言葉の知らない外国のスーパーに行って、「 いったい何の食べもの? 」となることはありませんか? 肉の部位は、その代表例。私自身、最初はチンプンカンプンでした。
当サイトでは豚、トリ、牛その他に分けて、部位を紹介していきます。また、ハンガリーならではの習慣の違いや、個人的な失敗談についてもお伝えします! 今回は鶏肉を含めたトリ類編です。
鶏だけではない、豊かなトリ肉文化
ハンガリーで最もポピュラー般的なトリ肉は鶏 ( ニワトリ ) 。
でも、他のトリも、よくお目にかかります。加えて肥大肝臓 ( フォアグラ ) や脂など、その文化はとても豊かです。トリ類 ( Szárnyasok、Baromfik ) をまとめましたので、ぜひいろいろ試してみてください!
Pulyka ( プィカ )・・・七面鳥 鶏肉に次いで一般的。どこのスーパーでもたいてい売られています。
お値段は鶏より同程度、お味は鶏によく似ています。調理方法も鶏肉とほぼ同じと考えて大丈夫です。ただ、パサつき気味のため ( 特にムネ )、煮込みの方が失敗なく仕上がります。
Liba ( リバ )・・・ガチョウ 1 年を通して購入可能ですが、特に、聖マルトンの日 ( 11 月 11 日 ) 前後にいただく習慣があります。その際は、その年に収穫されたワインとともに。
Hízott libamáj ( リバマーィ=ガチョウの肥大した肝臓 ) はフォアグラのことで、ハンガリーは一大生産地。当地でも高級食材ですが、日本よりかなりお手頃価格でいただけます。
また、Libazsír ( リバジール = ガチョウ脂 ) は、旨味やコクをぎっしり含んだ高級脂で、そのままパンにつけたりします。
Kacsa ( カチャ )・・・アヒル 肉部分も肥大肝臓 ( Hízott Kacsamáj ) も、ガチョウとよく似たお味ながらも、やや安価です。家庭で料理、となればこちらの方がおススメ。
Fácán ( ファーツァーン )・・・キジ 飼育ではなく、猟で仕留めるもの。いわゆる「 ゲーム肉 」に分類されます。そのため最高級という位置づけ。
ちょっと洒落たレストランならば、秋になるとメニューに加えるという粋な計らいをします。筋肉が発達していて無駄な脂肪分が少なく、しっかりした味。ただパサパサしがちなため、そこはシェフの腕の見せ所です。
部位のハンガリー語
「 ささみ 」がない!
食用肉のカット方法は、各国で微妙に違うようです。例えば、日本でお馴染みの「 ささみ 」は、ハンガリーではありません。
ではどこに ?
当地ではムネ肉とくっついたまま売られています。
その他、モモ肉は骨付きが基本。日本のように骨が抜かれたフィレ状態はほとんど見かけません。( 2024 年 5 月追記:最近では、フィレ状態で売られているのも見かけることが多くなりました)
鶏肉は、重さではなく、「 モモ 3 本 」、「 ムネ 1 枚 」と個数 ( darab ) でお願いすることも多いです。
通常は、次のように言います。*言い方は他にも沢山あります。
– Hat ( darab ) csirkecombot kérek ! ( 鶏もも肉を 6 本ください ! )
私の失敗談。モモはモモだけど
もう何年も前の話ですが、普通のモモ肉 ( Csirkecomb ) に見えた部位が売られていました。それが、いつもよりかなりお安い! しかも、ものすごく大きくて立派でした。迷わずたくさん買ったのは言うまでもありません。
ところが、家で開けてみてびっくり。「 立派なモモ 」に見えたのは、単に、脚付け根部分に丈夫な骨がしっかりついていたから。
慌てて値札を見直すと、” Csirkecomb farrésszel “ ( * )と書かれていました。
far はお尻、rész は部分。つまり、「 お尻部分つきモモ 」ということです。ただ、「お尻」と言っても、肉部分はわずかで、骨・皮・脂ばかり。なんだか騙されたような気分になってしまいました。
その骨を外すのがまた大変で、調理前には断念。結局、安物買いの銭失い ( ? ) になってしまいました。皆さんもどうぞご注意を。 ( スープの出しには、お尻も骨もいい仕事をしてくれます。間違えてしまったら、そちらでの利用を考えましょう! )
* ” Pecsenye csirkecomb ” と書かれていることもあります。