海外渡航が難しくなっている昨今、 家族の事情でどうしても日本へ行かなければならなかった あーちゃんさん ( 30 代、男性 ) 。日本へ行くためには、PCR 検査の陰性証明書が必要だったそうです。
ここでは、あーちゃんさんの体験談を基に、ハンガリーではどこで、どのように、いくらぐらいで検査を受けられるのか等、レポートしていきます。( 記事内の情報は、2021 年 1 月 23 日現在のものです。今後、規制が変更される可能性もありますのでご注意ください。)
本記事最後には、日本語版検査証明書の発行に対応している検査機関情報 ( 2022 年 6 月末時点 ) を追記しています。
もくじ
プライベートクリニックで PCR 検査
あーちゃんさんが選んだのは、ブダペスト 12 区にあるプライベートのクリニック。その理由は、24 時間以内で診断結果の受け取りが可能だったから。
というのも、日本では 2021 年 1 月 8 日に新型コロナウィルス拡大防止の『 新たな水際対策措置』が決定され、全ての入国者・再入国者・帰国者に対し、出国前 72 時間以内の検査証明の提出を求められることになったため。日本国籍か外国籍かは関係ありません。
出発地の空港でチェックインする際に診断書が手元になく、陰性を証明できない場合は搭乗できません。
周囲から教えてもらったいくつかのクリニックに連絡をしたのですが、なるべく早く結果をもらえて、かつ問い合わせに迅速に対応してくれた所で検査を受けることに。
では、実際の手続きや検査の流れを Q & A 式で伺っていきましょう。
検査の予約から結果の受け取りまで
Q. 予約はメール? 電話 ?
PCR 検査を予約する際は、出国前 72 時間以内に検査が完了し、必要な結果証明書が得られるスケジュールであるかどうかを、必ず確認してください。
あーちゃんさんの場合は、陰性結果自体はオンラインで受け取り可能でしたが、日本入国に必要な検査証明については再度クリニックを訪問し、医師から署名を得ました。
日曜日や祝日は検査をしていないプライベートクリニックが多いので、航空券を予約する際も曜日には要注意です。
Q. 当日の流れや所要時間は?
その後、マスクを外して指定された場所に座りました。そこへ医療スタッフがやってきて、鼻の奥まで綿棒を入れて粘液を取り、それを両鼻の穴で行いました。さらに喉からも同様に採取。
痛くはなかったのですが、涙がでちゃいました。苦笑
採取時間は 5 分程度で、かなりテキパキとした様子。あっという間に検査は終了しました。
Q. 料金は?
( Ft = ハンガリーフォリント、100 Ft ≒ 35 円、2020 年 1 月中旬現在 )
※ 現在は、公立・私的機関に関係なく、PCR 検査の 1 回の料金は、合計上限 19,500 フォリント です。詳細に関しては、過去記事をご覧ください。
Q. 結果の受け取りは?
検査から約 4 時間後の午後 2 時に「 只今検査中です 」とお知らせメールがありました。
そして同日の 午後 7 時頃に結果をメールで受け取りました。そのメールの添付リンクからサイトにアクセス。必要事項を入力すると、診断書をダウンロードできる仕組みです。
ハンガリー語版 ( チェックイン用 ) と英語版 ( トランジット用 ) を印刷しました。
その陰性結果を持って、翌日の午前中に再度クリニックへ。日本外務省が指定している検査証明を準備するためです。こちらのフォーマットも自分であらかじめ印刷し持参。
受付でそれらを渡すと、すぐに私の検査結果を診断した医師の所へスタッフが持って行きました。日本版の書類にも結果を記入してもらい、お医者さんが署名した書類を受け取ることができました。
待ち時間は 15 分程度と、これまた素早い対応でした!
≪ 2021.10.01追記 ≫ 結果は原本 ( 紙面 ) でないとダメ?
