安全運転の掟 5 か条 ( 前編 )

ハンガリーで運転ができれば、便利なうえに、行動半径も広がります。交通規則の基本は、日本と共通。でも、同じ感覚で路上に飛び出すのは危険です !  右側通行 ( 左ハンドル ) という大きな違いがある上に、いろいろと「 勝手が違う 」ためです。日本育ちの私が、当地に来て戸惑ったことを中心に、最低限知っておきたいことを 『 掟 5 か条 』 と称し、前編・後編に分けてお伝えします。

きほんのき

本題に入る前に、まず、免許証、制限速度など ” きほんのき ” から。

免許証

ハンガリーの運転免許証

旅行者と短期滞在者日本の運転免許証+国際免許証で、ハンガリーでの運転は可能です。

1 年以上滞在予定の場合 ⇒ 日本の運転免許証をハンガリーの免許証 ( vezetői engedély、 jogosítvány ) に切り替えなければなりません。試験はなく書面手続きのみですが、現地での健康証明書が必要です。

運転免許切替に必要な『 医師の健康診断書 』の取得方法

2018.03.02
ハンガリーの免許証があれば、EU ( 欧州連合 ) 全域を含め、欧州のほとんどの国で運転できます

ヨーロッパでは、まだまだマニュアル車が幅を利かせています。レンタカーなどでは予約時にかならず確認しておいてください。

制限速度

標準は、次のようになっています。
・市街地 ⇒ 時速 50 km
・郊外 ⇒ 時速 90 km
・自動車専用道路 ⇒ 時速 110 km
・高速道路 ⇒ 時速 130 km

日本よりも制限速度は上のため、車の流れが速く感じるかもしれません。ただ、標識により、これより低く設定されている区間は多くありますのでご注意ください。( 学校近くや、カーブの多い道など )

先祖は騎馬民族だから ?
日本から来ると、ハンガリー人ドライバーは運転が速い・荒いと印象を受ける人が多いです。「 先祖は騎馬民族だから、乗り物に乗ると血が騒ぐんじゃない? 」と言った日本人の友人がいましたが、どうでしょうか ( 笑 )

確かに、やたらに前に前に行こうとする人は多いです。また強引な割り込みに対して、怒鳴り散らす人もいます。車間距離は短めで、歩行者を見ても減速しない人も。一方で、私自身、車線変更でずっと譲ってくれずに困ったという経験はありません。また、雪の日に田舎の道路脇の溝に落ちてしまったときもすぐ助けてくれたり。そのため、一概にマナーが悪いとは決めつけられません。

飲酒、携帯電話

ハンガリーは「 ゼロトレランス 」。つまり、飲酒は一口でもダメです。

携帯電話 ( スマートフォンなど )  は、運転中に手に持って使用するのは禁止。ハンズフリーの通話は OK です。

信号機

信号機は全部縦並び。青・黄・赤は同じですが、赤 ⇒ 青に変わる前に「 黄 」になります。

シートベルト

べての座席で着用義務あり。( 妊婦も含めて )
・子ども: 身長 150 cm までの子どもには、チャイルドシート類の装着が義務付けられています。

子ども向けの安全シート
どれを使うかについて、メーカーの示す体重、身長ガイドラインに従い、保護者が判断します。( 以下はあくまでも目安。法的な細かい規定はありません。)

◎ ベビーシート ( autós babahordozó ) : 新生児向け。おおよそ体重 10 kg まで。
◎ チャイルドシート ( autós babaülés、gyerekülés ) : 幼児向け。 安定して座れるようになる 1 歳くらいから 3、4 歳まで。体重では 20 kg 前後まで。
◎ ブースターシート ( ülésmagasító )* :  幼児~小学校低・中学年くらいまで。 身長 150 cm以下。 ( *硬い座布団のようなもので、座席に座面だけ固定するシート )

  • 150 cmに達していない場合でも、135 cm 以上で、体格的にシートベルトでも安全 ( 首に引っかからないなど ) であれば、ブースターシートを使用せずとも構いません。( ただし後部座席のみ )
  • 18 歳以上の大人は、身長が 150 cm 以下でもブースターシートは必要なし。

