突然の事故や病気に備えた『 緊急通報アプリ 』のサービスが始まりました。ダウンロードは無料で、登録料もなし。現地の言葉がわからなくても、もしもの際に、ボタン一つで通報が可能になります。アプリのダウンロードと登録方法、また通報以外にどんなことができるのか、徹底解説します。
アプリで緊急通報できるように
緊急通報アプリの名前は『 Életmentő ( エーレトゥメントゥー ) 』。その意味は、ライフセーバー ( 救急救命士 ) です。
2019 年秋には開始予定でしたが、少し遅れて 2020 年に入り、スタートしました。
Vodafoneと提携してのサービスですが、その他の通信会社と契約している方も利用できます。
また端末は、アンドロイドや iOS、AppleWatch もOK です。( 追記:端末の居住国登録が、ハンガリー以外の国になっている場合は、当該アプリのインストールはできないようです。iPhone で居住国設定が日本のままという読者からの情報です。 )
アプリに登録しておけば、緊急時に、ボタン一つを長押しするだけで救急車を呼ぶことができます。
また GPS ( 全地球測位システム ) 機能と合わせて利用するため、発生現場をピンポイントで知らせることが可能となります。
ダウンロードと登録手順
アプリは、ハンガリー語もしくは英語で利用可能です。ここでは、英語版での表示を優先して掲載しています。
① ダウンロード
まずは、お使いのスマートフォンにアプリをインストールします。
携帯電話の言語をハンガリー語にしている方は、登録案内はハンガリー語です。英語の方がよい場合は、スマホの言語設定を予め英語にしておきましょう。
利用規約は必ずご自身でお読みいただき、その内容に同意した上で、次に続く登録に進んでください。下図・右の日本語説明は、当サイトが皆さまの利便性を考え要約したものであり、全文ではありません。
② 登録
当サービスを使うには、氏名と電話番号の提示は必須です。特に電話番号入力の際は、情報に誤りがないかチェックしてください。( 後ほど、本登録に必要なコードが SMS / ショートメッセージサービスで送られてきます。)
登録完了の表示がでるかどうか確認してください。( 登録が完了しなければ、こちらのアプリは利用できません。)
緊急時に備えて、必要最低限の MY PROFILE ( 自分のプロフィール ) は設定しておきましょう。
特にコミュニケーション言語は、選択しておくのがベター。こちらは、アプリ内の言語 ( 表示と音声アナウンス ) とは異なります。現場の医療スタッフとのコミュニケーション時のことです。
まずは「テストモード」でトライ
自身の情報を記入できたら、準備は終了です。でも、万が一の時に初めて使うのは不安がありますよね。
その場で困惑しないように、アプリを試せる『 test mode ( テストモード ) 』があります。ハンガリー語でご利用の場合は、『 test üzemmód 』。
プロフィール情報の入力が終わったら、画面下にあるアイコン『 ALARM ( アラーム ) / VÉSZJELZÉS 』を押し、通報ページへ。
ディスプレイ真ん中に『 MENTŐK 』と書かれた赤いアラームボタンが出てきます。この段階では、まだ本番モード!試しに押さないようにしてください。
テストモードに切り替えるには、画面右上の『 Turn on test mode 』をクリック。
こちらを ON にすると、呼び出しボタンの表示がオレンジ色で『 TEST 』になります。この画面になっている場合のみ、テストができます。
『 TEST 』ボタンを 3 秒ほど長押し。すると、ドキッとするようなアラーム音が鳴ります。そして 5 秒間のカウントダウンがスタート。
表示には「 5 秒以内であればキャンセルできる 」と出てきますが、これは本番モードを模したもの。キャンセルしなくても誤通報はしませんので、ご安心を。
テストの場合は、5 秒後にピロンとメール着信のような音がして、「テストは成功でした!」というメッセージが現れます。
その後、テストモードを外すと、下のような画面へ。
ボタンの表示は、再び赤丸の『 MENTŐK 』に代わり、緊急通報ができるようになります。
アプリを使う前には、スマートフォンの GPS 機能をオンに。そうでないと、画面がフリーズしてしまうことが何度かありました。
スムーズに動かない場合は、すぐに 112 ( 救急、消防、警察に繋がる ) もしくは 104 ( 救急 ) に電話してください。
テストモードでもあったように、誤って押してしまった場合は、5 秒以内にキャンセルを。
ただ、テストモードを解除しておかなければ、もしもの際に通報ができないので、ご注意を。
簡単に通報できてしまうため、小さなお子さまが間違って押してしまわないように気をつけてください。
日常でも役立つ便利機能
緊急通報以外にも便利な医療ガイド付き。例えば、様々な症状に合わせた応急処置法を紹介しています。( 心肺蘇生は、絵を添えた解説あり )
これらのアイコンを押しても、間違って通報してしまうということはありませんので、ぜひいろいろと見てみてください。
さらに優れているのは『 LOCATOR ( ロケーター ) 』の機能です。( ハンガリー語:HELYZETMEGHATÁROZÁS )
現在地情報を発信すれば、近くにある病院や薬局の情報が瞬時に得られます。
また、AED ( 自動体外式除細動器 ) がどこにあるのかもマップで示しています。ご自宅周辺の医療状況を確認するにも便利です。
事故や急病にならないことを一番に願っていますが、もしもの時に備え、在留邦人の皆さんにもご活用いただけますと幸いです。