トンピさん ( ブダペスト在住約 20 年) が先日一時帰国した際、痛い目にあいました。スーツケースが経由地の中国・上海空港で止められて、5 日間届かなかったのです。
いったいどうしてこんなことに? 皆さんはぜひ同じような『うっかりミス』をしませんように、と共有してもらいました。( 体験談 )
犯人は…
いったい何が原因だったんでしょうか?
最初はなぜ止まってしまったのかわからなかったのですが、空港スタッフの方に言われて初めて気づきました。
なんと。そうだったのですね。
モバイルバッテリーを預け入れ荷物として中にいれられないのは、リチウムイオン二次電池が内蔵されているから。
電池は外部から強い衝撃が加えられると発熱や発火のリスクがあり、「危険物」扱いされています。
ただし、160 Wh (ワットアワー*) 以下ならば、機内手荷物としていっしょに持ち込むことは可能です。
*100 Wh は、約 27,028 mAh 。
ですが、出発前のバタバタですっかり頭の中から抜け落ちてしまい……。そして機内で使う必要はないから預け入れ荷物の方に入れよう、と考えたのが失敗のもとでした。
ロストバゲージ報告から受け取るまで
それではトンピさんはスーツケースを無事に受け取るまで、どのような手続きをしなけらばならなかったのでしょうか。次のような流れをたどりました。
- 手荷物受取場内のカウンターに行き、スーツケースが出てこないことを伝える。
同じ便で預け入れになっていた他の荷物がすべて出はらった後に、初めて受け付けてもらえます。
. - スーツケースがどこにあるのか特定。
その際は、搭乗券 (もしくは e チケット) と、ブダペストの空港で渡されていた荷物の半券 (控え) を提示。
上海で取り残されていることが判明。「リチウム電池が入ってます」と知らされ、ここで初めて気づくことに。
. - 手荷物事故証明書 ( Property Irregularity Report ) を発行してもらい、スーツケースのカギを預ける。
カギは上海に届けて、そこでスーツケースを開けるとのこと。
. - 上海でスーツケースが開けられ、モバイルバッテリーが没収される。
. - スーツケースがようやく成田に到着。
JAL からその旨連絡あり。
. - 成田から実家に配送。
上海までのカギ送付、再検査などで追加料金を請求されることはありませんでしたが、成田から実家までの配送費用はトンピさんの負担となりました。( 自己責任のため )
荷物は無事に手元に戻ってきたとはいえ、かかった日数は合計 5 日でした。( 成田までが 4 日、自宅までの郵送にプラス 1 日 )
保険に入っておいてよかった ‼
衣類を詰めたスーツケースが届かない羽目に陥ってしまったトンピさんですが、『 沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり 』で予想外の良いこともありました。それは、保険に入っていたこと。
その中には荷物が航空機到着後 4 時間以上遅延した場合の補償もあったので、利用できたんです。これは本当に幸いでした。
実際にはどのような補償を得られたのでしょうか。
この領収書と、成田で受け取っていた手荷物事故証明書を提出したところ、全額補償してもらえました!
もちろん高級ブランド品を買うのはダメでしょうし、保険会社によっても対応は異なると思いますが、私の場合は支払いもとてもスムーズで迅速でした。
教訓:飛行機に持ち込めないものはしっかり確認を
最後に、トンピさんに今回の出来事を振り返ってもらったところ、ご自分への反省も込めて「 航空機への持ち込み不可製品リストはぜひご確認を!」とのこと。
最終的に荷物は無事戻ってきたとはいえ、仮に出張だったり、数日しか一時帰国しないのに途中で止まってしまったら大変なことですよね。
他の方々には、せっかくの滞在でこんな思いをしていただきたくはないので、あえて失敗談を晒しました。これからはパッキング前に再度チェックを心がけます。
持ち込み不可のものについては、こちらをご参考に (日本政府広報オンライン『飛行機に持ち込めないもの) 。またご利用の航空会社のサイトでも確認できます。
▼機内手荷物としては持ち込めるが、預け入れはできないもの
▼機内手荷物としては持ち込めないが、預け入れはできるもの
▼機内にも持ち込めず、預け入れもできないもの
一見して明らかに 『 危険物 』 になるものを入れる人はあまりいないでしょうが、ややこしいケースもあります。代表例はヘアアイロン。コンセント式か充電式か、さらに充電式で電池を取り外してあるかどうかで持ち込み可・不可は変わってきます。
また「空港によって検査の厳しさが異なる」ことはよく耳にします。トンピさんの例でも、ブダペストのリストフェレンツ空港では止められなかったことになります。アジアの空港は念入りにチェックする傾向があるとも言われています。一方、欧州ではドイツ・フランクフルト空港が厳しいことで有名。ただ運用の厳格さにかかわらず、禁止物は入れないのが基本です。
今回、初めて中国東方航空 ( China Eastern Airlines ) を使って一時帰国しました。預け入れ用のスーツケースは 2 つまで無料だったので、1 つはお土産類、もう 1 つは衣類を中心に詰めて用意しました。
ですが成田到着時に、お土産類のスーツケースだけ出てきて、衣類の方は出てこなかったんです。
えぇぇ~ (泣) となったのは言うまでもありません。JAL* の荷物トラブルカウンターで調べてもらったところ、途中の上海空港の検査で引っかかっていたことが判明しました。
*搭乗した飛行機は、日本航空 (JAL) とのコードシェア便でした。