第 1 条:  乗ったらまずつけるべきもの

乗車したらつけるものと言えば、まずは「シートベルト」。でも、ハンガリーではもう一つ大事なものがあります! それは、ライト晴天の真昼間でも点灯義務があります。

これは、対向車や歩行者が認識しやすいようにするため。欧州のほとんどの国で採用されています。

市街地内では義務ではありませんが、「 境界線 」を見落としたり忘れたりするので、元からつけっぱなしにしておくことをお勧めします。また、高速道路、自動車専用道路では、全区間で点灯義務あり。

ブダペスト市中心部のアストリア、午後 2 時くらいの光景。 晴れでも雨でも点灯。 Photo by Ako

なお、EU では、2011 年以降製造の乗用車には昼間用ヘッドライト ( デイライト ) 装備が義務付けられており、エンジンをかけると自動的に点灯する仕組みになっています。

第 2 条:  誰が優先か、常に意識する

ハンガリーを含むヨーロッパでは、信号の数が日本より少ない印象です。そのため、交差点では、「 優先ルール 」がことのほか重要です。自分が走っている道路が優先なのか、それとも相手が優先なのか、常に意識してください。

基本的には、幅の広い幹線道路が優先。でも、幹線道路どうしが交わる場合、または小道どうしが交わる場合、標識がない場合など、判断に迷うことがあります。以下、ケースごとの「 黄金ルール 」を見ていきましょう。

黄ダイヤの標識がある場合

黄色のダイヤに黒枠は、自分が走っている道路が優先ということ。そのため、信号のない交差点で減速する必要はありません。むしろ、減速や停車をしてきちんと左右確認すると、後続車に「なにしてんだ!」とばかりにクラクションを鳴らされることもあります。

ただ、優先道路どうしが交わる交差点では、自分の優先権がなくなることもありますので注意が必要です。その時は、太く黒い斜めの線 ( おしまい ) の標識が出てきます。

駐在員住宅が多いブダペスト 2 区のガーボル・アーロン通り ( Gábor Áron utca )。この道路自体は「 優先 」ですが、前方で交わる道路も優先のため、自分側の優先はいったん終わり。信号機が動いていない時は、かならずらず一時停止し、左右を確認して相手に譲らなければなりません。スマイル君に惑わされませんよう。 Photo by Ako

ハンガリーでは時々、信号機が故障、または夜間に節電のため黄色点滅になることがあります。その時も優先ルールが適用に。でも、優先道路が終わったことに気づかず交差点に突っ込み、事故になったケースを幾つも見てきました。どうぞご注意ください。

白に赤枠・逆三角 の標識がある場合

「 止まれ 」の標識は、ハンガリーでも “ STOP ” です。かならず一時停止しましょう。

では、逆三角 ( 白地に赤枠 ) は これは、自分には優先権がないため、交差点では相手に譲らなければいけないことを意味します。車が来ていなければ止まらなくても構いませんが、「 かならず減速 」して確認しなければなりません。

信号もなく標識もない場合

何もなければ、「 右 」から来る車が優先です。( 右方優先 = jobbkéz szabály )

日本であれば、まず減速し左右確認。もし他の車がいれば、先に鼻を突っ込んだ方が先に行く、もしくは運転手同士で譲り合い、ということが習慣になっているようです。

しかし、当地では、右から来るクルマが絶対王者。どちらが先に来た、ということは関係ありません。これを守らないと、優先側からクラクションや罵声でこっぴどく怒られることは、ほぼ間違いなし。

一方、自分が優先なのに減速しすぎると、後続車にヒンシュクを買うことがあります。( 後続車からすると、急に減速される方が危ない )

ただ、「 優先ルール 」は、ハンガリー人でも間違える場合あり。交通事故の主要原因のひとつになっています。

ロータリーでの優先順位
ロータリー ( körforgalom ) では、先に中に入っている車が優先です。徐行する必要はありますが、車が左から来なければ一時停止する必要はありません。ヨーロッパでは、ロータリーがとても多いです。

ロータリーに入る前は、左から車が来ないか確認。中は、時計と反対周りの一方通行です。 Photo by Ako

次回は、運転の掟  5 か条の後半。残る 3 つをお届けします!

ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。