突然の急病や、事故、怪我が起きた場合、「 救急車!」とまでは頭に浮かぶことでしょう。でも、その後、パニックになりがちです。ましてや日本語が通じない外国ではなおさらのこと。
そんなときに心強い味方となってくれそうなのが、2019 年秋デビュー予定のスマートフォン用アプリ。ボタン一つを押せば通報できる仕組みです。どんなことができるのか、「もしもの時」に役立つ情報になれば幸いです。
どのスマホでも使用可能
アプリの名前は、“ ÉletMentő ( エーレト・メントゥー ) ” 。その名もずばり、「 ライフ・セーバー 」という意味です。サービス開始は 2019 年秋の予定。
運営するのは、国の「 全国救急サービス ( OMSZ* ) 」 と、通信大手ボーダフォン傘下のハンガリー財団*。両者が 4 月 4 日にブダペストで記者会見を開き、発表しました。
( * OMSZ : Országos Mentőszolgálat、ボーダフォン財団: Vodafone Magyarország Alapítvány)
アプリのダウンロードは、
✓ アンドロイド、iOS どちらも OK
✓ 契約する通信会社はボーダフォン ( Vodafone ) でなくても可。
( 例 : Magyar Telekom、Telenor )
SOS! 喋れなくても大丈夫
アプリの最大の特徴は、ボタン一つを長押しするだけで、救急車を呼べることです。そのため、緊急通話番号を思い出せなくても心配ありません。
受信側の全国救急サービスは、怪我人、病人の居場所をスマホ搭載 GPS ですぐに確認できます。建物の中のどこかまでピンポイントでわかるそう。
既に同様のサービスが行われているチェコでは、ボタンを押すと、通常の電話通報と同じように、まず救急サービスセンターにつながります。そこで、状況を説明します。
ただし、身体状況や、聴覚障害、言葉がわからないなど何らかの理由で喋れない人は、別の「 話せません 」ボタンをクリック。そうすれば、話さなくても大丈夫な仕組みになっています。
アプリでは、自分の血液型、慢性疾患、服用中の薬やアレルギー、家族連絡先など、いざというときのデータを入れておくことができます。SOS を発すれば、直ちにそれらのデータが救急医療スタッフ側に伝えられるというわけです。
さらにすごいのは、通報は、インターネットに接続できていなくても可能な点。例えば、山で遭難しても機能するようになっています。( もともとこのアプリは、山での遭難やスキー事故を想定して開発されたのです。)
アプリで他にできること
アプリには他にも、大事な機能が 2 つ入っています。
1 つはロケータ ( Locator ) 。自分が今いる場所の近くにある、救急センター、歯科医、薬局などを示します。
もう 1 つは応急手当ガイダンス ( First Aid ) 。命に係わる危険な状態のとき、救急車到着までにすべきことを、アプリがガイドしてくれます。まずは、「 心臓は動いていますか? 」、「 呼吸はしていますか? 」など聞いてきて、必要に応じて、気道の確保、人工呼吸、心臓マッサージの方法などイラスト付きで説明していきます。
近隣諸国でもOK
アプリの発祥の地はチェコ。” Záchranka ( 「 救急 」の意味 ) ”と呼ばれ、2016 年から使われています。その後、スロバキア、オーストリアに広がり、開発者によると、ダウンロード数は既に 100 万程度に。
これら 3 か国では、例えば旅行中、それぞれの国のアプリをダウンロードしなくても、自国のアプリがそのまま使えます。
同様に、ハンガリー版をダウンロードすれば、他の 3 か国でも通用するようになるとのこと。Záchranka はチェコ語、英語の両方に対応していますので、ハンガリー版もそうなると期待しています。
救急車がどれだけ早く駆けつけてくれるか、どれだけ早く受け入れ先病院が見つかるかはまた別の問題です。でも、こうしたアプリがあることで、もしもの時に備えられればそれに越したことはありません。サービス開始となったら、私もいち早くダウンロードし、使い勝手などについて改めてお伝えしたいと思います!
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チェコ版アプリのサイトはこちらから