 

ハンガリー人およびその外国人家族、滞在許可証保有者の場合

ハンガリー国籍保有者およびその外国人家族 ( 配偶者、こども) 、国内 90 日以上の滞在について有効な滞在許可証 ( 永住権含む ) を保有する者の場合は、次のようになっています。

  • 緑の国々から:入国は制限なし
  • 赤の国々から:入国の際、健康チェック( 検温と質問用紙に回答 ) あり。感染の疑いがある場合は、当局が指定した場所で 14 日間強制隔離。疑いがない場合も強制隔離ですが、自宅もしくは滞在先で可能。
    ただし、入国 5 日以内に 2 回の PCR 検査 (それぞれの検査の間は最低 48 時間あける ) で陰性が確認された場合、その証明書 ( ハンガリー語もしくは英語 ) を提示すれば隔離義務はなし。また、隔離期間中でも、当局に申請すれば PCR 検査を受けることができます。黄色の国から入国した場合は、検査で陰性が出れば隔離終了可能。ただし 48 時間後にもう一度受ける義務があり、陽性が出れば再び隔離に戻らなければなりません。陰性ならばそのまま隔離なし。赤い国から入国した場合は、検査は 2 回とも陰性が出て、初めて終了になります。1 回目が陰性でも仮終了にはなりません。

外国人の場合

*ここで言う外国人とは、上記の「 ハンガリー人の外国人家族 」、「 ハンガリー国内で 90 日以上の有効な滞在許可証( 永住権含む ) を保有している者」以外の人のことです。

  • 緑の国々から:入国は制限なし
  • 黄の国々から:入国の際、健康チェック( 検温と質問用紙に回答 ) が義務付けられる。感染の疑いがある場合は、入国禁止。
    疑いがない場合は、14日間、当局が指定した場所で強制検疫。ただし、入国 5 日以内に 2 回の PCR 検査 (それぞれの検査の間は最低 48 時間あける ) で陰性が確認された場合、その証明書 ( ハンガリー語もしくは英語 ) を提示すれば隔離義務はなし。隔離期間中でも、当局に申請すれば、PCR 検査を受けることができます。黄色の国から入国した場合は、検査で陰性が出れば隔離終了可能。ただし 48 時間後にもう一度受ける義務があり、陽性が出れば再び隔離に戻らなければなりません。陰性ならばそのまま隔離なし。
  • 赤の国々から:入国禁止

例外措置

入国の日から遡って 6 か月の間に、新型コロナウィルスに感染したことがある場合は、証明書があれば、入国可能です。

また、トラック運転手など物流関係者には適用されません。

ハンガリー国内の通過 (トランジット ) は、指定されたルートのみ可能。 ( 給油所、休憩場所も決まっています ) 詳細は、下図をクリックしてください。

出所 : ハンガリー警察の公式ウェブサイト

正当な理由がある場合は、引き続き警察から許可を得れば入国可能です。また、日本人ビジネス関係者については、必要な書類を提示すれば制限なく入国可能です。詳細は、過去記事をご参照ください。

ハンガリー・コロナ情報 10 非常事態宣言の終了

2020.06.18

国内で続く措置

グヤーシュ首相府相によると、国内ではアクティブ感染者数は減少しているため、政府は、現在の制限措置を強化する必要はないと考えています。

現在でも残る措置

● 店舗、公的公共機関でのマスク(もしくは鼻口を覆うもの) 着用義務
● 500人超の集会は禁止

*1.5 メートルのソーシャルディスタンスは、法的には既に解除になっていますが、多くの場所で確保するようアドバイスされています。( 例:美術館 )

*高齢者向けの買い物時間は解除済みです。

感染状況 ( 7 月 12 日)

新規感染確認 5 人
現在の感染者数  603 人

感染確認累計  4,234 人
回復  3,036 人
死者  595 人

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ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。