用語『 サプリメント 』ーおまけで国産名物サプリも!

「 言葉の不安 」は異国暮らしにはつきもの。医療関連用語は、さらにとっつきづらいことが多いですね。「 ハンガリー暮らしの健康手帖 」では、医療関連用語をテーマに分けて掲載していきます。第 7 回は、ビタミン、ミネラルなどサプリメント。安全なお買い物のための ” E マーク “、またハンガリー名物サプリ ” Béres Csepp ” についてもご紹介します。

ビタミン、ミネラル成分 早見表付き

ハンガリーでは、ビタミンやミネラルなどのサプリメントを常用している人が多いです。国内の市場規模は 500 億フォリント程度 ( 約 160 億円 )。年間 2800 万箱も販売されており、現在も拡大を続けています。( 出典: ヴィラーグガズダッシャーグ紙 )

特に、風邪をひきやすい冬にはビタミン Cマルチビタミンの摂取が一般的。免疫力アップが目的です。

また、ハンガリーの医師が妊婦さんに「ほぼかならず」勧めるのはマグネシウム。もともとカルシウムの吸収を助けることで知られますが、胎児の発育にとても大事とされます。私も妊娠中には、ビタミン B 群も加わった Magne B6 というサプリをずっと飲んでいました。マグネシウムが多めに入ったマルチビタミンは、スポーツをしている人ストレスを抱えている人にもおススメです。

もう一つ、当地で医師に必要とよく言われるのは、新生児にビタミン D ( 滴剤 ) を与えること。冬場は日照時間が短いこともあり、ビタミン D 欠乏症の予防をしっかりします。

サプリメントのハンガリー語は、だいたい想像のつくものと、まったく違う言葉の両方があります。ビタミンはそのまま ” vitamin ” ですが、鉄は ” vas ” 。箱に表示される成分の中身がすぐわかるよう、表にしてまとめてみました。なおビタミンは、A、B、C が先に来て、A-vitamin、B-vitamin、C-vitaminと言います。

NRV とは

マルチビタミン等を買うと、各成分の含有量の隣に、 “ NRV % ”という表示があります。

NRV は、英語の “ Nutrient Reference Value ”の略。「栄養素 摂取基準値」を指します ( 通常、大人の 1 日あたりに必要な量 ) 。 ハンガリー語では ” napi beviteli referencia értékek ” です。

例えば、1 錠あたり C – Vitamin NRV 63 %とあれば、1 錠で 1 日のビタミン C 接種基準の 63%をとれる、ということになります。

一番左は、1 日 1 錠 ( tabletta ) あたりの NRV % 。真ん中は 1 日 2 錠あたりの NRV % が示されています。 Photo by Ako

ワンポイント・ハンガリー語

・étrend-kiegészítő  ( エートレンド・キエゲースィートゥー )  サプリメント
・immunerősítő ( イムンエルーシートゥー )  免疫力を高めるもの ( immunrendszer erősítő :免疫システム強化 と同義語)
・csonterősítő  ( チョントエルーシートゥー ) 骨を丈夫にするもの ( csontmegőrzés : 骨を守るもの と同義語 )
・csontritkulás  ( チョントリトゥクラーシュ ) 骨粗しょう症
・porcerősítő  ( ポルツエルーシートゥー ) 軟骨を守り丈夫にするもの
・antistressz  ( アンティシュトレス ) アンチ・ストレス
・antioxidáns  ( アンティオキシダーンシュ ) 抗酸化

安全のための “ Éマーク ”

ハンガリーでは現在、夥しい数のサプリが薬局、ドラッグストア、ネットで販売されています。国立医療分析厚生研究所 ( OGYÉI* ) によると、届け出された商品数は 1.6 万以上 ( 2004年 ~ 2019 年 1 月 18 日 )。2018 年だけでも 1200 品目弱の届け出がありました。

