ハンガリー伝統料理のコクを決めるのは豚脂などの動物性脂。でも近年は健康志向で、植物油で調理する家庭もとても多いです。さらに最近は、「 カラダに良い 」とされる特別な油も入手可能。
今回は、用語に特徴を加えた早見表です。また、中華料理に便利なオイル、ハンガリー食文化に深く根付く「 ジーロシュ・ケニェール 」についても掲載しています。
基本情報 お店のどこに ?
油、脂を売っている場所は、3、4 か所に分かれています。
・植物性の油 ( オリーブ油、ひまわり油など ) : 通常、お酢と一緒の棚で販売。占領スペースはかなり大きいので、すぐわかります。
・動物性の脂 : 冷蔵コーナー。バターは乳製品 ( チーズ、牛乳など ) のそばに。豚脂、ガチョウ脂などは肉加工品近辺にあります。マーガリンは植物性ですが、日本と同様にバター代用品という位置づけのため、バターの近くです。
・最近注目の油 : ココナッツ、亜麻仁 ( アマニ ) 、米油など、「カラダに良い」と出回る商品は、健康食品コーナーで見つかります。( 一部は一般植物油の棚でも )
・エスニック系の油 ( ごま油など ) : お店により、通常の植物油の棚、健康食品の棚、エスニック食品の棚、とまちまちです。
植物性油
☆ 輸入品も多いので、表のラベルは英語、イタリア語、ドイツ語という場合もあります。その場合は、裏にハンガリー語表記があります。
植物油とその特徴
● ナッツ系のオイル、亜麻仁油など、最近効能がもてはやされているのは、日本もハンガリーも同じです。
ただ一方で、アレルギーが出る、大量にとるとお腹が緩くなる、気持ち悪くなる、といった例も取り上げられています。摂取する場合は注意してください。日本厚生労働省「統合医療発信サイト」では、研究で明らかになっていること、安全性などが記載されています。
● 日本で脚光を浴びている《 えごま油 》は、ハンガリーで見かけたことはありません。また、《 紅花油 》もないです。見かけたことがあるという方は、ご一報ください !
味付きオイル
その他、油には味付き、風味オイル ( ízesített olaj / イーゼシーテット・オラィ ) が販売されています。自宅でも作れますが、市販品を使ってお料理するのも手軽です。
・Bazsalikomos- バジル入り
・Borsos- コショウ入り
・Fokhagymás- ニンニク入り
・Fokhagymás-chilis- ニンニク & チリ入り
・Kapros- ディル入り
・Rozmaringos- ローズマリー入り
・Szarvasgombás- トリュフ入り
・Vöröshagymás- 玉ねぎ入り
Wok は中華鍋のこと。まさにそうした料理向けオイルです。ドイツからハンガリーに輸入されており、Wok Öl と表示されていることも。
成分は植物油に、にんにくと生姜の香料を添加。
うちでは、チャーハンを作るときに重宝しています。
また、お味噌汁にちょっと垂らすと風味が増加。少し多めに垂らすと味噌ラーメンの汁のようにもなります。
動物性脂
Zsíros kenyér / ジーロシュ・ケニェールは、パンに脂を塗った昔ながらのシンプルな食べ物。それにスライスした紫玉ねぎ、塩、パプリカ粉をのせるだけ。
最高級品はやはりガチョウ脂ですが、普段はもっぱら豚脂やバター。
小腹が減ったときにいただく他、一昔前ではパブによくあった一品です ( 強いお酒から胃を守り、お腹も満たされるとか )。
ハンガリー人誰しもが、子どもの頃からの思い出から始まり、好みを持っているもの。やれチーズをのせるとか、お砂糖を振りかけていたとか、語り出したらなかなか止まりません。
幼稚園や小学校の間食 ( たいてい 10 時、15 時頃 ) には、今でも、よくパンにマーガリンだけ塗ったものがでてきます。