ハンガリーでは、オーガニック系のお店以外に、大型チェーンのドラッグストアでも見かけるようになったヤギミルク石鹸。乾燥肌や敏感肌向けとして、注目されています。そのやぎのミルクが秘めたパワーや実際に使ってみた体験談をご紹介します。
山羊のミルクは、なぜ良いの?
当地の一般家庭では、昔はヤギミルク ( Kecsketej ) をよく飲んでいたそうです。今日では、その消費量は減少しているものの、山羊チーズ ( kecskesajt ) は今でも人気。
そのミルクは、牛乳よりも母乳に近いと言われるほど、貴重な栄養分を豊富に含みます。
牧草地の草や樹皮、様々な植物を食べる山羊の乳には、骨粗しょう症の予防に優れているカルシウムをはじめ、ミネラルたっぷり。
ビタミンA、-B1、-B2、-B5、-D といった各種ビタミンも含有。それらの栄養素のおかげで、甲状腺機能への効能、神経系や筋肉の働きを助けるとされています。
山羊乳は牛乳よりも脂肪分が多いのですが、脂肪球が小さいため消化しやすく、サラッとしています。そのおかげで、吸収率・浸透率が高くなり、お肌のケアにもうってつけ。
古くから美容目的で使用されてきたのですが、最近は、このヤギのミルクを使った石鹸 ( Szappan ) が関心を集めています。
ハンガリーでは、ビオショップや市場、ドラッグストアなどで市販しており、身近な存在になってきています。
デリケート肌の強い味方
ハンガリーでヤギミルク石鹸と呼ばれるものは、通常、その約 30 % に山羊乳を含んでいます。
この石鹸の魅力は大きく 3 つ。
- 低刺激
- 角質オフ
- 保湿効果
一番の良さは、低刺激性。 母乳に近いとされるヤギミルク石鹸の pH( ピーエッチ )* 値は、人の肌状態に似ているといわれる数値。そのため、敏感肌の方や赤ちゃんも使えるとしています。
* pH とは、水溶液内の性質 ( 酸性、アルカリ性の強さ ) を表す単位
デリケートなお肌に OK ということは、汚れは落ちにくい ? そんなことはありません。
古くなった角質を柔らかくして落とすピーリング効果もあるのです。それは、中に含まれるアルファヒドロキシ酸のおかげ。
同時に、新陳代謝にも働きかけるので、お肌がすべすべになったと感じる方も多いようです。
その他、保湿力の高い「 オリーブオイル ( Olívaolaj ) 」やお肌への浸透力抜群の 「 ヒマワリ油 ( Napraforgóolaj ) 」など、植物性のオイル入り。
肌を優しく包み込み、潤いを与えてくれるので、乾燥による肌や頭皮のかゆみを防ぐ優れものなのです。
洗顔だけでなく、全身に使っても良し。洗髪用やボディーソープとしてもおすすめです。
使用書によると、毎日使えるとしています。ただし、適度な頻度でない場合は、アルファヒドロキシ酸の影響で肌の赤みを引き起こすことがあります。使いすぎにはご注意を。
目や粘膜のある所への使用は避けてください。
ヤギミルク石鹸を使ってみたら
ここまでは、ヤギミルクのいいところばかりを紹介してきましたが…実のところ、私は苦手です。
ハンガリーに来て、ヤギチーズとも出会いましたが、食べられず。その理由は、匂いに癖があったから。
そのため、山羊乳からできた石鹸と聞くと抵抗がありました。友人からの勧めがなければ、試してみようと思わなかったはず。
恐る恐る匂いを嗅いでみると、香りは全く気になりません。寧ろ、無臭に近いと言えるでしょう。
これなら大丈夫と思い、使ってみると、泡立ち良し ! ( 泡立てネットがあると簡単です )
宣伝文句にある ❝ 絹のような柔らか肌に ( Selymessé és puhává teszi a bőrt ) ❞ とまではいきませんが、お風呂上りは触ってわかるぐらいお肌ツルツル ♡
友人家族は、髪を洗う際にも使っているそうで、触らせていただくとサラサラの艶髪でした。
美容効果以外にも、水虫をはじめ、皮膚の炎症で悩んでいる方にも推奨しているようです。
ただ、石鹸の周りに水気が多いと溶けたような状態になってしまいがち。使用後は、水きりの良い状態で保管してくださいね。
ヤギミルク、パーム油、ヒマワリ種子油、オリーブオイル、ヤシ油、水酸化ナトリウム