用語 肉の部位 ( トリ肉編 )


言葉の知らない外国のスーパーに行って、「 いったい何の食べもの? 」となることはありませんか? 肉の部位は、その代表例。私自身、最初はチンプンカンプンでした。当サイトでは豚、トリ、牛その他に分けて、部位を紹介していきます。また、ハンガリーならではの習慣の違いや、個人的な失敗談についてもお伝えします! 今回は鶏肉を含めたトリ類編です。

用語 肉の部位 ( 豚肉編 )

2019.05.15

鶏だけではない、豊かなトリ肉文化

ハンガリーで最もポピュラー般的なトリ肉は ( ニワトリ ) 。でも、他のトリも、よくお目にかかります。加えて肥大肝臓 ( フォアグラ ) や脂など、その文化はとても豊かです。トリ類 ( Szárnyasok、Baromfik ) をまとめましたので、ぜひいろいろ試してみてください!

Csirke ( チルケ )・・・ 普通に美味しいです。モモより脂肪分の少ないムネの方が、値段は上。

Pulyka ( プィカ )・・・七面鳥  鶏肉に次いで一般的。どこのスーパーでもたいてい売られています。

お値段は鶏より同程度、お味は鶏によく似ています。調理方法も鶏肉とほぼ同じと考えて大丈夫です。ただ、パサつき気味のため ( 特にムネ )、煮込みの方が失敗なく仕上がります。

Liba ( リバ )・・・ガチョウ 1 年を通して購入可能ですが、特に、聖マルトンの日 ( 11 月 11 日 ) 前後にいただく習慣があります。その際は、その年に収穫されたワインとともに。

Hízott libamáj ( リバマーィ=ガチョウの肥大した肝臓 ) はフォアグラのことで、ハンガリーは一大生産地。当地でも高級食材ですが、日本よりかなりお手頃価格でいただけます。

また、Libazsír ( リバジール = ガチョウ脂 ) は、旨味やコクをぎっしり含んだ高級脂で、そのままパンにつけたりします。

Kacsa ( カチャ )・・・アヒル 肉部分も肥大肝臓 ( Hízott Kacsamáj ) も、ガチョウとよく似たお味ながらも、やや安価です。家庭で料理、となればこちらの方がおススメ。

アヒル肥大肝臓丸ごと( 370 グラム )。 ガチョウ版より安価ではありますが、キロあたり 6000 Ft ( 約 2300 円 ) 程度から。やはりご馳走の部類に入ります。( Ft:フォリント、100 Ft=約 38 円。2019 年 5 月現在 ) Photo by Ako

Fácán ( ファーツァーン )・・・キジ 飼育ではなく、猟で仕留めるもの。いわゆる「 ゲーム肉 」に分類されます。そのため最高級という位置づけ。

ちょっと洒落たレストランならば、秋になるとメニューに加えるという粋な計らいをします。筋肉が発達していて無駄な脂肪分が少なく、しっかりした味。ただパサパサしがちなため、そこはシェフの腕の見せ所です。

部位のハンガリー語

画像: Lidl

「 ささみ 」がない!

食用肉のカット方法は、各国で微妙に違うようです。例えば、日本でお馴染みの「 ささみ 」は、ハンガリーではありません。

ではどこに ? 当地ではムネ肉とくっついたまま売られています。

ささみはココに! Photo by Ako

その他、モモ肉は骨付きが基本。日本のように骨が抜かれたフィレ状態はほとんど見かけません。

買うときは、、、
鶏肉は、重さではなく、「 モモ 3 本 」、「 ムネ 1 枚 」と個数 ( darab ) でお願いすることも多いです。

通常は、次のように言います。*言い方は他にも沢山あります。
– Hat ( darab ) csirkecombot kérek ! ( 鶏もも肉を 6 本ください ! )

私の失敗談。モモはモモだけど

もう何年も前の話ですが、普通のモモ肉 ( Csirkecomb ) に見えた部位が売られていました。それが、いつもよりかなりお安い! しかも、ものすごく大きくて立派でした。迷わずたくさん買ったのは言うまでもありません。

立派!と目が輝いたのですが… Photo by Ako

ところが、家で開けてみてびっくり。「 立派なモモ 」に見えたのは、単に、脚付け根部分に丈夫な骨がしっかりついていたから。

慌てて値札を見直すと、” Csirkecomb farrésszel “ ( * )と書かれていました。far はお尻、rész は部分。つまり、「 お尻部分つきモモ 」ということです。ただ、「お尻」と言っても、肉部分はわずかで、骨・皮・脂ばかり。なんだか騙されたような気分になってしまいました。

裏返してわかった真実。左端は骨がほとんど。どおりで安かったわけです。 Photo by Ako

その骨を外すのがまた大変で、調理前には断念。結局、安物買いの銭失い ( ? )  になってしまいました。皆さんもどうぞご注意を!  ( スープの出しには、お尻も骨もいい仕事をしてくれます。間違えてしまったら、そちらでの利用を考えましょう! )

* ” Pecsenye csirkecomb ” と書かれていることもあります。

参考にした主なサイト
・Lidlkonyha A szárnyasok részei
・鳥栄公式ホームページ「 鶏の部位
・独立行政法人 家畜改良センター兵庫牧場 「 鶏肉の部位

ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。