スノードロップを見に出かけませんか?

冬の終わりを告げるスノードロップ ( 待雪草 )。ハンガリーには、その愛らしい花が群生し、心ゆくまで愉しめる場所があります。

滞在中に一度は訪れて損はない、ブダペスト近くの植物庭園をご紹介します。ひとりでも、友人とでも、ファミリーでもおススメです。

Alcsúti Arborétum ( ブダペスト近郊 )

スノードロップはハンガリー語では hóvirág / ホーヴィラーグ「雪の花」という意味です。だいたい 1 月末頃から膨らみ始め、2 月半ば ~ 3 月上旬に見頃になります。

国内でこの花を見られる植物園のうち、もっとも有名なのは Alcsúti Arborétum ( アルチューティ・アルボレートゥム ) 。敷地は 40  ヘクタールもあります!!  そのうち延べ  2 ヘクタールくらいがスノードロップで埋められるのです。

ブダペスト市から西に、車ならば 40 ~ 50 分。 Alcsútdoboz ( アルチュートドボズ ) という小さな村にあります。ゴルフ好きな方ならば、Pannónia Golf ( パンノーニア ) のそばと言えばピンとくるでしょうか。

 

早速、植物庭園の中に入ってみましょう。

 

 

門を入ってすぐ左側の丘にも既に咲いていますが、それは序の口。スノードロップの白い絨毯へは、右へ右へと進みます。

数百メートル行くと、こんな趣のある橋があり、それを渡るともうすぐです!

ちなみにこの時点で、この庭園が 《 とてつもなく大きい 》ことを体感していただけると思います。

 

 

どんどん進むと……ついに !!

 

 

無数の小さな純白の花が一斉に咲きそろった光景を初めてみた時は、心奪われました。日本ではスノードロップ自体を見たことがなかったのです。

いったい、何万、何十万株 、いや百万超えている ? もはや単位もわからないほど。しかも種類も全部で 7 種あるとのこと。

 

園内にある種類に関する案内版

 

園内には両脇にスノードロップを楽しみながら進める小径がありますが、これが終わってもいろいろなところに咲いているので、ぜひ探検してみてください。

 

 

園は魅力でいっぱい

スノードロップ以外にも、この季節には téltemető ( 黄花セツブンソウ )  が一足早く咲き始めます。スノードロップと共生しているのを見るのもまた良いです。

 

その他、2 月下旬からは青い nemes májvirág ( ミスミソウ ) や hunyor  (クリスマスローズ、ヘレボルス)、krókusz ( クロッカス ) なども次々に開花。

それと何と言っても素晴らしいのは、園そのもの。ここはもともとハプスブルク=ロートリンゲン家のJózsef nádor (ヨージェフ・ナードル* ) が、 2 番目の妻ヘルミーネとともに、1820 年代に何年もかけて造りあげた英国式の庭園なのです。

*ナードルは「宮中伯」のこと。

小さな池あり、教会あり、1 時間では隅々まで周りきれず、2 ~ 3 時間は欲しいところです。

 

かつてのお屋敷。戦時中に破壊され、今残っているのは正面の一部のみ。Photo by Ako

 

そして春先だけでなく、他の季節に行くのもよし。夏には蛍が飛び、秋には絵画のような紅葉で染まります。

 

行く前に知っておきたいこと

アルチュート植物庭園では毎年、 2 月下旬 ~ 3 月上旬頃までを ❝ Hóvirág ünnep (スノードロップ祭り ) ❞ としています。

名所だけあって、その期間はそれなりの人出に。そのため快適に訪問できるためのいくつかのヒントをまとめてみました。

良い写真のために、みんな真剣

訪問の際のヒント
  • 開園前が狙いめ:開園は 10 時ですが、その頃には窓口前に行列ができていることが多々あり。実は窓口はその 30 分前くらいから開いています。ゆっくり見たい方は、開園前に到着しましょう。また、スノードロップ祭り期間が始まる少し前に行くという手も。満開とは行かずとも十分楽しめます。
  • 駐車場も同様にかなり混み、遅くなるとスペースがなかなか見つからないので、早い方がよいです。
  • 写真をたくさん撮りたい場合は、ぜひ風のない日に。風があるとスノードロップが揺れすぎてピントを合わせるのに一苦労。 ( ウェディングフォトを含む商業用写真撮影には事前の許可と別途料金が必要です )
  • シューズは歩きやすく汚れてもよいものを。敷地はかなり広いうえに、天候によっては泥がつくこともあるため。
  • トイレは入り口近辺のみ。途中にはないです。( 女性用トイレにはおむつ交換台あり )
  • カフェやレストランはなし。入口近くに小さな屋台があるだけです。持参したサンドイッチなどを食べることは禁止ではありませんが、ゴミのポイ捨ては厳禁。( ゴミ箱はあります)
  • 敷地内はすべて禁煙、アルコール飲料禁止。
  • スノードロップを踏みつけたり、抜き取ったりるのは絶対に禁止。特にkikeleti ( Galanthus nivalis ) という種類は、欧州全土で 2005 年以来保護対象になっており、ハンガリーでは取ると罰金 1 万 Ft /本 ( 約 3700 円 ) の対象になります。

