5 月 ~ 6 月に咲く小さな白い花 bodzavirág ( ボッザヴィラーグ ) 。夏が近づくとハンガリーでは、このハーブを使ったシロップを手作りするご家庭も。炭酸水で割ったり、レモネードに入れると抜群に美味しくいただけます。今回は、そのシロップのレシピと健康効果をご紹介します。
花香るレモネード
Bodza ( ボッザ ) は、ニワトコ属のこと。 Virág ( ヴィラーグ ) は花の意味です。 Bodzavirág ( ボッザヴィラーグ / 以下、ボッザ ) の日本語名は、エルダーフラワー。 ※ この名前を聞くと、ご存知の方も多いのでは?
※ 当地で Bodza と呼ばれているものは、基本的に Fekete Bodza ( セイヨウニワトコ ) を指します。
ハーブティとして人気がある薬草です。当地では、このボッザシロップ入りのレモネードも広く親しまれています。
シロップなので甘そうに思われますが、レモンやオレンジの酸味と合わせると、ちょうどいいハーモニー ♪ 甘酸っぱさの中で、ほのかに優しい花の香りが鼻に抜けていきます。スッキリした味わいで、どこか穏やかな気持ちになれるドリンクです。
自宅だけではなく、レストランでも提供しているところが多いので、観光で来られた際にもいただけます。その際は、Bodzalimonádé ( ボッザリモナーデー ) をご注文ください。
読者投稿!シロップの作り方
今回は、15 歳でハンガリーに渡った坂東菜穂子さん ( 40 代、女性 ) のオリジナルレシピをご紹介します。自家製ボッザシロップは、彼女のお子さんたちもお気に入り。ハンガリーで教わった作り方に毎年工夫を加え、甘すぎない爽やかなシロップを手作りしています。
細かな作業になりますが、房から 1 つずつ花を摘んでいきます。虫が入らないように、なるべく細かくちぎるのがベター。
しかし、本当に1つずつ花を摘むのは、かなり骨の折れる仕事です。ブロッコリーのつぼみを調理する感覚に似ているところがあるので、そこは根を詰めて摘む必要はないです。私は、「 茎はなるべく入らないように 」ぐらいの心構え。この量だと所用時間は、だいたい 30 分ほどです。
先に砂糖を入れると鍋の底にたまってしまうので、最後に投入しています。火にかけたりもしますが、私は基本的に火は使わず、少しずつ溶かしていきます。
砂糖の代わりにはちみつを使う方も。選んだはちみつによっては、そちらの味が主張しすぎてしまうこともあるので、花の存在感を残すにはグラニュー糖がベターです。
皮ごと食べられるフレッシュなレモンを2個分ほど輪切りにして浮かべます。
残った砂糖漬けレモンは、甘酸っぱくて美味!夏バテしそうなときにはもってこいのおやつにもなります ♪
家庭によっては、ボッザとレモンを一晩漬けて置いたものを濾し、そこに熱した砂糖水を加え混ぜることもあります。濾すときは、相性がよくない金属製のフィルターは使わない方がよいそうです。
飲むとどんな効果がある?
利尿、発汗作用があり、そのデトックス効果は注目されています。
入浴前にボッザ入りの温かいドリンクを飲むとより効率的に発汗できるそう。そのため、減量時に使われることもあります。
その他、消化器系や呼吸器系の疾病にも良いとされています。
例えば風邪をひいた時、ハンガリーでは解熱、咳止め薬の役に。鼻炎や鼻づまりの際は、気道をきれいにし、痰 ( たん ) を吐き出すことを助けます。また、新鮮な汁やジャムは結核の治療にも優れているようです。
飲む以外にも、麦粒腫 ( ばくりゅうしゅ ) 、通称ものもらいになってしまった時にも役立つのだとか。利用法は簡単です。ハーブを漬けてキレイに濾した水で目を洗うだけ。シロップでは洗わないでくださいね。
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分量はといいますと、『 水 2 ℓ :砂糖 1 kg 』程度。ハンガリーのレシピだと『 水 1 ℓ : 砂糖 1 kg 』の割合だったりしますが、甘すぎるのと健康に気を使って、甘さは控えめに。
日本人の私にとっては、さっぱりしていていい感じの比率です。