ハンガリー・コロナ情報 1 ( 制限措置 )


欧州では現在、新型コロナウイルス感染症 ( COVID-19 ) が急拡大中です。そのため、各国が厳しい制限措置を講じており、ハンガリーも例外ではありません。

ハンガリー政府による措置も、ここ 1 週間ほど頻繁に修正、追加され、多くの情報が休みなく流れている状況。最新規制には、入国禁止、レストラン・店の開店時間規制が含まれます。

そのため、「 ハンガリー暮らしの健康手帖 」では、在留者や訪問者にとって、現時点で最も重要な情報をまとめて臨時にアップいたします。
( すべての情報は 2020 年 3 月 17 日朝 8 時現在です。)

感染状況

ハンガリー国内で初めて確認されたのは 3 月 4 日 ( イラン人留学生 2 人 )。

政府コロナウィルス対策本部の公式サイトによると、3 月 17 日 7 時 40 分最終更新時では以下となっています。

● 感染確認数 50 人
( イラン 9 人、英国 1 人、カザフスタン 1 人、ハンガリー 39 人 )

● 回復数 2 人
( ともにイラン人 )

● 死亡者 1 人
( 75 歳のハンガリー人男性 )

● 病院での強制検疫下 137 人

● 検査数 1587 件

対策本部は、感染拡大には 3 段階あるとしています。

① 個別レベル
② グループレベル ( クラスターとも )
③ 集団流行

政府および対策本部は、① から ② に移行しないよう、感染患者には接触者調査を行い、感染が疑われる場合、病院で検疫対象としてきました。

多くの場合は、ブダペスト市内の Dél-pesti Centrumkórház / 南ペシュト中央病院の Szent László Kórház telephely / セント・ラースロー病院分院へ  Photo by Yuri

しかし対策本部は 16 日の記者会見で、既にハンガリーは ① から ② に移行中、数日内には ② の段階に入るという見解を示しています。( 更新情報: 対策本部は 17 日午後、② に入ったとしました。)

② の段階では、もう感染ルートの特定が困難な状況を指すとのこと。

そのため、政府は、感染数の増大速度を可能な限り抑え、③ に移行しないよう、厳しい制限措置を発表しました。

政府による措置

厳しい追加措置 ( 16 日発表 )

ハンガリー政府はまず 3 月 11 日に、非常事態を宣言

イタリアなど感染多発国からの外国人 ( ハンガリー国籍保有者以外 ) の入国禁止、集会の制限措置などを決定しました。

しかし、16 日には、措置を大幅に厳しくすると発表。

主に、以下の措置が、17 日 0 時から実施されました。( 官報はこちら )

● 国境閉鎖 → 全外国人の入国禁止。ハンガリー国籍保有者、および滞在許可証を保有するEEA市民 ( EU + ノルウェーなど ) のみ入国可能。
*対策本部の記者会見 ( 16 日 ) では、妻や夫が外国人でハンガリー国内の滞在許可証がある場合など、「家族を引き離すことはない」としています。詳細は、入国前に日本のハンガリー大使館など公的機関に問い合わせることをお勧めします。

● 飲食店の営業規制(レストラン、カフェ、パブ等 ) → 朝 6 時から午後 3 時までのみ可能。デリバリー・テイクアウトならその時間外でも可能。

● 店舗の営業時間規制  → 朝 6 時から午後 3 時までのみ可能。

例外は、食料品店、薬局、ドラッグストア、ガソリンスタンド、たばこ専門店。( その他、家庭用洗剤、シャンプーや石鹸などケミカル製品、トイレ紙や生理用品など衛生用の紙製品などを販売する店も例外扱い )

( 18 日追記: 政府の発表によると、美容院、ネールサロンなどは規制の対象外 )

