ハンガリー国内の新型コロナ「 免疫証明書 」は、2 月半ばから「 ワクチン接種証明書 」に代わります。何がどう変わるのか、注意すべきことなどまとめました。( 2 月 8 日追記: 5 月 1 日からに先送りになりました )
もくじ
ワクチン接種が必須条件に
ハンガリー政府はこのほど、「 免疫証明書 ( védettségi igazolvány )」を大幅に見直すことを決定。2021 年春から使用されているため当時の要件のままでは免疫効果がなくなってきていること、またワクチンの接種を強く推奨しているからです。
今後は原則として、ワクチンを3回接種していることが条件になります。
名称も「 ワクチン接種証明書 ( oltási igazolvány ) 」に変更に。施行は 2 月 15 日から。( 2 月 8 日追記: 5 月 1 日からに先送りになりました )
具体的に 18 歳以上、未満に分けて要件を見ていきます。
18 歳以上の場合
原則として、ワクチン 3 回 ( 追加 ) 接種済み。有効期限はなし。*ヤンセンの場合は 2 回
ただし、以下のいずれかに当てはまる場合は、暫定的に有効とみなされます。
- ワクチン 2 回接種後、6 か月以内 *ヤンセンの場合は 1 回接種後 6 か月以内
6 か月経過して追加接種をしていなければ無効になります。( 2 月 3 日追記: 2 回接種の場合の有効期間は2022 年 5 月 1 日までとなりました ) - ワクチン 2 回接種後に感染した場合、陽性証明から 6 か月以内
ご参考までに、これまでのカードの取得要件はと言いますと……
次のいずれかを満たせば OK でした。
- 新型コロナワクチンを最低 1 回接種した人 ( 有効期限なし )
- 過去に感染し治癒した人 ( 治癒後 6 か月有効 )
- 抗体検査で抗体が確認された人 ( 3 か月有効 )
今後は、感染後治癒したり抗体があったりしても、ワクチン未接種、もしくは1回であれば有効にはなりません。
18 歳未満の接種
2 回接種していれば有効に ( 期限なし )。 *ヤンセンの場合は 1 回接種後
証明書は新たに取得する必要あり?
新たに名称も変わりますが、既にカードを持っている場合はそのまま使えます。
QR コード読み込んだ場合のデータで、有効かどうか判断できるため。
またスマホでアプリをダウンロードしている場合も同様に、そのまま使えます。(*)
*ハンガリーの社会保障番号 ( TAJ-szám ) を持っている方は、スマートフォンで ❝ EESZT Lakossági (EESZT市民ポータル) ❞ というアプリをダウンロードし、デジタル版証明書を取得することもできます。EESZT は、Elektronikus Egészségügyi Szolgáltatási Tér の略で、国家医療保険の加入者の医療情報を電子的に管理するシステム。アプリではハンガリー国内の証明書、また EU 向け証明書の両方の情報が入っています。
証明書でできること
証明書を持っていたからと言って、実際は「できることがものすごく多くなる」ということはありません。制限自体がとても少ないからです。
現在、証明書の提示が求められるのは、500 人超の大規模集会・イベント ( スポーツ試合、コンサート、フェスティバルなど ) に参加する場合のみ。
その他、自治体、学校などが独自に制限することはありますが、それも限定的です ( 例として、ブダペスト市の温泉施設利用、学校の卒業イベントなど )。
商店やレストランなどは証明書がなくても利用できます。
2 国間協定による相互免除
ハンガリー政府は、双方の免疫 ( 接種 ) 証明書保有者の入国を制限なしで可能にする 2 国間合意を約 30 か国と締結済みです。そのため、ハンガリーの証明書があれば、原則隔離・検査義務なしで可能としています(*)。
* 各国の事情により追加書類の提出を求められることはあります。また今後変更もありえますので、渡航前にご確認ください。
もっとも、これらの国リストで、ハンガリー人が多く訪問するのは極一部。大半はあまり関係ない国々です。
※ハンガリーの証明書は、EU デジタル証明書と同じではないため、ご注意ください。( EU 証明書は紙版、もしくはスマホでアプリをダウンロード。アプリの場合は、同じアプリ内に国内向けと EU 向けが収められていますが、提示する QR コードは別です )
- アルバニア
- アンドラ
- バーレーン
- キプロス
- チェコ
- エジプト
- 北マケドニア
- ジョージア
- クロアチア
- インド
- イラン
- カザフスタン
- キリギスタン
- モルディブ
- モロッコ
- モルドバ
- モンゴル
- モンテネグロ
- ルーマニア
- サンマリノ
- セーシェル
- セルビア
- スロバキア
- スロベニア
- トルコ
- チュニジア
- ウクライナ
- ウズベキスタン
- カーボベルデ
(出典: ハンガリー政府領事情報 )
日本からの入国は ?
日本からは、引き続きハンガリー入国前 72 時間以内の PCR 陰性証明があれば、入国することができ、かつ入国後の隔離義務は発生しません。 ワクチン接種証明書の有無、滞在許可証の有無は関係ありません。
ご注意いただきたいのは、滞在許可証およびハンガリー政府発行の免疫証明書を持っていた方。
これまでの場合は、事前にPCR 検査を受けていなくても入国が可能で、隔離義務も免除されていました。 2 月 15 日5月1日以降は、お持ちの証明書が「 ワクチン接種証明書 」の条件を満たしていない場合は、再入国自体は認められるものの、隔離措置は免除されないとのこと。
再入国後の隔離義務から免除されるためには、ハンガリー入国前 72 時間以内に受検した PCR 検査陰性証明書を所持している必要がありますので、ご注意ください。
( 出典:在ハンガリー日本国大使館領事メール 2022 年 1 月 27 日付 )
最後に、一時帰国していた留学生 sui さんが 2 月下旬に再入国した際の体験談をシェアします。
suiさんは、ハンガリーでの有効な滞在許可証とコロナ免疫証明書 (ワクチン 2 回のみ接種で 7 か月弱経過 )を持っています。利用したのはフィンエアーでした。
日本を出発する際に「コロナ関係の書類を何か出してください」と言われ、入国 72 時間前の PCR 検査陰性証明とワクチンを 2 回接種済みの証明書を提示しました。
私は、滞在許可証と有効なワクチン証明書を持っているので、本来 PCR 検査陰性証明も必要はないはずですが、念のためPCR 検査も受けておきました。
コロナ関係の書類の提出を求められたのはそれきりで、経由地のヘルシンキでも、入国のハンガリーでもなにも要求されることはありませんでした。
もしかしたら日本で見せていなかったら、その時点で飛行機に乗れなかったのかな? とも思いましたが、そこのところはよくわかりません。
私が一番初め ( 昨年の 9月 ) にハンガリーにきた時はエミレーツを利用したのですが、出発する際も、経由地のドバイでも、ハンガリーについた際にもワクチン接種証明書、及び PCR 検査の結果を出すように言われました。会社によって対応が違うのかな?と疑問に思うこともありました。
皆さまにおかれましては、どうぞお気をつけてお過ごしください。
公的機関によるコロナ関連情報
【免責事項について】「 ハンガリー暮らしの健康手帖 」は、情報発信の際、正確を期すために法令確認など最善の努力をしています。しかしながら、法律の専門サイトではなく、正確性・完全性を保証するものではありません。詳細につきましては、必ず関連公的機関の公式サイトをご参考にされるか、直にお問い合わせください。