 

基本情報

Alcsúti Arborétum ( アルチュート植物庭園 )
  • 場所:Alcsútdoboz, Kastély 2, 8087
  • 行き方  ( 車 ) :ブダペスト市内中心部から 1 時間以内。高速道路ならば M1 で ( 有料。ペシュト県とフェイェール県向けの高速チケットが必要 )。高速を使わず、ワインの村 Etyek /エチェクなどを通る下の道も牧歌的な風景が楽しめてなかなか良いです。
  • 行き方 ( 電車 ):あまりアクセスが良いとは言えず、ブダペスト市中心部から 1 時間半 ~ 2 時間かかります。Déli ( 南駅 ) もしくはKelenföld ( ケレンフルド駅 ) から Székesfehérvár / セーケシュフェヘールヴァ―ルか Győr /ジュール行きの電車 ➞ Bicske / ビチケからバス 702 番 ➞ Alcsútdoboz, községházaで降車し、徒歩 14 分。

 

  • 開園時間:

★ 10 月 1 日 ~ 2 月 28 日
木~日
10:00 – 16:00
( 月、火、水は閉園 )

★ 3 月 1 日 ~ 9 月 30 日
毎日
10:00 – 18:00

  • 入園料:大人 1700 Ft。子ども、学生、シニアは 1200 Ft 。3 歳未満無料。家族割引あり。ネット購入なし。

 

  • ウェブサイト: https://www.alcsuti-arboretum.hu/
    園の案内動画はこちら

 

 

その他の場所

Budakeszi Arborétum ( ブダペスト郊外 )

Budakeszi Arborétum ( ブダケシ植物公園 ) は、アルチュート植物庭園と比較すればスケールは小さめで、元貴族の庭園という雰囲気もなし。またスノードロップの群生ぶりも、圧巻というほどではありません。

ですが、アクセスのしやすさで軍配があがるのはこちら。

ブダペスト市境からは車なら約 10 分。車がない方でも、市内の便利な Széll Kálmán tér / セールカールマーン広場からバス 1 本で行かれます。

 

クロッカスと共生。2020 年 3 月 15 日撮影

 

その他に、この季節には、小指の先ほどの小さな野生のシクラメンも見ることができます。

 

Budakeszi Arborétum ( ブダケシ植物園 )
  • 場所:Budakeszi Arborétum – 2092 Budakeszi ( GPS 47.525943, 18.873417 )
    .
    ブダペストから車の場合は、Budakeszi 通りからTelki 方面に行き 5 キロほど進むと右側に Hidegvölgyi Erdei Pihenőhely és Parkoló というハイキング出発地点と駐車場が見えます。道路挟んで反対側 ( 左側 ) に植物園に入る道があります。
    .
    公共交通機関の場合は、Széll Kálmán tér / セールカールマーン広場から郊外行きバス Volánbusz 794、795番で Hidegvölgyi Erdészlakで下車。そこから入り口まで徒歩 5 分ほど。( ブダペストの BKV ではないのでご注意ください。また運行本数は少なめですので事前にぜひチェックを )

 

  • 開園時間:
    11 月 ~ 2 月は閉園。2022 年は 3 月 1 日から開きます。ただし、シーズン中でも金・土・日のみ開園  ( 9 時 – 17 時、4 月 ~ 9 月の閉園時間は 18 時 )。
  • 入園料 ( 2021 年 ):大人 1500 Ft。子ども、学生、シニアは 1000 Ft 。3 歳未満無料。家族割引あり。ネット購入なし
  • ウェブサイト:https://budakesziarboretum.hu/

 

 

意外に足元にも

スノードロップは、ブダペストの街中ではさすがに見かけないですが、少し郊外に出ると、意外にも民家の庭先や道端で無造作に咲いていることがあります。

管理人の経験則からすると、新築の家よりも共産主義時代に建てられたような古めの家の方が狙いめ。出かける機会があれば、ちょっと足元にも気をつけながら歩いてみてください。もしかして出逢えるかもしれませんよ。

管理人の住むブダペスト郊外の村にも。毎年、歩道の脇に十数本ずつ、かたまって咲きます。

 

ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。