● 集会、イベントの禁止 →  参加者の人数、屋内・屋外に関係なく。

● スポーツイベントの実施制限 → 無観客試合のみ可能。

● 劇場、映画館、博物館・美術館、図書館、文化会館の閉鎖

● 罰則規定 → 営業規制等の違反者は、5000 フォリント~ 50 万フォリントの罰金

● 70 歳以上の市民に対して、外出しないよう勧告

== 更新情報 ( 18 日 ) ==
EU は 17 日夜、EU 市民以外の入域を 30 日間禁止にする旨、合意しました。( 詳細は駐日欧州連合代表部のサイトを参照ください。 )

*現在、ハンガリーからの出国には制限はありません。ブダペスト・リストフェレンツ空港は、ターミナル 2B のみ運営しています。同空港のサイトはこちら )

フライト状況を確認するためのハンガリー用語 : 日本語訳
Induló járatok : 出国便
Törölve : 欠航
Várható : 予定
Felszállt : 離陸した

検疫に関する注意

ハンガリー人は入国可能ですが、イタリア、イスラエル、中国、韓国、イランから帰国した場合は、当局により 14 日間の在宅検疫が義務付けられます。

その場合、以下の「赤いカード」を自宅前に貼らなければいけません。

虚偽の申告をした場合や、検疫期間中に勝手にはがしたり、当局の許可なく外出した場合は処罰の対象です。

その他の国からの帰国については、義務ではありませんが、対策本部は自宅での 2 週間待機を勧告しています。

外国人で、病院で強制検疫になった場合は、当局や医療スタッフの指示に従ってください。

これまでイラン人留学生合計 15 人が検疫時の指示に従わず、乱暴な行為などがあったという理由で、ハンガリーおよび欧州連合 ( EU ) からの退去・追放処分になっています。さらに、ハンガリーを含む EU 域内に 3 年間入国、滞在禁止です。

学校

◎ 大学 ( 高等教育機関 ) : 11 日の発表により、既に大学校舎へ立ち入ることは禁止。現在は前倒し春休み、もしくはオンラインでの授業になっています。

◎ 小学校・高校 ( 初等・中等教育 ):児童生徒は、16 日から登校禁止。オンラインでの授業になっています。 ( ハンガリー政府は digitális oktatás / デジタル授業と呼んでいます。)

ブダペスト市による措置

ブダペスト市による主な措置は以下になっています。(14 日16 日発表分)

(1) 幼稚園、保育園
16 日から段階的に閉鎖。各区に 1 か所は預かり施設を確保。

(2) 次の市立施設は 16日から閉鎖
・動物園
・温泉 ( 医師が指示した治療患者のみ利用が可能 ) = 一般市民、観光客は利用できません。

(3) 公共交通機関 ( BKV )
・バス、トロリーバスは最前方の入り口からは乗車禁止  ( 運転手の感染防止のため )
・19 日 ( 木 ) から、夏季運行スケジュールとする
・在宅が可能な市民はなるべく在宅に。移動には、可能な限り BKV 利用は避け、代替手段を使う
・そのため、市内のシェア自転車 BUBI の料金を下げる ( 1 か月 100 Ft )

(4) その他
・無料粗大ごみ回収は、延期
・児童公園(遊具のあるプレイグラウンド)はすべて閉鎖。遊具を介した接触感染リスクがあるため。( 17 日午後追記 )

無料回収!ハンガリーの粗大ごみ事情

2019.10.02

情報源 ( リンク集 )

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その他、公的機関からの情報はこちらをご覧ください。

● ハンガリー政府対策本部公式サイト
ハンガリー語
英語
● ハンガリー公衆衛生センター 市民向け問い合わせ ( 無料通話 )
英語も可
06 80 277 455
06 80 277 456
● ブダペスト市ホームページ

● 在ハンガリー日本国大使館ホームページ
( コロナ関連情報ページ )

● 日本 厚生労働省ホームページ
● 日本内閣官房ホームページ
● 日本外務省海外安全ホームページ
●    たびレジ ( 外務省 海外安全情報配信サービス ) ホームページ

● WHO ホームページ
● 欧州委員会ホームページ

ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。