ハンガリーでのインフルエンザ予防接種

そろそろインフルエンザの季節の到来。ハンガリーでは例年、 10 月下旬には、予防ワクチンの接種が可能になります。

ただ、受けるべきかどうか、 迷う方もいるかもしれませんね。

この国では、接種が推奨される人の場合、国家医療保険に加入していれば無料(*)。推奨対象になる場合、またワクチンにまつわる誤解、接種方法などお伝えします。( 追記: 2020 / 2021冬シーズンについては、コロナ第 2 波のため、特別措置があります。)

接種すべき人、無料で受けられる人

ハンガリーの国家保健衛生サービス (NNK、 旧 ÁNTSZ ) は、インフルエンザの予防接種を幅広く呼び掛けています。

なかでも、次の人々には強く推奨。

 60 歳以上の人
 慢性疾患を抱える人の一部
( 喘息など呼吸器系の病気、糖尿病、心臓や腎臓、肝臓などの病気 )
 妊婦

これらの人々は、感染すると重篤化しうる「 リスクグループ 」です

そのため、国家医療健康保険に加入している場合、自己負担ゼロで予防接種が可能となっています

2020 / 2021 冬シーズンの特別措置
ハンガリー政府は 9 月、2020 / 2021 冬シーズンのワクチン接種については、すべての人自己負担なしで受けられるように決定しました。( ただし、国家医療保険の加入者のみ )

新型コロナウィルス流行第 2 波の最中、似たような症状である季節性インフルエンザを回避、また重症化を防ぐことは非常に大事とされるためです。

ハンガリーでインフルエンザ患者数がピークに達するのは毎年 1 月。

予防接種をするならば 11 月には終わらせておくのが理想です。免疫体制が整うまでには注射をしてから 2 ~ 3 週間かかるためです。

よくある誤解

Photo by Ako

この時期になると、インフルエンザワクチン接種にまつわる「 よくある誤解 」をテーマにした記事をハンガリー国内でも見かけます。

先日も紹介されていたので、抜粋してお届けしましょう

誤解 その 1 : 妊娠中のため、予防接種はしないです。

答え: 妊娠中は薬をできる限り避けることが多いので、ワクチンも敬遠しがち。しかし実際は、妊婦さんがインフルエンザにかかると、高齢者がかかるように肺炎や入院治療を要するなど重症化するリスクがあるのです。

ワクチンが胎児の成長などに悪い影響を与えることは基本的にないと考えられています。

一方で、赤ちゃんが生まれてから  6 か月は、お母さんからの免疫が残っているため、インフルエンザにはかかりにくいと言われています。

誤解 その 2 : 予防接種自体で病気になるので、打ちたくないです。

答え: 接種後に発熱したり体調が悪くなったりする場合があります。でもこれは、想定内の反応。その間、体は抗体をつくるために働いています。

インフルエンザワクチンは「 不活化ワクチン ( * ) 」のため、接種してインフルエンザに罹ることはありません。

( * 不活化ワクチンとは、抵抗力をつけるのに必要な成分を、殺したウィルスや細菌から取り出してワクチン化したもの。生きたウィルスや最近の毒性を弱めて作る「生ワクチン」とは違い、既に死んでしまった菌を入れることになります。)

もっとも抗体ができあがる間に、インフルエンザに感染してしまうということはあるそうです。

誤解 その 3 : 予防接種は効果がないので、受ける必要はないと思います。

答え: ワクチンを接種しても、菌が体内に入ることを避けられるわけではないそうです。

ただ、適切な免疫体制が整えられていれば、体内に入ってきても戦えるため、症状が出ない、もしくは、仮に出ても軽めですむとのこと。

また、自分だけのことではなく、自分がかからないことで家族に移さないことも大事。

特に、免疫が作りづらい小さなお子さんや、症状が重くなりうるお年寄り、慢性疾患の方が家族にいる場合は、自分がリスクグループに属していなくても接種した方が安心とされています。

※ 子どもの場合は、生後 6 か月から接種可能です。特に保育園、幼稚園など人が集まるところに頻繁に行く子どもには勧められています。小児家庭医とご相談ください。

 

接種方法

国家医療保険に加入している場合は、

家庭医 ( háziorvos ) を訪問
( 2020 年 10月追記: コロナのため直接訪問するのではなく、事前に必ず電話で問い合わせ、予約を取ってください。)

ワクチン処方箋を受け取る

薬局でワクチン購入

家庭医診療所に戻り打ってもらう

という方法が一般的。
( 家庭医にワクチンが置いてある場合もあります。)

国家保険による負担免除の対象にならない場合、ワクチン自体の価格は 3 000 ~6 000 Ft 。注射を打つための費用はかかりません。( 2019年冬の場合 )

私立クリニックや予防接種センターでも接種は可能。その場でワクチンを出してもらえるため、薬局との往復の手間は省けます。費用はワクチン料金と接種料金込みで 7 000 ~ 15 000 Ft 程度。( その他初診料などかかる場合があります )

*Ft = ハンガリーフォリント 100 Ft = 約 34 円、 2020 年 10 月現在

こんな場合は受けないように !
・接種当日に発熱している場合
・なんらかの重い急性の病気にかかっている場合
・卵に対する重度のアレルギーがある場合 ( 医師に相談してください )

どうぞお気をつけて、冬をお迎えください。次回は、ハンガリー人がよく服用 ( 愛用 ? ) している処方箋なしで買える総合感冒薬について。日本とはかなり違います ‼  お楽しみに。

ワンポイント ハンガリー語
インフルエンザ  influenza
インフルエンザ予防接種  influenza elleni oltás
注射  oltás
ワクチン  vakcina
免疫体制  immurendszer

ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。