ハンガリーでは12 月末以来、8 万人近くの人が新型コロナワクチンを接種しました。まだまだ明らかになっていないことは多いですが、国内でのワクチン接種について最新情報をお伝えします。
( 追記:国内では 12 日、新型コロナウィルス変異種に 3 人が感染していると初めて確認されました。政府対策本部の 13 日午後の記者会見より )
ワクチン関連情報 ① はこちらをご覧ください。
国のワクチン接種計画の対象者
国家公衆衛生センター ( NNK ) は現在、国のワクチン接種計画の対象者として以下を勧告しています。
- 国家医療保険加入者
- 18 歳以上
- 過去 6 か月に感染していないこと ( 症状の有無は関係なし )
出典:国家公衆衛生センター (12 月 31 日発表、1 月 5 日更新)
※ 政府コロナ対策本部はファイザー製、モデルナ製について、妊娠中、また 2~3か月後に妊娠希望の方には勧められないと述べています。( この計画に明記はされていません。)
※ 授乳中の方についての言及は引き続きなしです。
※ この計画では『 18 歳以上 』となっていますが、政府対策本部は、ファイザー製ワクチンは 16 歳以上ならば接種できるとしています。
※ 過去に飲食物に対して重度のアレルギー反応があった方は、注意が必要です。接種前に担当者と必ず相談してください。
※ 外国人滞在者で国家保険非加入の場合についての言及はまだありません。
接種の優先順位 ― より具体的に
国家公衆衛生センターの公式サイトでの発表によると、接種の優先順位は以下のようになっています。

現在は、1、2 のグループである医療従事者と高齢者介護施設の入所者・職員が対象になっています。
1 月 12 日までに 78,579 人が接種 ( そのうち 6642 人は高齢者介護施設の入所者もしくは職員 ) 。これまで深刻な副反応の例は報告されていません。
( 出典:政府コロナ対策本部 )
なお、当該計画については国家公衆衛生センターの「 勧告 」となっており、一部の報道機関は、政府が正式に採択したものなのか不明確としています。その点にご留意ください。
ワクチン調達状況―モデルナ製も開始
ハンガリーには 12 月 26 日以来、米ファイザー製のワクチン約 12.6 万人分が到着しました ( 1 月 12 日現在 )。
加えて、EU が 米モデルナ製の条件付き使用を承認したことから、1 月 12 日にはそちらも 3600 人分到着。
今後、ファイザー製は週に 1 回、モデルナは隔週で届けられるとのこと。ファイザーの供給はこれまでのところ、1 回につき 3 ~ 4 万人分。モデルナも多くなるとは考えられず、集団接種の開始まではまだ時間がかかりそうです。
一方で、EU は 1 月中に英アストラゼネカも条件付きで承認する見通しです。
ハンガリー政府が契約をしているのは、5 つの製薬会社 ( ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ヤンセン、キャアパック ) で合計 986.8 万人分 ( 1 月 12 日現在 )。18 歳以上人口の約 800 万人を大きく上回っています。 これらはすべて、EU の共通調達の枠組みを通しているため、EU での承認がまず必要です。
政府は EU の調達速度は遅いと不満を持っており、引き続き中国、イスラエルとも独自に協議中。
ロシア・スプートニクV についてはハンガリー国内で 3000 人の臨床試験を実施予定です。ただし、ロシアは輸出するだけの生産能力がないとのことで、実際の集団接種の対象にはならない見通しです。
( 出典:政府コロナ対策本部 )
接種希望の登録者は増加、不明な点も
政府によると、既に 100 万人以上の市民がワクチン接種希望の登録をしました。( 1 月 6 日時点、出典:首相官房庁次官の Facebookページ)
ワクチンに関する公式サイト、接種希望の登録方法は過去記事からご覧ください。
しかし、はっきりしない点も続きます。
まず、登録しないと接種不可なのかどうか、という点。国内では不可とする報道が流れましたが、政府対策本部が公にそのように明言したことはありません。
もう一つは、登録後、確認メールが送られてこないケースがあること。実は、管理人がまさにそうでした。年内に登録した際、画面に「 登録完了 」とは出てきましたが、今日に至るまで、何のメールもありません。( 迷惑メールフォルダー含め )
確認メールがなくても登録が完了しているのかどうかは不明です。民放テレビ局 RTL Klub が 1 月 11 日、政府対策本部に質問を送りましたが明確な回答はありませんでした。
一方で、登録の際に入力したメールアドレスは、他の人は使えない ( 例えば家族など ) ことは確認されました。
ワクチン関連の情報は、今後、随時更新していきます。
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