ハンガリー・コロナ情報 (28) ワクチン 3 回目接種について


ハンガリーでは 8 月から新型コロナウィルスワクチンの 3 回目追加 ( ブースター ) 接種が可能になっています。

どのように申し込めばよいのか、どのワクチンが使われるのかなどについてお伝えします。ハンガリーの社会保障番号 ( TAJ-szám ) を持っているかどうかで手続きは違いますのでご注意ください。

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2021.07.03

3 回目接種について

3 回目接種は、当初は社会保障番号を持っている人 ( 国家医療保険に加入している人 ) のみが対象でしたが、現在は、持っていない在留外国人も可能になりました。

国内では既に 71 万人以上の人が追加接種済みです。 ( 2021 年 9 月 27 日時点 )

接種できる人は、以下となります。( 接種は強制ではなく、あくまでも任意 )

  • 2 回目の接種日から最低 4 か月経過していること。
    ( ヤンセンの場合は 1 回目接種日から 4 か月経過 )
  • 18 歳以上
    ( 特に 65 歳以上の高齢者には勧められています )

ワクチンは、ハンガリー国内では基本的には 1、2 回目と別の種類にすることが推奨されています。対策本部によると、その方が有効性の上昇が期待されるため。

例えば、ファイザー ( mRNA ワクチン ) を接種した人には、アストラゼネカ (ウィルスベクターワクチン) を追加する、といった具合です。下表は、可能な組み合わせを示したものです。

 

実際は、その場で接種する医師が過去のワクチン種類や基礎疾患の有無などを見て決定します

 

表向きは選べないものの実際は...

管理人は 9 月半ばに 3 回目を接種。1、2 回はスプートニク V だったため、ファイザー、モデルナ、シノファームのどれかになるはずでした。

これまで有効性に関する様々な記事を読み、正直なところどうしてもシノファームは避けたいところでした。ブースター接種の場合、ネット予約段階では希望するワクチンは選択できません。そのため、その場で「 シノファーム 」と言われたら辞退して帰ってくるつもりでした。

医師から持病などについて問診を受けた際、「 どのワクチンになりますか? 」と恐る恐る聞いたところ、逆に「 どの種類もあるけど、どれがいいの ? 」と予想外の返答。迷わず「 ファイザーお願いします! 」と即答しました。

そして無事にファイザー接種完了。

ちなみに1、2 回目ともファイザーだった夫は、希望を伝えたわけではありませんでしたが、3 回目もファイザーでした。

 

接種の手続き

3回目接種に関する手続きは、社会保障番号 ( TAJ-szám ) を持っているかどうかで異なります。

 

TAJ 番号を持っている場合

ワクチン予約サイト ( スクリーンショット )

予約はオンラインで可能です。 ( こちらから 、ハンガリー語のみ)

接種場所と日時を選択できます。登録完了後は、直ちに確認メールが到着。また前日にはリマインドメールも届き、1 回目の希望登録の時よりは随分改善された印象を受けました。

どの病院も毎日受け付けているわけではなく、それぞれ対応している曜日・時間が異なります。また、一度予約すると、オンラインでの変更はできませんのでご注意ください。

 

TAJ 番号を持っていない場合

TAJ カードを持っていない場合、ネット予約はできません。

指定されている大きな病院に、予約なしで直接行くことになります。

ブダペスト市内の指定病院
  • ペスト側 9 区
    Dél-pesti Centrumkórház・Szent László Telephely ( 南ペスト中央病院・聖ラースロー )
    住所:  1097 Budapest, Albert Flórián út 5-7
    電話:  06-1-455-8100

 

  • ブダ側 12 区
    Észak-Közép-budai Centrum, Új Szent János Kórház ( 北中央ブダ中央病院・新聖ヤーノシュ病院 )
    住所:  1125 Budapest, Diós árok 1-3
    電話: 06-1-459-4500

 

  • ブダ側 11 区
    Szent Imre Egyetemi Oktatókórház ( 聖イムレ大学病院 )
    住所:  1115 Budapest, Tétényi út 12-16
    電話: 06-1-464-8600
出典: 在ハンガリー日本国大使館の在留邦人向けメールに電話番号など追加 

ブダペスト市外の場合は、各県の県都にある Megyei ( = 県の ) もしくは Megyei Központi​ ( 県中央 ) と名前のついた病院か、医学大学附属病院が指定されています。

※ 病院検索は、こちらで可能です ( ハンガリー語のみ )

必ずしも、居住県の病院に行かなくてはならないということではありません。例えば、ペシュト県在住の方がブダペストの病院を利用することは可能。ただ、病院に直接行く場合は、事前に電話をして、接種が可能か、またどの病棟で、何曜日の何時から何時まで対応しているかなど確認した方が無難と思われます。

 

当日の持ち物

病院に行く際は以下を持参してください。

  • マスク ( 病院内は、現在も着用が義務付けられています )
  • TAJ カード ( 持っている場合のみ )
  • 身分証明書 (ハンガリーのID = személyi igazolvány、もしくは旅券、滞在許可証 )
  • 過去のワクチン接種記録 ( TAJカードを持っていない場合 )

その他、可能であれば同意書を事前にプリントアウトして記入し、持参するよう推奨されています。
( その場でもできますが、事前に用意しておくと安心です。)

✔ 同意書 ( こちらから ハンガリー語のみ ) https://koronavirus.gov.hu/sites/default/files/sites/default/files/imce/hozzajarulo_nyilatkozat_3._oltashoz.pdf

✔ 在ハンガリー大使館による日本語仮訳 ( こちらから )

その他、国による関連情報はこちらをご参照ください。( ハンガリー語のみ )

 

 

免疫証明書にはすぐに反映 ( 体験談 )

あくまでも管理人の場合ですが、3 回目の接種記録はその日のうちにハンガリーおよび EU の新型コロナ免疫証明書に反映されていました。TAJ 番号を持っているため、国の電子医療サービスシステム EESZT に即座に記録されたようです。

面白いのは、EU デジタル COVID 証明書では、3 回目のファイザーしか記載されなくなったこと。

1、2 回目はスプートニクVであったことは、少なくとも表面では抹消されていました。

ハンガリーでは EU 未承認ワクチン (スプートニクV とシノファーム ) を接種した人が、EU 承認ワクチン接種者と同じようには自由に EU 域内を移動できない、ということが起きていました。

追加接種した場合は 3 回目のワクチン種類しか反映させないことで、政府はこの差別的待遇を解消したのではないかと一部のメディアには指摘されているところです。

1、2 回目はEU 未承認でも、3 回目には EU 承認のワクチンを接種したことで、『 総合的には EU 承認 』とみなされるのかは不明。またファイザー、モデルナ、アストラゼネカを承認している日本に帰国した際隔離期間の短縮が可能になるのかはよくわかりません。ご経験がある方がいらっしゃりましたら、健康手帖まで情報を共有していただけますと幸いです。

ハンガリーの免疫証明書 ( 左 ) では、3回ともワクチン種類、接種日が示されている一方、EU 免疫証明書 ( 右 ) 紙版では、3 回目のファイザーしか反映されていません。 Photo by Ako

 

EUの新型コロナ「デジタル証明書」、ハンガリーではどうやって取得 ?

2021.07.05

公的機関によるコロナ関連情報

 

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ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。