Rakott Krumpli / ラコットクルンプリ、という料理をご存知ですか? じゃがいも ( krumpli ) を重ね ( rakott )、オーブンで焼いたハンガリー定番の家庭料理です。1 年を通して楽しめますが、特に肌寒くなる秋から冬にかけてがおすすめ。
材料はじゃがいもの他、コルバース、固ゆで卵、ティフル、パプリカ粉のみで、それぞれの分量をきっちり量る必要もなし。作り方はもともとシンプルですが、ここでは「 重ねない 」ことでさらに手間を省きました。小さなお子さんとも一緒にできます。ぜひお試しください。
材料
- じゃがいも 大きめ 4 ~ 6 個 ( どんな種類でも可 )
- コルバース ( kolbász、ハンガリーの燻製ソーセージ ) 約 200 グラム。コルバースは美味しいものを使うと全体がグーンとグレードアップします。ない場合は、チョリソーなど味わい深いものがお勧め。ピリッと辛口がお好みの大人向けには、辛めタイプ ( csípős ) のコルバースも良いです。
- 卵 4 個
- ティフル ( tejföl、ハンガリーのサワークリーム ) 大きな容器 1 つ。( ここで使ったのは 330 ml ) 脂肪分は 12% と 20% のうちからお好みの方を。
- パプリカパウダー 大さじ1 csemege、édes、csípősségmentes という普通のタイプを使ってください ( それぞれ意味は同じ )。 ない場合は入れなくても構いません。ハンガリー製コルバースは通常パプリカパウダーが入っており、加熱することでその成分が脂とともに出てくるため。
- 薄切りベーコンやスライスチーズ、おろしたチーズ ( 写真外 ) お好みで
それぞれの分量は目安です。じゃがいもを好きな方は多めにしてもよいですし、逆に卵やコルバースの割合を多めにしても大丈夫。Rakott Krumpli は材料の割合で失敗することはありません。「ご飯にどれだけふりかけをかけるか」くらいの気軽さで、お好みで割合を決めてください。
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さぁ作ろう!
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小さなお子さんと「 一石数鳥 」
育児を毎日しながら、食事の用意もするのは本当に大変なことですよね。お昼寝している間に、他の遊びに没頭している間に…と考えがちですが、ラコットクルンプリは小さなお子さんとこそ一緒に作るのを楽しめる一品。だいたい 2 ~3 歳から可能です。それに、これくらいの年齢の子たちはお手伝いが大好きなのです !
具体的には
◎ 茹でた卵の殻むき & スライス
◎ 茹でたじゃがいもの皮むき & 輪切り
の工程で、子どもたちの活躍が期待できます。
茹でたてはとても熱いので、それだけは絶対に注意して、粗熱が十分取れて触れるようになってから行ってください。
布巾やペーパータオルにじゃがいもを包むとむきやすく、また火傷防止にもなります。茹でる前に包丁でじゃがいもの中央に 2 ~ 3 ㎜ 程度浅く1周切り込みを入れておくとさらにむきやすくなります。
切るのは、普通の包丁ではなくプラスチックや木でできた使い捨てナイフを使えば安全です。
「 むく 」、「 切る 」という作業は手や指先を使うので、こどもの成長にとてもよい刺激をもたらします。食材がどのように食事に変わっていくかも学べることに。
一方で、ラコットクルンプリの場合、切った食材が不揃いでも形が崩れても問題ないので、親の方もストレスフリーで見守っていられます。
こうして一緒に作ったものを一緒に食べるのは楽しいし、何より子どもたちも達成感を味わえるよう……とラコットクルンプリ作りは一石二鳥どころか、一石数鳥なのです。
このレシピは、管理人の息子がまだ 2 歳だったころ、当時の当地在住日本人親の集まりだった「わらべの会」で教わったものです。主宰者だった美奈さん、由美さんにはこの場をお借りしてお礼申し上げます。以来、我が家では定番料理の 1つとして君臨しています。