朝晩ぐっと冷え込む冬。寒さ本番を迎え、風邪やインフルエンザなどの感染症が流行る季節の到来です。しかしながら、外国で病院に行くのは、不安で気が進みません。お医者さんのところへなるべく行かなくて済むように、風邪にかかりにくい生活を送りたいところ。手洗い、うがいはもちろんのこと、ハンガリーでは大自然を感じる 〇〇 を使った鼻洗いが推奨されています。
( 2019年1月23日掲載の記事を、新型コロナウィルス情報など加え、2020年1月29日に更新、再編集しています )
新型ウイルス症例はなし、インフルが流行
中国・湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染が世界で拡大中です。
欧州も例外ではなく、フランスとドイツで 4 人ずつ確認されています。( 2020 年 1 月 29 日現在。米ジョンズホプキンス大学では、下図のようにリアルタイムの感染マップを公開しています。 )
ハンガリーは今のところなし。ただし、政府は、感染が疑われるケースが発生した場合、どこの病院でも受け入れ態勢は万全としています。
実のところ、国内で今、多いのは、インフルエンザ患者なのです。
毎年 1 月になると流行し始めますが、今年も例外ではありません。
国立公衆衛生センター※によると、1 月第 4 週にインフルエンザ症状を訴え受診した人は 1 万 7464人。前週を 41.2 % 上回りました。
また、人口 10 万人あたりでは 179 人に相当し、「流行」と公式に判断される基準の143人を突破。
※ 国立公衆衛生センター : Nemzeti Népegészségügyi Központ ( NNK ) / 旧 Országos Közegészségügyi Intézet ( OKI )
現在、確認されているのは、インフルエンザ A 型。下記の全身症状が突然現れるのが特徴です。
悪寒・戦慄 ( せんりつ )
頭痛
鼻水・咳 ( 呼吸器系に症状 )
関節痛 ( 手足の痛み )
特に感染が増えている地域は、首都ブダペスト、ペシュト県、ジュール・モション・ショプロン県 ( 北西部 ) となっています。
年齢層別では、0 歳 ~ 14 歳が 33%、15 ~ 34 歳が 36.1 %。学校や職場など、人が多く集まるところで広がっています。
インフルエンザの予防には、こまめな手洗いと、うがいが基本。そして当地では、これからご紹介する鼻洗いも効果的と言われています。こうした衛生管理は、新型ウィルス予防でも有効とされています。
マスクをつけたいけれど …
日本では感染症対策には『 マスク 』が必須アイテム。しかし、当地では奇妙に見られがちです。なぜでしょうか。それは、“ 医師や看護師がつけるもの ” というイメージが先行してしまうから。一般的に “ 風邪予防のためにマスクをつける ” 習慣はないのです。
移住して初めての年、こんな事情は知らずにマスクをつけて大学院へ登校。すると周囲は「 病気でしょう ? なぜ授業に来たの ? 」と驚いたことを思い出します。ハンガリーでは、日常生活の中で使うことはめったにないのです。
では、当地での生活でどうやって病気を未然に防げばよいのでしょう?
✔ 外から戻った後には、うがいも忘れずに
✔ 身体を冷やさないようにする
✔ 十分な睡眠をとる
✔ しっかり水分をとる ( 喉を保湿する )
そして、エチケットとしても咳やくしゃみをする場合は、口と鼻をティッシュや手で覆う
毎日の生活の中で、既にこれらのことには気を付けている方は多くいらっしゃることでしょう。
さらにこの国で勧められるのは、『 鼻洗い 』。日本でもしますので、それほど驚くことではありません。しかし、その方法は少々違います。
それは、風邪気味だったある日のことでした。早めに診てもらって薬をもらおうと思い、家庭医のところへ行きました。そこで医師が勧めたのは、薬ではなく『 海水 』!