PCR 検査の結果を受け取る際に、接触機会を減らすために PDF で送信しますというところがありました。ですが、PDFで受け取ったものを提示しても問題がないかについての情報が見つからず、不安だったために調べることに。
各所へ連絡する中で、日本への入国書類が有効か有効でないかの判断は「 厚生労働省新型コロナウイルス感染症相談窓口 ( 検疫の強化 ) 」窓口 ( +81-3-3595-2176 ) に問い合わせるように言われました。
「 出国前検査証明 」の媒体として電子ファイルで提示しても問題ないですか? という問いに対して、口頭で説明を受けた結果を下記にまとめます。
提出媒体は下記のどれでも認められることとしている。
- 医師の署名、病院のスタンプが含まれる実物の「 出国前検査証明 」書 ( 紙面 )
- 有効な「 出国前検査証明 」書 原本のコピー ( 紙面 ) ※1
- 有効な「 出国前検査証明 」書 原本をスキャンした電子ファイル ( PDFか画像ファイルなど ) ※2
- 有効な「 出国前検査証明 」書 原本をスキャンした電子ファイル ( PDFなど ) の印刷物 ( 紙面 ) ※2
※1 なお、医療機関が発行した PCR 検査結果証明書や「 出国前検査証明 」の原本を手許に保管し、空港で提出したくない場合は、その旨を説明し、原本とコピーの両方を持参。その上で、最後の提出窓口ではコピーを提出することが認められるそうです。
※2 医療機関が感染予防対策として電子ファイルで発行したなど、然るべき事情がある場合。提出書類を確認する担当者からの求めがあった際に、医療機関から届いたメールの添付ファイルであることが提示できる必要があります。スマートフォン、タブレット、ノート型パソコンなどの端末で提示してください。
簡単に言えば、PDF やコピーの提示でも良い ( 但し原本でない理由が説明できなければならない ) ということです。
その他の検査場については、過去記事も合わせてチェックしてみてください。
日本への渡航前準備
コロナ禍での日本渡航で絶対に必要な追加書類は、以下の 3 つでした。
- PCR 検査の陰性証明書 ( 外務省ホームページ内に所定フォーマット有り )
- 有効な滞在許可証や再入国に必要な書類 ( 在ハンガリー日本国大使館で確認しました )
- QR コード
③ の QR コードとは、各航空会社が渡航前に送ってくる Questionnaire web にアクセスして、日本の厚生労働省からの質問事項 ( 日本語もしくは英語 ) に答えると受け取れるものです。
この QR コードは、ブダペストの空港でチェックインをする際、トランジットの際、日本到着時にも確認されたそう。
今後も日々、状況や規制は変わってくると思います。あーちゃんさんの場合は、出発の 4 日前に突然、③ に関する通知があり、急いで対応。
渡航直前まで、不明なことがある場合は必ず該当機関にお問い合わせください。
≪ 2021 年 8 月 8 日追記 ≫
日本語版検査証明書の発行に対応している検査機関マップ ( 2022 年 6 月末追記 )
在ハンガリー日本国大使館が、厚生労働省所定フォーマット対応の検査を受診できる医療機関を掲載しました。各機関の連絡先や予約方法ならびに、予約時のポイントなどがまとめられています。こちらをご覧ください。( 2022 年 6 月 20 日 )
また、大使館リスト以外に、当サイト読者の皆様がおすすめしてくださっている検査機関 ( Whitelab ) も加えています。マップ内では、ブダペスト中心地の検査所のみ表示していますが、ブダペスト市内 11 箇所、その他の地域にも検査所を設けています。お住いの地域周辺施設については、該当機関 HP をご確認ください。
2021 年 8 月 8 日に追加の読者体験談
先に帰国した友人からは、検査のために週末、週明けの便は避けた方がいいと言われていました。
ですが、乳児連れだったため、空港へ行くのに夫のサポートが必要で、そうなると仕事の都合で日曜日の便しか選べず。
週末でも結果をきちんと届けてくれる検査所をあちこち探しました。
その時、問い合わせへの返事も物凄く早く、英語版だけでなく、日本式のフォーマットへの記入も問題ないと言ってくれたところがありました。
それが Whitelab という検査施設。ブダペスト市内・近郊、他の町にもたくさん検査所を構えています。
行ってみると広い駐車場の端にコンテナがポツンと置いてありました。それを見て、ちょっと不安に。
ですが、そんな心配とは裏腹に、手際よく検査してくれました。方法は鼻咽頭ぬぐい液を使った核酸増幅検査 ( RT-PCR法 ) でした。娘も大泣きすることなく、検査してもらえました。
私が受けたのは、木曜日の午後2時。その日の夜にはハンガリー語と英語での陰性証明書がメールで届きました。
検査時の説明だと、ハンガリー語と英語版は翌日の金曜日に ( 検査から15 時間以内に ) 、日本語は土曜日に受け取れるとのことでした。
が、なんと先ほどの結果メール直後に日本渡航用陰性証明書も送られてきたんです!
検査時にスタッフに確認したら、必要な書類があるならメールで確認をお願いと言われていたので、私から連絡する前に送られてきて驚きでした。それに予約したのは 1 か月前なのに、その時にお願いしたことをきちんと覚えていてくれて感動しました。
日本式フォーマットへの記入も別途費用はなし。通常料金内 ( 19,500 Ft / 回 ) でできました。
対応も親切で丁寧。私は在ハン歴 15 年以上ですが、医療関係でこんなにスムーズにいったのは初めてかもしれません!
※ その他 2 名の読者さんからも同施設で受けて対応が良かったですとご報告いただきました。情報共有していただき、ありがとうございます。
更にお願いしたのは 2 つの点。
※ 7 月 1 日午前 0 時 ( 日本時間 ) 日本到着以降は、「 鼻咽頭ぬぐい液と咽頭ぬぐい液の混合検体 ( Nasopharyngeal and oropharyngeal swabs ) 」についても有効な検体に追加されることになりました。 これに伴い、厚生労働省指定の所定フォーマットが改訂されました。リンク先は、最新版に変更済みです。
メールを送ったのは、渡航 1 週間前の午前中。その日の午後には受付から電話がかかってきました。受付係は親切で、結果が陰性であれば、どちらの条件も OK とのこと。
さらに、検査日時も受付係と相談し、すぐに決定。私のフライトは水曜日だったので、月曜日の朝 10 時 ( 出国 48 時間前 ) になりました。事前にメールで希望を伝えていたので、スムーズにいった印象です。
メール、電話のやりとりは、私はハンガリー語でしましたが、おそらく英語もある程度は大丈夫だとは思います。