使い捨てプラ、21 年 7 月から禁止へ

ハンガリー国会は 7 月 3 日、使い捨てプラスチック製品の生産・流通・販売を 2021 年 7 月から禁止にする法案を可決しました。どのような製品が禁止対象になるのか、見ていきます。

禁止になるプラ製品

ハンガリーでは既に、大半の店でレジ袋は有料。また、スーパーや個人店では、独自に脱プラスチックに取り組んでいるところも多いです。

しかし今回の法律は、かなり野心的。買い物、外食、パーティなどで日常的に使われる製品の多くが禁止されることになります。

今後、企業側は代替品や再利用可能品への転換が必要となり、消費者もこれまでの「 当たり前の習慣 」を捨てなければなりません。

禁止になる使い捨てプラ製品
・皿類、コップ
・カトラリー ( フォーク、ナイフ、スプーン、箸 )
・ストロー
・マドラー ( 飲み物をかき混ぜる棒 )
・発泡ポリスチレン製の皿、容器、コップ、蓋
・綿棒のプラスチック軸
・風船に使うプラ製柄

・薄型使い捨てビニール ( 厚さ 15 ~ 50 ミクロン )
* 超薄型 ( 厚さ15ミクロン未満 ) は禁止対象外です。

ブダペストのレストランでは、プラ製ストローを使わない所も増えてきました。左は紙製。右はアルミ製 ?  紙製はゆっくり飲んでいるとふにゃっとなりますが、この際ストロー自体がいらないのではと思うくらい。 Photo by Ako

なぜ禁止 ?

欧州連合 ( EU ) は 2019 年に、使い捨てプラ製品の禁止に関する指令を採択。加盟各国は 2021 年までに、国内法として整備しなければなりません。ハンガリーの今回の立法も、それに基づいたものです。

プラスチックは海洋ゴミの 80 % 以上を占め、欧州の海岸や海で最も頻繁に見つかるのもこうした使い捨てプラ製品です。

プラスチック残留物は、ウミガメ、アザラシ、鯨、海鳥だけでなく魚介類などの海洋性生物の体内でも確認されています。EU は、海洋生物や生息環境を守るための措置として、厳しい規制で合意したというわけです。

こうしたことから、EU 域内すべてで、これから規制が強化されます。

なお、医療用手袋など、医療分野で使われている使い捨てプラ製品は禁止対象外です。( 参考: EU MAG )

当初案よりは後退

ハンガリーで今回成立した法案は、実は、政府の当初の計画からは後退したものとなっています。

政府が 5 月上旬に国会に提出した当初計画では、以下が含まれていました。

*50ミクロン未満のビニール袋はすべて禁止 ( 15 ミクロン未満の超薄型も含む ) 
*生物分解性プラスチックも禁止
*施行は  2021  年  1  月 1  日から

しかし国会提出後、僅か 5 日で撤回。その後、政府が改めて提出した法案が、今回採択されたものです。

これには、国内プラスチック業界の政府に対する陳情がありました。

コロナ禍でただでさえ状況は思わしくないところ、規制強化となれば経営に深刻な影響を与え、従業員解雇につながる、というのが彼らの主張。政府としても、今ここで失業者を出すのは得策ではないと考え、軟化したことになります。

政府は同時に、国内では超薄型ビニールは、野菜、パンの他、肉や水分を含む食品を衛生的に包む役目を果たしており、食品安全の向上にもなっていると弁明。

パンを入れるのに使われる超薄型ビニール袋。Photo by Ako

ただし、同時に超薄型ビニールの使用を可能な限り抑制するため、環境保護税の中で最も高い税額 (1900 Ft / kg ) を課すことも決定しました。

同様に、生分解性プラスチックも、これまでの非課税から、500 Ft / kg を課すことに。税を払うのは製造業者ですが、スーパーなど流通業者への販売価格には負担分が上乗せされることでしょう。

そのため、今後、これらがお店から姿を消すことはないでしょうが、紙袋などの利用も増えていくことと考えられます。

プラスチック容器包装に関しては、3R = Reduce ( リデュース:ごみを減らす=発生抑制 )、Reuse ( リユース:何度も使う=再使用 )、Recycle ( リサイクル:使えなくなったものは資源に戻す:再資源化 ) の 3 つの「 R 」が提唱されるようになり久しいです。

企業も消費者も、責任を持ち 3R に取り組んて行くことが求められています。

ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。