日本のみならず、世界各国にある新年を迎える験 ( ゲン ) 担ぎグルメ。ハンガリーの人たちは、どのようなものを食べ、未来に何を願うのでしょうか。この国の縁起物をご紹介します。
レンズ豆でお金にご縁を
ハンガリーの大晦日( Szilveszter ) & 元旦 ( Újév ) 定番の食べ物といえば、『 グリーンピース ( Borsó / ボルショー) 、豆 ( Bab / バブ ) 、レンズ豆 ( Lencse / レンチェ ) 』。
おせち料理にも入る豆は、当地でも縁起の良い食べ物とされています。特に『 レンズ豆 』は、年越しには欠かすことのできない食材です。
「 まん丸な形 = 硬貨のように見える 」ことから、『 金運アップ 』の食べ物と考えられています。
この時期になると、スーパーマーケットなどでは、山のように店頭に並びます。
スープやシチューにして食べるのが一般的。
通常は、家庭で作るものなので、観光向けのレストランではあまり見かけません。
ですが、食堂では出されていることもあります。この季節にお越しの方は、地元民が通うようなお食事処をのぞいてみてくださいね。
さらに、レンズ豆料理には、もう一つの大事な験担ぎ食材を入れます。それは、ある動物のお肉。
幸運を呼ぶブタさん
レンズ豆料理に合わせるのは、『 子豚 ( Malac / マラツ ) 』もしくは『 豚 ( Disznó / ディスノー ) 』のお肉です。
ブタは食べるだけでなく、大晦日の飾りにも使います。カウントダウン前の街中では、子ブタのフィギュアや被り物を売っている屋台が登場。
スイーツ屋さんでは、年末年始は子ブタチョコやマジパン菓子も売っています。
ハンガリーだけはなく、ヨーロッパ諸国では、幸せを運んでくる生き物と信じられているのです。
諸説ありますが、ブタの鼻で土を穿り進む姿から、『 前向きな未来 』を指し、『 大地から幸運を掘り起こす 』とされています。
実際に当地の人たちに聞くと、幸運の訪れよりも金運アップを意識して食べている方も多数。
豚肉そのものだけでなく、加工したソーセージ ( Kolbász / コルバース* ) やウインナーソーセージ ( virsli / ヴィルシュリ ) 、ハム ( Sonka / ションカ ) も人気です。年末年始に調理する手間が省けるので、助かります。
* コルバースとは、ハンガリー風ソーセージ。日本人が思い浮かべるようなソーセージではなく、サラミ ( Szalámi ) のそっくりさん。ハンガリー人たちは、サラミとコルバースをその太さで区別しています。太いとサラミ、細いとコルバースだそうです。
ウロコのある魚で財運 UP
ハンガリーには、「 幸運は魚 ( Hal / ハル ) とともに流れてしまう 」という言い伝えがあります。
実は、当地では金運を逃すともいわれる食材なのですが、近隣国では縁起物。
魚についている数えきれないほどの鱗は豊かさを表しているそう。また、小銭の形に似ていることから、お金とのご縁を願います。
それにならい、 海のない当地では、コイ ( Ponty / ポンチ ) やナマズ ( Harcsa / ハルチャ ) といった淡水魚を使ったお料理を食べる方々もいます。
やはりこちらも、お金に困りませんようにと願掛け。
その他、ドル札を巻いたように見えるキャベツ ( Káposzta / カーポスタ )、最近では、日本の食文化を真似て長寿を祈るお蕎麦 ( Soba tészta / ソバ テースタ ) をいただく人もいるようです。
ハンガリーの験担ぎは、何だか『 お金 』関係が多いような気もしますが…
体も心も温まるお食事をいただいて、今年も皆さんが健やかに過ごされますように祈っております。
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