おなかを壊してしまった時、日本であれば、まずはおかゆを思い浮かべるでしょう。ハンガリー人の皆さんは、何を食べているのでしょうか ? 最もポピュラーなもの、そしてちょっと変わり種をご紹介します。
よく勧められるもの
なんと言っても、főtt krumpli / フートクルンプリ、茹でたじゃがいもではないでしょうか。
ハンガリーの家庭は、本当によくジャガイモをよく買います。当地ではそれほど大事な主食。赤ちゃんの離乳食でも常連食材の一つです。( その際はピューレにします。 )
ジャガイモは皮付きのまま丸ごと茹で、その後に皮をむいてフォークなどでつぶすことが多いです。( 茹でる際、塩を加えることも )
もう一つの大事な主食
ハンガリーではパンも大事な主食。おなかに負担をかけないものとして、茹でたジャガイモ同様によく勧められます。
ですが、必ず「トーストして!」と言われます。
焼くと、消化しやすくなるためだそうです。
日本のふわふわな食パンに慣れていると、ハンガリーのものはカサカサして、あまり味がないように思うかもしれません。
もちろん、トースト用の四角いパンでなければいけないということはなく、白いパンなら大丈夫です。
一番安心なのは zsemle / ジェムレ ( 丸パン ) 。材料は、小麦粉、イースト、水がほとんど。塩、砂糖、油は含まれていても極わずかです。そのため、むしろこちらの方が、日持ちのする ( = 保存料入り ) の袋入り食パンよりも良いと思うほど。
なお、当地ではジェムレと等しくメジャーな三日月形の kifli / キフリには、牛乳が使われていますのでご注意を。
ちょっと変わり種 -ユダヤ人の古代パン
ハンガリーではもう一つ、一部の人には根強い支持を得ているものがあります。
それは macesz / マツェス ( もしくは、pászka / パースカ ) 。
マツェスは、ユダヤ人の最古のパンとして知られています。出エジプト記によれば、ユダヤ人がエジプトから脱出するとき、パンを発酵させ膨らませる時間がなく、イースト ( 酵母 ) を入れずに粉と水だけで作ったのが始まりとか。
以来、伝統的なマツェスは今でも粉と水のみ。塩、砂糖、油、保存料などは一切入っていません。
味は果てしなくプレーン。まさに、小麦粉だけ焼くとこうなるんだろうな、と言う感じです ( 笑 ) でもよく噛んでいると、どこか優しい味わいです。
考え方は同じ
以上、ハンガリーで胃腸が弱っているときによく勧められるものを紹介しました。
日本の「おかゆ」のようなものを作る習慣はありませんが、考え方は同じです。
お肉などではなく、じゃがいもや小麦など消化しやすい炭水化物にすること。また、生よりは茹でること。その他、避けるべきものも同じです。おなかに負担をかけず、かつ、栄養滋養になるものを選んで、快復につながりますように。
– 繊維の多いもの
– スパイスなど刺激の強いもの
– 油、脂っこいもの
– 冷たいもの