政府は 4 月 30 日、新型コロナ制限措置の追加緩和を翌日 ( 5 月 1 日 ) から実施すると発表。
すべての人に当てはまる緩和に加え、今回は初めて「 コロナ免疫証明書 ( カード) 」保持者だけを対象とした追加的な緩和も行います。最新情報をまとめました。( 情報は 2021 年 4 月 30 日 8 時現在 )
( 最新の情報は、当サイトのTwitterもしくは『ハンガリーのニュース』Twitterでご確認くださるようお願いいたします。)
もくじ
すべての人が対象の緩和措置
ハンガリー政府は現在、新型コロナワクチンの接種者数 ( 1 回目 ) の増加に応じて、段階的に制限措置の緩和を実施しています。
これまで 250 万人、350 万人達成で緩和をし、今回は本日 ( 4 / 30 ) か明日にも400 万人達成が確実に。 成人人口 ( 18 歳以上 ) の約半分にあたります。
そのため、すべての人に対して以下が実施されることに。
- 夜間外出禁止は 24 時から翌朝 5 時までとする ( 従来は 23 時から翌朝 5 時まで)
- 店舗は 23 時まで営業可能とする。 ( 従来は 21 時半まで )
ただし、客数は引き続き売り場面積 10 ㎡ あたり 1 人まで ( 14 歳未満、高齢者や障碍者付き添い人は人数にカウントしない )
コロナ免疫証明書保持者のみの緩和措置
今回の追加緩和の目玉は、新型コロナの「 免疫証明カード 」を持っている人だけを対象とした一連の措置です。例えば、レストラン・カフェの店内でも飲食を楽しむことができます。
ハンガリーではワクチン接種は強制ではなく、あくまでも任意。政府は、言わばこうした「 ワクチン接種者の特権 」を示すことで、より多くの人が接種することも期待しているようです。
- レストラン・カフェの店内での飲食 ( 23 時まで可能 )
- ホテルの利用
- 余暇、文化施設の利用
( 例:映画館、美術館・博物館、劇場、図書館、動物園、遊園地、サーカスなど ) - スポーツ施設の利用 ( 例:フィットネスクラブ、スイミングプール、スケートリンク )
- スパ ( 温泉 ) の利用
- スポーツ試合観戦 ( 23 時まで可能に)
- 外国に渡航し、ハンガリーに戻ってきた場合に隔離義務免除 ( これについては一足先4/29夜に発効済み )
未成年 ( 18 歳未満 ) の場合、免疫証明書を保有する親 (保護者 ) 同伴の場合、これらの施設利用が認められます。
スポーツ、文化関連イベントでは、マスク着用義務はなし。 ( 免疫証明書保持者および、免疫証明書を保持する保護者が同伴する未成年者ともに )
免疫証明書を偽造した場合は、重い罰則があります。 ( 刑法を改正する予定 )
免疫証明書を保有しているかは、施設管理責任者・事業者が責任を持ち確認。怠った場合は、罰金 10 万 ~ 100 万 Ft ( 約 3.5 万 ~ 35 万円 )、また最大 1 年の営業停止。
また、集会・イベントも原則禁止。家族・プライベートの集まりは、最大 10 人のままのためご注意ください。
そもそも免疫証明カードって ?
