世界でも名の知れた温泉国ハンガリー。中でもブダペストは、温泉都市として観光客からも人気があります。今回は、 初めての方でも大丈夫!『 ハンガリー式温泉の入り方 』や『 必須アイテム 』情報満載です。また、独自の『 ブダペスト温泉マップ 』を作りましたので、ご活用ください ♪
ヨーロッパの小国は、知る人ぞ知る温泉大国
ハンガリーは、旅行ガイドブックを見ると『 世界有数の温泉王国 』などと紹介されています。まさにその通り。国内には 258 箇所もの温泉施設があります。( 2017年の統計資料 より ) 日本の面積約 4 分の 1 にあたる国土でこの数は驚きです。
* 当地には、gyógyfürdő ( ジョージフルドゥー / 103 箇所 ) と termálfürdő ( テルマールフルドゥー / 155 箇所 ) が存在。( 2017 年時点 ) 両者は、成分と水温の違いで分けられますが、どちらも温泉と訳されます。
お風呂文化の中で育った日本人の海外生活。入浴が好きな私にとって、温泉が近くにある暮らしは、想像以上に心の支えとなっています。近隣国に住んでいる在留邦人の方々も、湯を求めて当地を訪れます。
しかし、一口に温泉といっても日本のものとは異なることも。ハンガリーでの湯浴みを楽しむために 、現地事情を事前にチェックしておくことは大切です。
ハンガリー式入浴スタイル
① 入口で入浴料の支払い
入浴料を払い、 IC チップ入りの腕輪を受け取ります。( 浴場ごとに多少システムは異なります。 ) 自動改札機に腕輪のチップ部分をかざして入場。土足で入って問題なし。着替える場所まで靴を脱ぐ必要はありません。
ハンガリーの温泉は基本的に混浴のため、荷物はロッカーへ、衣類の着脱は共有の着替え用ボックス ( お手洗いの個室サイズ程度 ) 内でします。キャビン使用は、着替え用ボックスが個別で与えられ、そこに荷物を置いておけます。夫婦で行くときは、どちらか一方のチケットをキャビン使用にして、個室を一緒に使うこともしばしば。
② 裸ではなく水着を着用
10 年ほど前までは、女性は入場時に渡される薄っぺらいエプロン、男性はハンガリー版ふんどしでの入浴が主流。混浴ではかなり勇気が必要なスタイルでした。現在は、皆さん 100 % 水着を着ていますので、ご安心を。
③ 浴室へ
タオルはもちろんのこと、洗面用具を持って行く方もいます。旅の思い出に温泉内で写真を撮りたい方もいらっしゃるでしょう。 入浴中の方を無断で撮影するのは失礼ですが、浴場内へのカメラ持ち込みは禁止されていません。
④ 入浴前にはシャワーを
日本の銭湯でも同様ですが、湯に浸かる前にシャワーで全身を流します。
⑤ 髪の長い方は、お湯につからないようにまとめる
浴槽はタオルの持ち込み ✕ 。( 浴室は可 ) 布で髪をまとめるのではなく、ヘアゴムやピンでたばねてください。
⑥ 退場は腕輪を返却
施設により異なりますが、腕輪を自動改札機にかざして受付で返します。もしくは改札機に返却口があり、そこに腕輪を通して退場となります。
ブダペスト市内の温泉マップ
ハンガリー暮らしの健康手帖では、首都にある湯を独自でまとめた『 ブダペスト温泉マップ 』を作りました。地図内の各番号をクリックすると、施設の住所、ウェブサイト等をご覧になれます。在住者の皆さんや旅行でお越しの方々にもご活用いただけますと幸いです ♪
① アクインクム・スパ
② キラーイ温泉 ☆
③ ゲッレールト温泉 ★
④ セーチェニ温泉 ★
⑤ ダヌビウスホテル ヘリア
⑥ ダヌビウスホテル マルギット島
⑦ ダンダール温泉
⑧ チェペル温泉
⑨ パシュカール温泉
⑩ ラーツ温泉 ( 営業再開予定 / 日程は未定 )
⑪ ルカーチ温泉 ☆
⑫ ルダシュ温泉 ★
⑬ ヴェリ・ベイ温泉
★ … 観光向け / ☆ … 観光にもGood
14 歳以下のお子様の温泉利用は、ハンガリーでは医師の処方箋が必要とされています。子どもと大人とでは、影響が異なるとされているためです。「 子ども用温泉 」等、表示がある施設は問題ありません。14 歳以下のお子様と温泉へ行かれる場合は、事前にご確認ください。
温泉選び : 拘りのポイントは?
ブダペスト温泉マップでは、市内のおすすめ 11 施設を紹介しています。泉質は少しずつ異なりますが、基本的に『 神経痛 』や『 関節炎 』に効果があるとされています。旅の疲れを癒すにもおすすめです。
しかし、難点が一つ。日本の温泉と比べて、ハンガリーのそれは少々ぬるめ。ゆっくり長く浸かることを目的としているので、36 度前後のお風呂が多めです。地元の人たちにとっては、ちょうどいい湯加減。一方で日本人からすると、ぬるいと感じてしまうでしょう。
私はハンガリーの温泉が大好きで、全国各地でお湯めぐりをしてきました。そんな私が行先を調べる際、まず確認するのは『 湯温 』。効能も大事ではありますが、あたたかい湯に浸かりたいです。温泉選びで 38 度以上のお風呂があることは鉄則。冬は、40 度以上があるかどうかもリサーチしています。
そこで次回は、ブダペスト温泉マップの中から『 湯温 40 ℃ 以上 』のおすすめ温泉施設をお届けします。その他、冬季期間は温泉情報をどんどん発信していきますので、どうぞ、お楽しみに ♪