OGYÉI=Országos Gyógyszerészeti és Élelmezés-egészségügyi Intézet

一方で、粗悪な商品も混在しています。成分含有量が表示内容と違う、広告表現に問題があるなどの理由で流通販売停止となったのは 2004 年以来、459 品目。国内の薬や食品当局は、常に目を光らせていますが、問題ありの商品は後を絶ちません。

そこで、関係業界団体が 2018 年 2 月から取り組み出したのが、「 サプリ安全向上プログラム 」( Biztonságos Étrend-kiegészítő Program ) です。

このプログラムには、製造業者、流通販売業者、薬局が参加。いずれも、サプリの品質基準や規制に従い製造、または販売していると積極的に示す事業者です。

参加薬局は、 “ Éマーク ”のシールを店に貼り付けることになっています。「 この店では、 規制をきちんと守っている安全な商品のみ販売しています 」という意味です。

安心を示す É マーク

店にマークがない=粗悪品を売っている、ということではありませんが、一般的に安全で高品質なものを入手するには、薬局 > ドラッグストア > スーパー > ネットや廉価製品を販売する市場 の順と考えられています。

「フンガリクム」お墨付きの国産サプリ

サプリを語るうえで欠かせないのは、国産のベーレシュ・チェップ ( Béres Csepp )。ポタポタと小瓶から出てくる滴剤で、大人も子どももよく飲んでいます。ハンガリーを代表する「 フンガリクム ( Hungarikum * ) 」にも登録済みです。

*フンガリクム:ハンガリーを代表するような価値ある人やモノ、文化、習慣、行事。国の委員会による厳重な審査の後、登録されます。

生みの親は、ベーレシュ・ヨージェフ博士 ( Dr. Béres József,  1920-2006 )。免疫システムの働きを強化するものとして 1972 年に開発しました。国内では 1978 年から販売され、現在は輸出もされています。

1 日 2 回、 20 滴ずつ飲みます。( 大人の場合 ) Photo by Ako

ベーレシュ ( Béres ) は、今やハンガリー資本の主要栄養補助食品メーカーとして成長。マルチビタミンなども製造販売しています。ならば、昔ながらの「ベーレシュ・チェップ」は何が違うんだろう、と成分を見てみると、、、、

多いのはミネラル ( 鉱物 ) 系でした! 逆にビタミン類が入っていないのは、意外でした。

ベーレシュ・チェップの成分 ( 多い順 ) :
鉄、亜鉛、マグネシウム、マンガン、銅、モリブデン、バナジウム、ニッケル、ホウ素、フッ化物、コバルト。

成分の最初の 3 つくらいは “ メジャー ” でマルチビタミンでよく配合されています。でも、残りは見かけないものばかり。

これらの “ マイナー ” ミネラルは、1 日の必要摂取量がとても少ないため、「 微量ミネラル ( * )」と呼ばれています。でも、僅かな量でも体の機能を正常に働かせる大きな役割を担っており、この辺りがベーレシュ・チェップの秘密なのかもしれません。

*ミネラルには 100 種くらいあり、1日の摂取量が 100 mg 以上必要なものを「 必須ミネラル 」、それ以外を「 微量ミネラル ( または微量必須ミネラル ) 」と言います。

お味はと言いますと、荒削りの媚びない「 鉱物 」という感じ  (「ミネラル」とカタカナではなく、あくまでも漢字で「鉱物」というイメージ ) 。最初は酸っぱいような、最後は鉄のような。なんとも言えない不味さです。

実は私、この記事を書くために初めて飲みました。きちんと形容してお伝えできるようにと、ゆっくり丹念に味わったのが失敗でした。

飲みやすいように何かが添加されているわけではありませんので、一気に飲み込んでしまうことを強くお勧めします! そして隣にはコップ一杯のお水もお忘れなく。( 私は直後に、助けて、口直し~~! とカフェオレを飲み、さらに失敗💦 魔法がかかったように、コーヒーとはおよそかけ離れた味になってしまいました。)

なお、金属アレルギーがある方は飲まないよう表示されていますので、ご注意ください。

ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。