今や生活に欠かせないネット通販。ハンガリーでも沢山のモール型 や自社 EC ( 電子商取引 ) サイトを利用することができます。でも便利だからと言って安易に信用していませんか? 注意していないと、罠に陥る危険あり。今回は、アスパラガスさん ( 50 代、ハンガリー在住 20年+) が正規のサイトを装った詐欺サイトの被害に遭った話です。
はじめに
こんにちは、アスパラガスです。最近、ネット通販詐欺にまんまと引っかかってしまいました。今振り返ると、注意が足りなかったと情けない気持ちでいっぱいです。こんな思いは他の方にはしてほしくないので、騙されるまでの経緯や、調べてわかった予防方法をまとめました。
▼サロモン・アウトレットというサイトでサンダルを注文。 ( 2024 年 10 月初旬 )
▼商品が届かず。連絡もつかず。
▼海外のサイトとわかり、事実上泣き寝入り。
注文まで
注文したのは、サロモンのREELAX SLIDE ( リラックス スライド ) というサンダル。以前、同じものを愛用していたのですが、この夏に旅先に忘れてきてしまいました。そこでネット通販で探すことに。
検索するとわんさか出てきたのですが、このタイプでは新バージョン 6.0 が登場し、好きな色がなく。前の 5.0 のオレンジはもうないのだろうかと再度検索して出てきたのがwww.salonomnhuoutlet.com というサイトでした。
最新モデルの半額以下だったので、こんなに安いのかと驚いたのですが、型落ちだしアウトレットだからかと納得してしまいました。今思えばこれが第1の間違えだったようです。
そしてお会計に。< 送料 5681 Ft >と出てきて、「えっ高い!」という印象でしたが、そうか、これはこの辺りの欧州諸国向けの外国 EC サイトだからか、と自分を納得させてしまいました。そして送料込みでも新型よりは安価なのでまぁいいか、と思いとどまることはありませんでした。
支払いはいつも通りにハンガリーの銀行発行のデビッドカードを使用。恥ずかしながら代金引換のオプションがあったのか覚えていません。
そして決済ボタンを押し、後は注文確認メールを待つだけ……と思っていたのですがすぐにはなく。迷惑メールフォルダ内も探しましたが見当たりません。
注文完了画面をもう一度眺めたところ、微妙にハンガリー語が変だし、各単語全部大文字で始まるのも違和感でした。ここで初めてかすかにイヤな予感がして、念のためスクリーンショットしてPC内に保存しておきました。
銀行カードからはすぐに引き落としがあり、スマホに届いた通知を見ると48.07 USD, Treasurediy, HK Kowloon Unit 22 2 F Fu Tao Building と。
なんだ香港の会社だからハンガリー語も微妙に変だったのかと、イヤな予感を打ち消そうとしている自分がいました。中国香港企業とわかり、正直、そこでも若干心配になりましたが、今は Temu をはじめ中国サイトもあるし、ハンガリー友人も香港のサイトでお買い物して無事届いていたし、と言い聞かせていました。
届かない商品
その後、待つだけは待ってみようと思い、2週間経過。ですが、配送業者からの連絡もないし、注文確定メールは引き続きどこを探してもなし。
salonomnhuoutlet.comのサイトを開き、自分のアカウント ( 注文時にアカウントを作成し登録する必要がありました ) を見ようと思い立ちましたが、メールアドレスとパスワードが合っていないとされて入れません。
間違えているはずはないのでおかしいと思いつつ、パスワード変更ボタンをクリックしたのですが、今度は変更のためのメールが届きません。迷惑メールフォルダにもなく。
これはおかしい……
ここまで来ると、詐欺サイトだったのではとの不安が一気に膨れ上がりました。ネットで悪質サイトのチェックができるところを探し、このURLを検索してみたら……
信頼度は 100 点満点中わずかに 6 で、「scam ( 詐欺 ) のようです」と出てきました。
あぁぁぁぁ。その日 1 日がっくり意気消沈してしまったのは言うまでもありません。
試しに他の URL チェックサービスでも同じように調べてみましたが、どれもこれも悪質な可能性が高いという判定でした。
被害に遭わないために
その後、私なりにネットショッピング詐欺について調べました。今思うと、フィッシング詐欺にはかなり気をつけていたのですが、通販サイトに関しては気が緩んでいたとしか言いようがないです。以下に、被害を事前に防ぐためのチェックポイントをまとめてみました。
- 掲載商品が他サイトと比べて安すぎないか
- サイトにAbout usなど会社情報 ( 会社名、住所、電話番号 ) がきちんと記載されているか ー salonomnhuoutlet.comにはありませんでした。
- サイトは新しいものか ー 詐欺サイトは報告されたり検知されたりしないように新しく登録されたものが多いそうです。
- サイトの名前は変ではないか ーよく見ると、サロモンアウトレットではなくSalonmnと微妙に変でした。
- SNSページを持っているかどうか ー ECサイトの多くが Facebook、X、Instagramなどのアカウントを持っています。
- セキュリティソフトから警告されていないか
- 決済方法に不審な点はないか ー 心配なら、多少の手数料はかかっても代金引換が安心。代引きにするかどうかに関わらず、そのオプションがないサイトは利用しない。
- 悪質サイトかチェックできるサイトで確認してみる ー 信頼度が低ければ利用しない。
- 言語が不自然ではないか ー 外国語の場合は検知するのが難しいですが、周囲にネイティブがいたら聞いてみるのも良いかと思います。
私の場合、海外のサイトだったため返金は諦めています。また、ハンガリーの消費者保護当局に訴えたところで、サイト運営者が罰せられる可能性も限りなくゼロに近いはず。ただ、国際的に詐欺サイトを通報できないか現在も調べているところです。
唯一、不幸中の幸いだったのは、「 35,000 Ft 以上買うと送料無料 」につられて追加で商品の注文をしなかったこと。本当はトレッキングシューズも欲しかったのですが、サイズが合わなかったら返品手続きも面倒だから、とやめておいて正解でした。初めて利用する、あまり聞いたことがなかったサイトでお買い物する時は高価なものは避けるのが無難だと改めて思いました。
また、今は多くの国でスタンダードになっていると思いますが、ハンガリーの銀行が発行しているカードでも EC サイトでの決済は複数手段で認証することになっています。私がこの詐欺サイトで決裁した際は、TeleKód ( カードの暗証番号とは別にあらかじめ登録しておくコード番号 ) に加えワンタイムパスワード ( スマホにテキストで届く仕組み ) を使用。そのため、サイトにカード情報を入力はしてしまいましたが、その後悪用された形跡はありません。ただ念のため TeleKód は変更しました。
詐欺にあうと、実害の他に、「騙された」ということがやるせなく、精神的ダメージも受けます。皆さまはぜひ、お気をつけて。少しでも参考になれば幸いです。