ハンガリー・コロナ情報 7 ~ブダペストは制限継続、地方は一部緩和~

5 月 4 日から、新型コロナウィルス感染拡大予防に関わる外出制限措置が一部緩和されます。ブダペスト市など首都圏および地方では措置が異なりますのでご注意ください。

首都圏は継続、地方は条件付き緩和。マスク等着用は、全国的に店舗、公共交通機関で義務化されます。

ブダペスト市とペシュト県

ブダペスト市および隣接するペシュト県全域では現在の外出制限措置や買い物時間規制が継続されます。国内の感染確認数のうち、7 割がこの地域に集中しているため。

外出制限に関わる政令では、居住する県から外へ出ることは禁止、と明記された項目はありません。そのため国内では、例えば、ブダペスト市民がバラトン湖に持つ別荘に行くのは良いのかなど、解釈で少なからず議論になってきました。

これに関しては、政府報道官は 4 月末に「 不可 」という見解を示していましたが、グヤーシュ首相府相は 5 月 7日、「 ブダペスト&ペシュト県の市民が地方の別荘に行くのは可能 」と修正しました。( 関連記事はこちらこちら )

※スポーツ練習、試合については下記の全国の項目を参照してください。

ハンガリー・コロナ情報 4 ( 外出制限令 )

2020.03.27

ハンガリー・コロナ情報 3 ( 買い物時の注意 )

2020.03.23
ブダペスト市では市長令として、4 月 27 日から以下の場所でマスク着用が義務付けられています。( 鼻口を覆うスカーフなどでも可 )

– 店舗および市場
– 公共交通機関 BKV ( 地下鉄、電車、バス、トラム、トロリーバス ) 駅構内、停留所も対象。
– タクシー
* 6歳未満は免除

政府が発表した政令では、ペシュト県についてマスク着用義務の項目は含まれていません。しかし地方でも義務化されるため、同県についても同様に課されると思われます。

地方

地方では、これまでの外出制限は 5 月 3 日 24 時で終了。ただし、すべて解除になるのではなく、徐々に緩和していくことになります。そのために、次のような新たな措置が発表されました。

一般規則

  • ソーシャルディスタンス 1.5メートルを確保する ( 家族など、同居人は対象外 )
  • 店舗および公共交通機関はマスク着用義務化 ( 鼻口を覆えばスカーフなども可 )
  • ソーシャルディスタンスを保てば、公共スペース、市民公園を訪問することは可能

店、レストラン、温泉やプール、その他

  • 店舗は開店時間制限なく営業可能
  • レストラン、カフェ、ケーキ屋は屋外のテラスや庭のみ飲食可能。店内での飲食不可。店内では従業員のみ停留可能。客は、テイクアウトやデリバリーを注文するときのみ店内に入れる
  •  ビーチ、屋外温泉プール、プールはオープン可
  •  屋外ミュージアム、動物園は開園可

※いずれの場所についても、ソーシャルディスタンス確保が義務付けられます。

高齢者を守る措置

高齢者は感染すると重篤化しやすいため、守るための措置は地方でも継続です。( これまでの死者の平均年齢は 77.8 歳 )

  • 65 歳以上の買い物時間は引き続き 9 時~ 12 時 ( スーパー、ドラッグストア、薬局、医療機器販売店 )
  • 65 歳未満はそれ以外の時間のみ買い物可能 
  • 市場 ( 地元産品を販売するようなマーケット ) での買い物時間については、地元の自治体が定められる。ただし、その場合も、高齢者のみの買い物時間を設定しなければならない

集会

宗教関連の行事や活動 ( 日曜の礼拝など )、結婚式、葬儀は実施可能。ただし、ソーシャルディスタンスを確保。その他の一般的な集会は引き続き禁止です。

高等教育機関 ( 大学など )

学校長の判断で、入構可能になります。校舎内立ち入り許可の場合、学校長はソーシャルディスタンスを徹底。学生寮は引き続き立ち入り禁止。

全国、その他の措置

スポーツ試合については全国で無観客で実施可能。

スポーツクラブ(*)が行うプロ、アマチュアスポーツの練習も可能。ブダペスト、ペシュト県に外出制限が課されていても例外として認められます。(*ハンガリーの子供、アマチュア成人向けスポーツクラブは通常、非営利団体として登録されています。)

以下は、グヤーシュ首相府相の 30 日の発表 ( 政令ではまだ発表されていないようです。)

  • 一般的な集会・イベントは引き続き禁止。
  • 初等・中等教育 (小学校、高校 ) の登校禁止は少なくとも 5 月末まで継続。オンライン授業を続ける。6 月以降どうするかは、今後決定する
  • 指定公道での無料の路上駐車は継続

防疫体制は新段階へ ~緩和の背景

ハンガリー政府は 3 月 11 日に新型コロナウィルス感染拡大に対する『 非常事態宣言 』を発表。以来、帰国者の強制隔離、外国人の入国拒否、買い物制限、外出制限に関する措置など次々に講じてきました。

5 月 1 日時点の感染確認数は 2,863 人。回復者は 609 人、死者は 323人。この結果、アクティブ感染者数 ( 現在の感染者 ) は 1,931 人です。毎日の新規確認数はおおむね二ケタ台に収まり、爆発的感染拡大には至っていません。

データ出典:ハンガリー政府コロナ対策本部 図作成 Ako

政府のコロナ対策本部は、専門的な計算式を用いた結果、5 月 3 日に感染拡大ピークを迎え、その後は「高台」がしばらく続くと予想。そのため、この期日までを「 防疫第 1 段階 」とし、マス感染に備えた医療体制を整えておくことを目標としていました。

政府は今週、万全な医療体制は確保できたと発表。その結果「 第 1 段階 」は終了、今後の「 第 2 段階 」は、市民生活と経済活動を可能な限り回復させていくことが目標になります。

しかし、ワクチンが入手可能になるまでは、長期にわたり感染拡大の危険と常に背中合わせ。そうしたことから慎重に、段階的に、厳しいスケジュールをもとに緩和していく方針です。

ブダペスト市とペシュト県は感染最多地域であるため、今回は防御の手綱を緩めず各種制限措置は継続です。

また、高齢者を守る措置も堅持されます。

なお、5 月 1 日から 3 日 24 時まで、各地方自治体は再び独自に追加制限措置を講じることが可能。そのため、行楽客に人気がある場所は立ち入り禁止が予想されます。

※ 外国人の入国拒否には変更ありません。非常事態宣言も継続中です。

政令全文は、官報で確認できます。( こちらから )

ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。