免疫証明カードに記載されているのは、氏名、身分証明書 ( ID やパスポート ) 番号、ワクチン 1 回目接種日、QR コードなどです。
カードは、ワクチン接種 1 回だけで、つまり 2 回完了を待たずに発行されます。 ( 5 月 7 日追記:ただし、期日通りの2回目接種を怠った場合、証明書は無効となるとのこと。 )
逆に記されていないのは、ワクチンの種類。
QR コードを読み込んでも ( 下画像 )、ワクチンの種類の記載はありません。
こんな人がもらえます
- 新型コロナワクチンを接種した人 ( 1回目 )
- 過去に感染し治癒した人 ( 国の運営する電子医療情報管理システム EESZT に登録されている場合 )
- 抗体検査で抗体が確認された人 ( 検査は認定機関で自費で行う )
※ EESZT は、Elektronikus Egészségügyi Szolgáltatási Tér の略称です。
上記の ①、② の場合は無料でカードが郵送されます。ワクチンを接種した人には通常、 1 回目の後 10 日 ~ 2 週間程度で到着 ( ※一部で遅延が発生しています。特に外国人で TAJ カードのある人の多くで届かない事例が続出しているようです。EESZTで登録されているかの確認はこちらから。また、政府の出先機関 Kormanyablak で申請可能です。 )。
一方、③ の場合は自分で発行の申請をする必要があります ( 有料 )。
カードの有効期限は、① の場合なし。② の場合は 6 か月間、③ の場合は 3 か月間です。
在留外国人にも道開ける
ようやく、国内居住の外国人でハンガリー国家医療保険に未加入の場合 ( TAJ ナンバーと呼ばれる保険証番号なし ) でも、ワクチン接種希望の登録ができるようになります。
政府の発表によりますと、5 月 1 日から登録可能に。(更新情報:5 月 4 日からワクチン公式サイト(vakcinainfo.gov.hu)、で可能になりました。)
登録ができれば接種へ、接種をすれば免疫証明カードを発行してもらえることになります。
現在ハンガリー人が接種予約をする際に選べるのはシノファーム、アストラゼネカ、スプートニクVで、予約は早ければ 1 ~ 2 日後に設定可能です。( ファイザーは 4 月 30 日のみ可能、その後の受付は数週間後とのこと )
予約可能なワクチンの種類は、その時の状況によります。ハンガリーはその他にモデルナ、ヤンセン、スプートニクVを使用していますが、今後どのワクチンが何月何日にどれだけ到着、という先々の細かいスケジュールは明らかにされていません。
【 参考 】 医療保険加入者向けの接種希望登録はワクチン公式サイト(vakcinainfo.gov.hu)、またオンライン予約は EESZT のサイトとなっています。( ハンガリー語のみ )
カードは外国でも認められる ?
このカードは基本的にハンガリー国内のみで有効です。
ただし、ハンガリー政府が他国との 2 国間交渉で合意した場合は、「 相互主義 ( レシプロシティ ) 」の原則に則り、相手国の免疫証明書保持者の自国への入国をお互いに隔離・検査義務なしで可能とします。( 18 歳未満の未成年については、免疫証明書保有の保護者同伴であれば同様に免除されます )
セルビア、モンテネグロ、スロベニア、バーレーン、クロアチア、トルコとは既に合意、往来は隔離義務なく可能に。( 渡航先の国でのコロナ関連の各種制限措置は守る必要があるのでご注意ください。またクロアチア渡航の場合は、免疫証明カードの他に接種記録の紙も提示する必要があるとのこと。隔離義務免除は2回目接種14日以降から。 )
その他、ギリシャ、イスラエルなどとも交渉を開始。
オルバーン首相によりますと、まずは 「 近隣諸国 」、「 重要な国 」と交渉し合意を目指すとのこと。
EU 域内で自由な移動を保証する EU 共通の免疫証明書に関してはまだ決定していません。スプートニク V やシノファームなど、EU では未承認のワクチンを接種した人が、EU 承認ワクチン接種者 (ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ヤンセン ) と同じ扱いになるかどうかも未定です。
入国に関する制限措置は、こちらをご覧ください。
ワクチン関連については、こちらをご覧ください。
( 現在は、妊娠中、妊娠を計画されている方、授乳中の方、3 か月以内に感染し治癒した方、16 ~ 18 歳の方も接種できることになっています。)
制限措置の緩和は拡大していますが、ウィルスはまだいます。在住者の方々におかれましては、引き続き十分にお気をつけてお過ごしください。
公的機関によるコロナ関連情報
コロナ免疫証明書に関する政府の発表資料 ( ハンガリー語 )
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