ツェークラ ( ビーツ ) を食べて元気になろう!


秋から冬にかけて、ハンガリーのスーパーではどこでも、黒っぽくてゴロゴロした野菜が積まれています。カブ? じゃがいも?

いえいえ、Cékla ( ツェークラ ) です。和名はビーツ

栄養素に優れていて、特に妊娠中、妊娠希望の方に絶賛おススメです!!

こんな根菜です

外見は土っぽい小爆弾のよう。

大きさは、小さいのから、手のひらからはみ出すほど大きいのまで様々です。

初めて切ってみて驚くのは、その中身の色。

強烈な赤紫で、皮をむいていると手にも色が移ってくるくらい。

洋服に着いてしまったら、すぐさま洗わないとなかなか落ちません。

< 2 月 24 日追記 > 記事掲載後、読者の方から「 息子の好物なのですが、食べすぎて、お尻から血が出たと泣きながらトイレから出てきた思い出が (笑) 」と。また、血尿が出たのかと真っ青になったと語ってくださった人も。ツェークラを食べた後、トイレに行ってびっくりしませんように。

味を表現するのは、とてつもなく困難です💦

カブのような生のジャガイモのような、味の抜けたたくあんのような。

生でいただくと、ちょっと土臭いと言う人もいます。( 火を通すと消えます。 )

確実に言えることは、「甘みがある」こと。

もちろん砂糖のような直接的な甘さではなく「 ほんのり 」ですが、調理するとその甘さがよくわかります。

というのもビーツは、砂糖の原料となる甜菜 ( テンサイ ) の仲間なのです。

和風の煮物を作るなら、みりんは要らないでしょう。

ツェークラの栄養

ツェークラは栄養満点!!

「 毎日食べましょう 」とまで、ハンガリーのヘルス系のウェブサイトHázipatikaは書いているほどです。

カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅などミネラルの他、ビタミンB1、B2、B6、葉酸、ビタミン Cを含みます。

むくみの解消、高血圧の予防の他、持久力アップや疲労回復などにも良いと言われています。

まさに、体の調子を整えて、元気の素となる根菜です!

特に妊娠前後には推奨

赤ちゃんの正常な発育や、お母さんの健康のためにとても大事な栄養素の一つが、ビタミンBの一種である葉酸です。

さらに、葉酸は、妊娠がわかってからではなく、「 妊娠前から 」の摂取が大事とされています。

ツェークラは、その葉酸を多く含む優秀な野菜。

ですので、妊娠中、また妊娠を希望している方はぜひお試しください!

おススメ調理法

ツェークラは生でも、また火を通しても食べられます。

ウクライナやロシアでは「ボルシチ」が有名。ネット検索すると、山ほどレシピは出てきます。

気を付けたいのは、ツェークラは他の食材まで赤く染めてしまうこと。お料理の彩を重視する場合は、そのあたりも考えてください。

ここでは、簡単パスタサラダと、ハンガリーの酢漬けをご紹介します。

超簡単パスタサラダ

その時家にあるもので。Photo by Ako

私はいつも、台所にあるものを使って、文字通り「 適当 」に作っています。

( ですので、「レシピ」と言うのもおこがましいです。 )

1 つだけポイントは、ツェークラを細い千切りにすること。

生の場合、スライスや角切りでは食べづらいからです。

これは、茹でたショートパスタに、固茹でブロッコリー、ツナ缶、コーン、オリーブの実、ツェークラとにんじんの千切りを入れただけ。

味付けは、オリーブオイルと塩コショウのみですが、乾燥オレガノを振っても美味しいと思います。軽い昼食、夕食にぴったり! タンパク質アップには、ゆで卵や、茹でたひよこ豆を加えても◎

ハンガリーの酢漬け

Photo by Ako

ハンガリーでツェークラと言えば、酢漬け ( Cékla savanyúság、または Ecetes cékla ) がおそらく最もポピュラーでしょう。

お店でも売っていますが、自分で作るとお砂糖やお酢の量を調整できるので良いです。

ポイントは、皮付きのまま茹でること。
栄養が水に漏れて行ってしまうことなく、また、皮も格段にむきやすくなります。

作り方
  1. ツェークラ ( 2 キロ程度 ) は良く洗って土など落とします。皮付きのまま大きなお鍋に入れ、被るくらいの水を入れ茹でます。大きさにもよりますが、柔らかくなるまでは最低 40 分くらいはみてください。
  2. 皮をむいて、少し厚めのスライスにします。その時、先がギザギザのナイフを使うと表面が波打って、見た目も少しオシャレです。
  3. ボウルに水 ( 1.5 リットル )、酢 ( 10 % のもの 150 ㏄)、砂糖 ( 100 ~ 150 グラム )、塩 ( 小さじ1.5 ) を入れてかき混ぜ、味をみます。これが漬け汁になりますが、好みは様々なので分量は調整してください。ここで西洋わさび ( torma ) を少し加えるのもアクセントとなり美味しいです。その他、クミン ( kömény ) や月桂樹の葉 ( babérlevél )を加えるオプションもあり。
  4. 瓶などの容器にツェークラを入れ、上から漬け汁を注ぎ準備完了。
    2 ~ 3 日すると味がしみこみ美味しくなります。

西洋わさびは、水に少しつけてから皮をむき、チーズグレーター( おろし器 ) などでおろします。 Photo by Ako

用語『 スパイス 』

2019.09.13

ABOUTこの記事をかいた人

鷲尾亜子

1997年よりハンガリー在住。日本とハンガリーでの新聞記者の経験を活かし、現在、Twitter では「 ハンガリーのニュース 」、また政治経済ニュースレター「 ハンガリー経済情報 」( 有料 ) を配信中。