ハンガリーで白や色の薄いものを洗濯していると、だんだんくすんできてしまいがちです。 ここでも犯人は硬水 ?
管理人 2 人で「 いつもどうしてる ? 」という話になりましたが、決定的な解決策は見つからないまま。そこで、読者の方々に伺うことにしました。
今回は、白いモノを白いままに保つためのコツ、そして全般的に洗濯上手になるためのアレコレ。皆様からいただいたお知恵を交えながらお届けします。
一般的な対策
まずは、ハンガリー人が洗濯する際の必須アイテムと鉄則をご紹介します。
当地の水は硬いため、軟化剤を入れるのが一般的。形状は、粉末、タブレット、液状のどれでも入手可能です。
ブランドでは Calgon、Csillag ( Biopon )、domol、Lanza などがあります。
軟化剤を使用する理由は、1 つには、洗濯機でライムスケール ( 水垢 ) が付着して故障するのを防ぐため。
もう 1 つは、軟水化して汚れを落ちやすくするためです。
理想的には
① 白いもの
② 色の薄いもの
③ 色の濃いもの
と、3 つのグループに分けます。
( ① と ② は一緒という家庭もあります。)
日本でも色による仕分けは稀ではないと思いますが、ハンガリーでは、「 鉄則 」として語られることが多いです。
というのは、通常、洗濯機の水温を 30 度、40 度以上に設定するから。 ( そうでないと汚れが落ちないと信じている人が多いのです。)
でも、水温を上げれば、色物は色落ちリスクが増大。そのため、白物はぜひ分けてください !
閑話休題 --「 カルゴン 」と呼ばれた男
以前、知り合いの駐在員さんで「 カルゴン 」と呼ばれている方がいました。
「 なぜそんなあだ名 ? 」と思いきや、ハンガリー赴任後、最初の 1 か月くらいの ( 悲壮 ) エピソードからでした。
単身赴任だったため、洗濯もご自身ですることに。
まずは、洗剤を買わなければなりません。慣れない外国のドラッグストア。手に取ったのは、” POWER powder ” と書かれ、確かに一番パワフルに洗えそうな感じだった Calgon ( カルゴン ) でした。
実はこの商品、洗剤ではなく水の軟化剤。パッケージからすっかり勘違いしてしまったそう。
そうとはつゆ知らず、週末になると Calgon でじゃんじゃんお洗濯。しかし、洗濯するごとにワイシャツはくすんだ色になっていきます。
「 あれ、洗剤が足りないのかな ? 」と思い、さらに多めに投入。→→ ますます 灰色化スパイラルに。
このままでは全ワイシャツ買い替えの事態になってしまう !! いったい何が原因 ? 危機感や焦燥感マックス状態となり、ある日、会社で聞いてみることに。
現地職員さん: 「 え、Calgon で洗っていたんですか !? 」
そこで笑いが渦巻いたのは言うまでもなく。このエピソードは社内で瞬く間に広がり、以来、Mr. カルゴンという称号を授かったとのことでした。
多ければいいというものでもない
Mr. カルゴンのエピソードは笑い話ではありますが、同時に、とても大事なことを示唆しています。
つまり、世の中には「 適量 」というものがあり、洗濯する場合も然り。
軟化剤は、沢山いれれば良いというわけではないのです。図らずも、身をもって証明してくださったカルゴンさんには感謝です !
また、洗剤、柔軟剤も同様。多すぎると、逆に洗濯槽や投入口の中に残って、後述するカビの原因にもなりかねません。
「 多すぎるのはダメ 」というのは、洗濯槽に入れる衣服の量にも当てはまるよう。あまりに詰め込みすぎると、汚れ落ちが悪くなると言われています。
黒ずみの真犯人はカビ ?
