日本へ帰国する際の引越荷物に関しては、持ち込み禁止物がたくさんあります。軽い気持ちで荷造りしたものが税関で引っかかり、処分費用まで請求されることがあります。さらに、悪質と判断されれば刑事処分になってしまうことも。そうなると今後の人生を大きく左右することになりかねないのです。
そんな羽目に陥らないために、引越エクスパートの矢野典子さん ( NX ブダペスト支店 ) にアドバイスを伺いました。今回は、具体的なケースを交えてお伝えします。
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食品
細かいルール
食品は、『 植物防疫法 』、『 家畜伝染病予防法 』などの観点から税関でチェックされます。
食品はほとんど持ち帰れないと思いきや、矢野さん曰く、そうでもないとのこと。ただ、ルールが細かい上に、2018 年 10 月より植物検疫が厳しくなったため、より一層の注意が必要だそうです。
例えば、原材料は同じ小麦粉といっても、パスタは問題ない一方、袋入り小麦粉は検疫での検査が必要。そこで合格になれば輸入 ( 日本持ち込み ) が可能になります。袋入りお米も同様に検疫検査対象です。
肉製品に関しては、日本への持ち込みは原則禁止と考えてください。動物検疫対象物は、必要条件 ( 輸入条件、輸出国政府機関発行の検査証明書の添付、検疫検査 ) をクリアできれば輸入できますが、一般的に個人では検査証明書の取得は難しいとされています。
ハチミツはよいけれど巣入りはダメ
ハンガリー国産天然ハチミツは、お土産として人気商品。ですが、ダメなものもあります。
医薬品・化粧品類
一般ルール
医薬品は、それぞれについて個人使用で輸入できる数量が決まっています。
一般的な医薬品ならば 2 か月分以内、処方箋薬なら 1 か月以内、外用剤 ( 軟膏、点眼薬など ) ならば 1 品目につき 24 個以内です。このように個数が決まっているのは、日本では未承認の医薬品を持ち込み、国内で違法に販売するのを防ぐため。
さらに、外国で処方された薬を持ち帰る場合は、医師の処方箋が必要です (英語)。外国製の市販薬の場合も、英語での成分表記がなければ没収になります。
日本で買った市販薬でも、海外滞在中に消費しきれなかったと荷物に入れるのは要注意。上記の量を超えないこと、また開封されていないことが条件になります。
化粧品類(石鹸、浴用剤等)の持ち込みは、品目毎に 24 個以下となっています。
泣いて破棄した大量の日本製コンタクトレンズ
間違えやすいのが使い捨てコンタクトレンズです。医薬品同様に、日本に持ち込めるのは 2 か月分以内。仮に日本製であっても、規定数量以上は再度持ち込むことはできません。
矢野さんによりますと、とある方は、日本から 1 年分を持ち込んだのは良いものの、諸事情で僅か数か月で帰国に。数か月分の持ち帰りでは制限オーバーのため、泣く泣く当地で破棄したそうです。
わいせつ物:刑事罰にも
NX 作業員さんがパッキング中に意外によく見つけるのが、わいせつ物だそうです。わいせつ物は、雑誌、DVD、データ類の形態に関係なく、法令により持ち込みがすべて禁止されています。児童ポルノの場合は、所持すること自体が犯罪です。
ハンガリーではありませんが、欧州のとある国で日本人男性がデータ類として別送品に入れ、単なる没収どころか刑事処分を受けたケースがありました。おそらく大量のデータで、販売目的だったと見られています。
刑事処分を受ければ、勤め先の企業の人事にも通報が行き、引越の問題だけではすまされなくなる可能性があります。ですので、十分に気をつけてください。
海外引越は国内の引越と違い、その国への「輸入」扱いとなることをどうぞお忘れなく。そのため細かい規制があるのです。当サイトでは、慌てることなく、ストレスフリーで引越の準備をするための記事も掲載しています。併せてご一読ください。
NXドイツ( 旧ドイツ日本通運 ) ブダペスト支店
NIPPON EXPRESS (DEUTSCHLAND) GmbH & Co. KG Budapest Branch
担当者 : 矢野 ( Ms. ) / 日本語でどうぞ。
住所 : Airport Business Park B4, Lorinci ut 61. 2200 Veces, HUNGARY
TEL : +36 29 553 807
E-mail : nede-bud_rmv@nipponexpress.com
ウェブサイト: http://www.nipponexpress.com/moving/hu/
日本からハンガリーへお引越の際は、NX海外引越サイトよりお問合せください。( ここをクリック )