「 “ 海水 ” で鼻を洗って。帰りに買ってね。 」とびっくりなアドバイスをいただいたのです。本当に海の水を販売しているの?と半信半疑で薬局へ。
「 鼻を洗う Tengeri víz ( テンゲリ ヴィーズ / 海水 ) をください。 」と頼むと薬剤師さんが出してきたのは PHYSIOMER ( フィジオメア ) のボトル。イギリス海峡に面したフランス北西部サン・マロ ( Saint-Malo ) の海岸で集めた 100 % ナチュラルな海水が入った製品です。
日本でも塩水で鼻洗浄は聞いたことがありますが、本物の海水を使うのは初めて。
サン・マロ湾と言えば、世界遺産にも登録され、その美しさで名高い修道院がある小島『 モン・サン=ミシェル 』が浮かんできます。
サン・マロは、その並外れた潮汐が特徴的。それにより、ユニークな生態系を守っています。その海水は、単なる食塩水とは違い、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛、セレニウムなどのミネラルを豊富に含んでいるそう。塩の殺菌作用だけでなく、ウイルスで傷ついた鼻粘膜の修復を助ける働きも期待されています。
医薬品生産と同様に、厳しい国際基準で製品化しています。100 % 天然といっても、海水を直接ボトルに詰めているわけではありませんので、ご安心ください。
沖で集めた海の水を製薬工場へ運び、プランクトンや砂などの不純物を取り除きます。そのままでは塩分濃度が非常に高く、鼻の粘膜を刺激する可能性があります。そこで、特別な処置を施してミネラル成分は変えずに塩の割合を下げているのです。
自然の産物を利用した PHYSIOMER は、風邪、鼻炎、インフルエンザやアレルギーを効果的に予防、治療するのに役立つ鼻洗浄スプレーなのです。
赤ちゃんから大人まで手軽にできる鼻洗い
では、使用方法を動画でご覧ください。小さな男の子が上手に鼻を洗っています。
磯の匂いがする?海水だから沁みて痛い?などなど、使う前は非常に抵抗がありました。が、あら不思議!違和感は全くなし!強すぎず弱すぎないスプレーが先端から噴射され、鼻の中をきれいにします。傷みなし、変な味や臭いもありません。
幼い頃、日本で耳鼻科の先生に鼻うがいをしなさいと言われ、試したことがあります。上手にできず苦痛でした。それ以来、鼻に液体を入れることは拒絶していたのですが、これなら朝飯前!
海水鼻洗いスプレーは、ベビー用のミストタイプもあり。実際に、この製品を作ったフランスでは、生まれた時から鼻洗いはするものだそう。不快感も少なく、手早く使えるので、小さなお子さんがいる家庭でもおすすめです。
使用回数: 1 ~ 2 回 / 日
→ 鼻水が垂れている、鼻づまりの場合は、4 ~ 6 回 / 日
使用方法:
① スプレーの先端をそっと鼻の穴に。
② 挿入した側とは反対に頭を横に倒します。
③ ノズルをしっかり押します。( 成人は 1 ~ 2 秒プッシュ / 赤ちゃんは 1 秒以内 )
④ 反対の鼻孔も同様の流れで。
⑤ 最後に鼻をかんでください。
対象: 2 歳以上 ( 妊娠中も OK / 新生児・赤ちゃん用あり )
値段:大人用のスプレー ( 135 ml ) は、お値段は 3200 Ft ( 約 1,280 円 ) 程度。
※ 赤ちゃん用 ( 115 ml ) は 2,500 Ft ( 約 1,000 円 ) ほど。
使用期間:パッケージに期限が書かれていますが、開封後は 6 ヶ月以内。
注意:家族間で使いまわしをしないでください。感染症が広がる可能性があります。
※ 常温保存ですが、0 ℃以下 35 ℃以上の環境で保管しないこと。
( Ft = ハンガリーフォリント 100 Ft = 約 40 円 2019 年 1 月現在 )