今回、この記事を作成するにあたり、当サイトでは Facebook のアカウントで、 読者の方々のお知恵を募りました。
その中で興味深かったのは、カビの徹底予防が重要というご意見。
洋服の色がくすみやすいのは、なにも水の性質のせいだけではないようです。
洗濯槽や投入口に付着した「 黒カビ 」が水に入ってしまうからという説はかなり有力。また、カビは匂いの原因にもなります。
N さんからは、次のようにご指南いただきました。
「 色が黒ずむのは洗濯槽の黒カビなので、洗濯槽洗剤を使うと良いですよ。
( 中略 ) 洗濯したら洗剤トレーを洗ってゴムパッキンを拭いて、扉は開けっ放しです。
洗濯槽洗剤使ったら中に残っている水も排水しています。黒くてなんか怖い。 」
カビの発生を抑えるためには、「 水温を上げすぎない 」ことも重要。水温 40 度で洗濯槽がやんわり温まり、洗剤、柔軟剤が加わると、カビにとっては最高の環境になるらしいです。
そのため、N さんは、冷水で洗っていらっしゃるそう。海外駐在生活が長い H さんも冷水派。「 海外の洗濯機は高温で洗うので、黒ずみやすいと聞いたことがあります。今は、エコ設定 ( 20 度 ) で洗っています。」とのことでした。
汚れがひどいときは、水温を上げるのではなく、「 つけ置き 」してみるのも良いかもしれません。
読者の方々の知恵結集 !
その他、読者の方々からは、白物の洗濯から全般的なことまで、以下のように様々なコツを教えていただきました。
これは、複数の方からコメントがあり。
お酢 ( ecet ) はスーパーで売っている数百フォリントの調理用でOK。
また、重曹 ( szódabikarbóna ) は通常、お店では製菓材料の棚に並んでいますが、洗濯専用で “mosószóda” というのもあります。
両方とも、汚れ、黄ばみ、においを落とすことに加え、洗濯槽をきれいにする効果もある天然パワーの代表格です。
M さん ;
「 うちはもっぱらベーシックな物しか使いません。
エコの洗剤、お酢 ( 緑色のボトル ) と重曹で、色の濃い物は水で、薄い物は 30 度で洗っています。( 中略 ) 洗剤、酢、重曹は汚れがひどい衣類 ( 子供服、キッチンタオルなど ) に。
洗剤と重曹は洗濯機のトレー、酢は直接衣類に入れます。量は酢も重曹も カップ 1 / 4 ぐらい。( でもとってもアバウトです ! ) シミがとれない時は、重曹と酢に一晩つければ大体おちます。」
E さん ;
「 私、最近毎回お酢を入れて洗ってます。
量は適当ですが手が滑って約 3 kg の量に 40 – 50 ml くらい入っちゃう時も。( 入れ物からそのまま適当に入れるので。😆 )
プラス柔軟剤も入れています。タオルはフワッフワまで行きませんが、洋服によっては柔らかさの違いがすぐわかります。」
U さん ;
「 私もお酢を使っています。匂いが気になる場合はクエン酸 ( citromsáv ) お使いになるといいと思います。 」
※ 天然モノでは、塩を少々洗濯機に入れるケースもあります。
最近、日本でかなり出回ってきているようです。
ヨーロッパでもネット購入できますが、ハンガリーの店舗で見かけたことはまだありません。
Y さん ;
「 普段の洗濯と赤ちゃんのものは洗剤も柔軟剤も使わず、マグネシウムのみで洗っています。日本で買ったものですが。
洗い上がりはゴワゴワがなくなってしっとりして、私は気に入っています。」
見た目の白さを増す効果がある「 蛍光増白剤 」が入っており、ハンガリーでは「 白くするティッシュ ( “fehérítő kendő” 、 “Textilfehérítő kendő” ) 」と呼ばれています。
関連して、漂白剤は通常、 “fehérítő” と言います。
L さん ;
「 ドラッグストアで売っている色移りを防ぐティッシュのような商品、重曹、水の軟化剤、全部入れています。 」
【 その他 】
● コーンスターチ?
S さん ;
「 昔、帯同奥様仲間から洗濯物のくすみには、コーンスターチ入れて洗うと良いよと聞いたことがあります。
私は洗濯機詰まりそうで怖くてやったことはありませんが💦 」
● ネット 2 枚重ね
管理人パートナー友里さんは、下着などデリケートな衣類は、洗濯用ネットを 2 枚重ねているそう。
そうするとネットの方が黒ずみ、中の衣類への吸収が抑制される感じ、とのことでした。( あくまでも主観的感想です。)
◇ ◇ ◇
コメントをお寄せくださった方々、有難うございます。
当地での洗濯名人を目指し、私自身もおおいに活用させていただくと同時に、皆さまのお役に立てれば幸いです。
また、現在、私はハンガリーで出回り始めているクルミのような 「 ムクロジ ( mosódió ) 」を家で試しているところです。 そのレポートは改めて掲載いたしますので、どうぞお楽しみに !