女性にとって、生理痛はつらいですね。飲み慣れた薬を日本から持参するかどうか、生理用品と同様に迷うところ。ハンガリーでは、あいにく日本と同じ商品名の薬はほぼありません。でも心配しないでください ! 主成分が同じものなら沢山あります。今回は、処方箋なしで買えるお薬のご紹介です。
生理用品に関してはこちらの記事をご覧ください。
肝心なのは主成分 !
生理痛薬を選ぶ際、まず注目していただきたいのが主成分。例えば、日本ではお馴染みの「 イブ A 」。主成分は「 イブプロフェン 」です。
ハンガリーでは “ EVE A ” はないですが、イブプロフェンを用いた Algoflex、Advil ならばどこの薬局でも置いてあります。
生理痛や頭痛、歯痛、解熱のための代表的な成分には、次のようなものがあります。これらはステロイドを含まない「 非ステロイド性抗炎症薬 ( NSAIDs ) 」と呼ばれ、日本でもハンガリーでも一緒です !
・アセチルサリチル酸 ( アスピリン )
・ナプロキセン
・パラセタモール ( アセトアミノフェン )
では、ハンガリーではどんなものがあるの ? ということで、主成分別に、ハンガリーと日本の商品についてまとめてみました。
生理痛を和らげる市販薬 日ハン 比較 (代表的な例)
・同じブランド名、同じ主成分でも「 弱め 」「 強め 」など含有量が異なることがあります。また、他の成分 ( 無水カフェインや、痛みの伝わりをブロックするエテンザミドなど ) が配合されていることも多いです。
・さらに複雑なのは、同じブランド名でも主成分が異なる場合。( 例として、バファリン A の主成分はアスピリンですが、小児用バファリン CII はパラセタモール、女性向けバファリンルナiはイブプロフェンとパラセタモール。) 正確な成分は、使用説明書でご確認ください。
・子どもには、安全性への配慮から、通常はアスピリンやイブプロフェンではなく、パラセタモールが使われています。
重い生理痛のとき
ここまで「 名前は違うけど主成分が同じ薬 」をご紹介しましたが、ハンガリーにはないものもあります。それは、日本では鎮痛効果が高いと言われる「 ロキソニン S 」。この主成分ロキソプロフェンもNSAIDsの1種ですが、これを使った大衆薬は、ハンガリーでは今のところ販売されていません。
逆に、「 日本では聞いたことないけれど、ハンガリーでは一般的 」という薬には、Cataflam ( カタフラム ) があります。当地の婦人科の医師も処方することが多いです。
Cataflam の主成分は、ジクロフェナク ( diclofenac、これもNSAIDs ) 。炎症を抑えて、腫れ・痛みの症状を緩和する効果があります。日本では、重めの「 月経困難症 」用の薬としてボルタレン ( Voltaren ) の名を聞かれた方もあるかもしれませんね。実はこの 2 つ、主成分は同じです。
ご留意いただきたいのは、日本国内では、ボルタレン飲み薬は処方箋が必要で、市販薬ではないこと。他の NSAIDs と比較して高い効果が期待される反面、胃への負担も大きく、胃痛、下痢などの副作用出現率も上昇するということでしょう。 ( 副作用が実際に出るかは、個人差があります。なお、日本の「 ボルタレン錠 」はジクロフェナク 25 mg 、「 ボルタレン SR カプセル 」は同 37.5 mg。)
私の場合は、頭が痛いときはアスピリン系、下腹部が重く痛むときは Cataflam と使い分けています。以前は処方箋が必要でしたが、現在は Cataflam Doloという処方箋なしタイプが購入可能。同じジクロフェナクを使っていますが、1 錠あたりの含有量は 25 mg と処方薬の半分です。ハンガリーで同様に薬局で買える Voltaren Dolo も同じ成分で 25 mg ですが、お値段は 2 ~ 3 割高め。( 12.5 mg 版もあり )
Cataflam Dolo と Voltaren Dolo は、最初の項で挙げたイブプロフェン、アスピリン、パラセタモールなどがあまり効かない場合は、試してみるのも良いかもしれません。
重い生理痛向けの市販薬 日ハン 比較 (代表的な例)
最後に、服用の際は、副作用リスクを最小限に抑えるためにも、きちんと用量、頻度など守りましょう。持病のある方、アレルギーのある方、また、小柄な方も効きすぎる場合がありますから、十分ご注意ください。
また、症状が緩和しない場合は、薬が効かないからではなく、他に問題を抱えていることもありえます。その様なときは、医師に受診してください。いろいろある中、ご自分に合うものが見つかりますように。