ハンガリーでクリスマスツリーを賢く買うための徹底ガイド ( 2 ) は、値段の目安や新鮮な生木の見分け方、家に持ち帰ってからの注意点などについてです。
シーズン最後まで楽しめるよう、買う前にぜひご確認ください。
もくじ
買う時の注意点
自分の家にぴったり合う木の種類に目星をつけたら、いざ、お買い物に。
代表的な 3 種類の比較は徹底ガイド ( 1 ) でチェック▼
2023 年の値段の目安
生木の値段は、
Lucfenyő ( オウシュウトウヒ )
↓
Ezüstfenyő ( コロラドトウヒ )
↓
Nordmann fenyő ( ノルドマンモミ )
の順に高くなります。
同じ種類でも、根付きは 根なしより 1 ~ 2 割高め。
さらに、 prémium /プレミアムや extra / エクストラ とつくと、高品質で普通のものより高くなります。
買う場所 ( 園芸店、露店やスーパーの駐車場、個人経営のファーム ) や、栽培地からどれだけ離れていて輸送費がかかったのかなども値段決定の要因に。
一概に「ここが安い」とは言えないので、時間が許す場合は、2 ~ 3 軒見て周るのがお勧めです。
いくつかの国内報道をもとにしますと、2023 年の普通タイプ、根なしの価格帯はこの程度になるようです。この 1 年もインフレは高かったのですが、生木価格は昨年とあまり変わらないとのこと。
- Lucfenyő: 4000 ~ 6000 Ft /メートル
- Ezüstfenyő: 6000 ~ 8000 Ft /メートル
- Nordmann fenyő:8000 ~ 10,000 Ft /メートル
※「メートルあたり」と言っても厳格に測るわけではなく、通常は「100 ~ 125cm」 などとざっくりしたサイズで決められています。
※ 露天商とは、価格交渉するのが一般的です。
ハンガリーで販売される生木の 8 割近くは国産ですが、Nordmann はデンマークなどからの輸入も結構あり。輸入物は必然的に国産ものよりも高くなります。
買うタイミングも重要
街がクリスマスムードでいっぱいになると家でもツリーを早々と飾りたくなるものですが、生木の場合は、あまり早く買うのは賢明ではありません。外で栽培されていたので、室内の暖かさと乾燥は大敵なのです。劣化を早める原因になります。
ハンガリーでは伝統的には 24 日に一気に飾り付けするもの。その前に買っても、テラスやガレージなど暖房のない所に置いておきます。
もっとも、すべての家庭に保管場所があるわけではないでしょう。その場合は、クリスマス直前に買うのが一つの手ですが、あまりに日にちが迫ると良質な木は売り切れ、ということもあります。その辺りは勘案して決めてください。
良質かどうか、どうやって見極める?
生木を買う際は、なるべく新鮮で良質なものにしたいですね。どうやって見分ければよいのでしょうか。
- 葉っぱをよく見る。くすんだ色になったり、黄色くなっているところなどがあれば、新鮮ではありません。
- 葉っぱを曲げてみる。すぐ元に戻るようなら新鮮、グネッと曲がってしまうなら既に乾燥している証拠。
- 木を数センチ持ち上げ、地面にトントンとしてみる。そこで葉っぱがかなり落ちるようなら違うものを。
- 切り口をチェック。野菜選びと同じで、色は鮮やかな白だと新鮮、くすんでいたら古い。またヤニが乾燥して固まっているかどうか。
※露店ではそれほどじっくりチェックできず、触ると叱られるところもありますのでご注意を。既にネットにくるまれているものは、買った後に開けてみないとわからないということも多いです。
運ぶときに車の中に入れる場合は、汚れても良い古布で覆いましょう。そうすれば車内を汚すことなく楽です。
買ってからの注意点
さぁ、ツリーをようやく自宅に運んでいました。でも飾り付けはまだ待って。
いきなり暖かく乾燥した室内に入れるのはダメです。ガレージ、物置など暖房がついていないところがあればまずそこに最低 1 日は置いておきたいです。ない場合は、家の中でもっとも涼しい玄関などでまず慣らせます。
置く場所には気をつけて
その後、ようやく室内に設置。置く場所は、暖房器具のそばや、太陽の光がさんさんと差し込むようなところは避けてください。
また、倒れず安定する位置を確保。小さいお子さんやペットがいる家庭は、手が届かないところに置くのが肝心です。
イルミネーションライトも、飾り付ける前に、電球やソケットが壊れていないか、ワイヤーが擦り切れたり裸の状態になっていたりしないかを、確認してください。
実際に国内では、毎年のようにクリスマスシーズンに、ツリーが発火元近くにあったため火事になったケースが何件か報告されています。
ツリーは、室内に入れている時間が長ければ長いほど劣化が進みます。根付きの場合は、クリスマスが終わったらすぐに室内からガレージなどに ➞ 外に置く、という逆を辿ってください。
水やりはすべき ?
生木を買ってきた際、スタンドの穴の部分やバケツなどに入れて、水やりをすべきか、ということが時々話題になります。
水やりの大原則は、木がきちんと吸ってくれるということ。吸ってくれなければ意味がないうえに、水が腐って逆に不衛生になりかねません。
栽培地から切ってすぐに持ち帰ったものなら、バケツ 1 杯くらいの水は吸い上げてくれます。ですが、路上で売られているような木は、伐採されてから既にかなり時間が経っているため、ほとんど吸いません。幹を少し切るという手もありますが、作業は大変。こうしたことから、基本的に水やりは必要ありません。
ハンガリーでは、クリスマスの飾りは年明けの 1 月 6 日の公現祭の時に片付けるのが一般的です。それまで家の中心で楽しませてくれたツリーは、きちんと処分ルールを守ればリサイクルされます。こちらの記事をどうぞご覧ください。
それでは、素敵なクリスマスをお迎えください!
Boldog karácsonyt!
≪参考にした記事≫
● Hogyan tároljam a kiszállított karácsonyfámat?
https://www.megyeriszabolcskerteszete.hu/hogyan_taroljam_a_kiszallitott_karacsonyfat
その他、記事作成にあたり、ヴェスプレーム市在住の森田友子さんからアドバイスをいただきました。 ( ご主人はモミの木ファーム経営 )
記事内写真撮影者:Ako